第155回日本昆虫学会・第92回日本応用動物昆虫学会合同東海支部会講演会
静岡大学農学部で開催された第155回日本昆虫学会・第92回日本応用動物昆虫学会合同東海支部会講演会に出席した。静岡大学農学部に来たのは2007年11月10日に開催された第148回日本昆虫学会・第85回日本応用動物昆虫学会合同東海支部会講演会以来である。静岡に来たのは2009年のプロジェクトの会議以来。今回もこれまでと同じホテルに泊まっている。上等なホテルではないが、駅から近くて便利なので、特に不満はない。
静岡大学へはJR静岡駅前からバスに乗るのだが、2007年に来たときとはバス乗り場の様子が変わっていて少し迷った。しかし、バス停に向かうと、講演会に参加するメンバーが既に数名来ており、安心した。
今回のプログラムは以下のとおり。
1 小澤朗人・小澤由季(静岡茶研セ)ササゲの花外蜜腺に集まるアリはカメムシから莢を守れるか?
2 杉山恵太郎(静岡防除所)静岡県のハスモンヨトウに対する殺虫剤の食餌浸漬法による殺虫効果
3 小杉由起夫(静岡防除所)茶園におけるチャノキイロアザミウマに対する薬剤の効果
4 片山晴喜(静岡防除所)草生栽培カンキツ園のイネ科植物におけるカブリダニ類の発生状況
5 竹林大介1・宮入萌2・西東力2・田上陽介2(1岐阜連大・農・2静岡大・農)コナジラミ類の人工膜上での産卵条件の検討
6 土田祐大1・安部淳1・金子修治2・西東力1・田上陽介1(1静岡大・農・2静岡果樹研セ)寄生蜂Leptomastidea abnormisのミカンヒメコナカイガラムシへの寄主適合性
7 對馬佑介・田上陽介(静岡大・農)クロメンガタスズメAcherontia lachesisの飼育法の検討
8 神田優基(岐阜大・応用生物科学)フタモンアシナガバチにおける幼若ホルモンの卵巣発達効果
9 永田和也(岐阜大・応用生物科学)フタモンアシナガバチの卵識別メカニズムに関する化学生態学的研究
10 井之口文菜(岐阜大・応用生物科学)エゾオオマルハナバチの人工飼育条件下におけるコロニーの特性に関する研究
11 山内綾乃(岐阜大・応用生物科学)クロツブハダカアリの女王間闘争に関する研究
12 松尾悠司・山田佳廣(三重大院・生物資源)セグロアシナガバチにおける優劣順位:産卵者および労働配分を決めているか?
13 加藤啓佑・塚田森生(三重大院・生物資源)アテモヤの訪花昆虫と果実食昆虫の群集の比較
14 池田二三高(袋井市)・大庭俊司(磐田市)静岡県磐田市で発生したイラガの一種Thosea sinensisについて
15 河野勝行(野菜茶業研究所)アカガネアオゴミムシChlaenius abstersusの生活史について
16 小出哲哉(愛知県新城設楽農林水産事務所)愛知県における獣害の現状と対策
講演申込の締め切りの時には発表数が少なくて困っていたという話を聞いていたが、蓋を開けてみればいつもより講演数が多かった。参加人数もいるもより多くて、40名近くいたように思う。
今回も小出さんの話は面白かった。一昨年の第151回日本昆虫学会・第88回日本応用動物昆虫学会東海支部合同講演会ではハチの攻撃性の比較の話だったが、今でも面白かったという印象が残っている。今回は職場が変わり、鳥獣害の話である。イノシシ、ニホンジカ、ハクビシンなどの農業への被害はかなり深刻である。それの防止対策の試みをたくさん紹介された。
池田二三高さんの国内でこれまでに記録の無かったガの話も興味深かった。静岡県の磐田市のごく一部に局地的に発生したイラガの仲間。なぜこんな所に発生したのだろうか?
聴衆として参加された平井剛夫さんは講演に対して積極的に質問や意見を述べられた。ぼくの講演についても有益な意見をいただいた。感謝!
講演会のあとの懇親会。本物の「静岡おでん」ではなかったが、黒はんぺんが入った「静岡おでんもどき」だった。今日もそれほど暖かくなかったので、暖かいおでんは嬉しかった。アルコールは滅多に飲まないのだが、今日はビールを1缶ぐらいは飲んでしまった。体調は悪くなく、少なくとも「飲み過ぎ」ではないと思う。
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