Odonata

2013年7月14日 (日)

森上信夫著『虫の呼び名辞典』

森上信夫著『散歩で見つける 虫の呼び名辞典』
2013年7月15日発行
世界文化社
ISBN978-4-418-13422-9 C0045
1,500円+税

Moriue_2013
Moriue_2013_sg

出版社サイトは>>こちら<<

目次
春の虫
 モンシロチョウ、ギフチョウ、ほか
夏の虫
 アゲハ、ツマグロヒョウモン、ほか
秋の虫
 キタテハ、モンキチョウ、ほか
コラム
 ナミテントウの斑紋図鑑
 虫たちのカムフラージュ
 身近な夏のセミ
 身近なチョウの幼虫
 カマキリの卵のう

 著者の森上信夫さんから新刊を贈っていただいたので紹介したい。
昆虫写真家である森上さんの「虫の呼び名辞典」というのは、少々意外な感じがした。さいしょパラパラと見た時の印象も、なんとなく意図がわからない感じがした。しかし、あらためて最初から読み直してみたら、面白い着想だということが理解できた。
 虫には名前が付けられている。普通の人が使っているのは「和名」である。和名には、その虫の形態が表されていたり、生き様が表されたりしていることが多いが、中には意味がよくわからないものがある。ボク自身の頭の中では虫の名前はほとんど記号化していて、その意味を深く考えることは無くなってしまっている。
 この本は、身近な虫の名前について、その名前の意味するところを解説している。なかにはよく分からないものもあるが、それは森上さんの解釈の説明がある。これを読んでみると、自分の名前の解釈には色々な思い込みがあることもわかった。ようするに、自分は名前のことを深く考えていなかったということである。
 名前の本だけなら、写真家である森上さんが書くのに違和感を感じるわけだが、それぞれの種のすばらしい写真が添えられている(というか、写真が主役なわけだが)ので、名前が意味するところが理解しやすい。写真だけでも中途半端になっていただろうが、文章と写真が結びついて、完成度の高いものになっている。
 それはともかく、虫の名前の由来を知ることによって、虫への理解がより深まると思われるので、自然観察する人には、本書はお勧めだと言える。しかし、身近な虫でありながらゴキブリが掲載されていないのは、何からの意図があってのことか?

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年7月30日 (月)

ミヤマアカネ(2012年7月30日)

 近年ミヤマアカネが減っている、という話を良く聞いていたので、思い返してみたが、確かにこちら三重県に来てからミヤマアカネを見たというはっきりした記憶がなかった。
 ところが、今朝、調査のために畑の中を歩いていたら、まだ未熟なミヤマアカネが飛んでいるのが目についた。とりあえずは、絶滅してしまった、ということではないわけである。
20120730blog01

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月26日 (土)

シンポジウム「海を渡る昆虫の神秘」(2012年5月26日)

 名古屋の名城大学で開催された名古屋昆虫同好会主催の『シンポジウム「海を渡る昆虫の神秘」〜みんなで考えてみよう、小さな虫の大きな不思議〜』に参加した。名古屋昆虫同好会がこのような一般にも公開したシンポジウムを開催したのは、名古屋昆虫同好会の63年の歴史のなかで初めてのことである。もともと名古屋昆虫同好会には昆虫の中でも「生態」を指向した会員が少ないので、このようなテーマでシンポジウムを開催することにしたのは意外であった。

20120526blog1
プログラム
開会挨拶 間野隆裕(名古屋昆虫同好会会長)
基調講演
「北上昆虫は南下する!」−伊良湖岬から海を渡る虫たち−:金沢至(大阪市立自然史博物館)
講演
「なぜ、どのように、どこまで飛ぶの?アサギマダラ」:窪田宣和(愛知アサギマダラの会)
「トンボの省エネ飛行」−ウスバキトンボとアキアカネを例に−:石田昇三(日本トンボ学会)
「移動する(かもしれない)昆虫の話題」:間野隆裕(豊田市矢作川研究所)
パネルディスカッション
「海を渡る昆虫の神秘」:各講演者
閉会挨拶 蟹江昇(名古屋昆虫同好会副会長)

 大雑把にまとめてしまえば、アサギマダラとウスバキトンボの話が中心であり、その移動の実態はどんなものか、という話題が中心であった。基調講演での金沢氏の話の中心は、秋に渥美半島の先端の伊良湖岬で観察していると、志摩半島の方向に飛び出して行く昆虫がたくさんあり、アサギマダラやウスバキトンボだけではなく、その他の様々な昆虫が海に飛び出して行くのが観察されたということであった。
 アサギマダラは長距離移動をすることがマーキングによって確かめられている。大雑把に言えば、春に北東方向への移動があり、秋に南西方向への移動があるが、細かいところを見れば、これに当てはまらない移動も少なからずある。窪田氏は愛知県を中心にアサギマダラの移動をマーキングで調べているが、短距離(主に県内)の移動の方向はかなりランダムであるとのことであった。また、愛知県の標高600m程度の場所での観察によれば、越冬(主として幼虫態で)が可能であり、一年中アサギマダラの姿を見ることができるとのことである。それなのになぜ移動しなければならないか、という点については大阪府立大学の平井規央さんによる「寄生蠅からの逃避のため」いう説が有力であろうということであった。
 ウスバキトンボは本州あたりでは春にはいないが夏以降に急激に個体数を増す。熱帯地域では一年中見られる。石田氏によれば、気温の上昇とともに、あるいは台風などの風に乗って北上するが、高緯度地域では冬には死に絶えてしまい、南下は見られないということである。これは金沢氏の伊良湖岬での観察とは対立する考え方である。ウスバキトンボはアサギマダラとは違って組織的なマーキングは行われておらず、これまでの定説は日本各地でのウスバキトンボの季節的な個体数の変動から想像した憶測に過ぎないと思う。石田氏は「一方通行説」を唱えているが、ボクは大勢としてはそうであっても、秋の南下も少なからずあるのではないかと想像している。
 間野氏は、「ウンカ海を渡る」の著者である岸本良一先生の東シナ海の定点観測船で得られた昆虫を紹介し、実に様々な昆虫が海上で得られたことを紹介した。ひょっとしたらアマチュアの昆虫愛好家の間ではどうか知らないが、トビイロウンカやセジロウンカがモンスーンに乗って東シナ海を渡って中国から渡ってくることは、農業昆虫研究者の間では今では「常識」となっており完全に定説になっている。間野氏の演題は「移動する(かもしれない)昆虫の話題」となっていたが、「かもしれない」は余計だったように思える。
 最後はパネルディスカッションで、参加者からの質問に答える形であった。寄せられた質問は良いところを突いていると思うものもあったが、初心者のような質問もあり、このシンポジウムには、昆虫の移動のことをあまり知らない人が多く参加していると窺われた。移動する昆虫には自然ではなく人為的な移動によるものもあるのではないか、という質問に対して間野氏は「それもある。コナガなどはそうかも知れない」と答えていたが、コナガは明らかに長距離移動をする能力を持っていると思う。ボク自身も石垣島での観察から、ほぼ確実に数百キロの移動をしていると確信した。(→この論文 PDFがあります)
20120526blog2
 このシンポジウムには名古屋昆虫同好会の幹事の皆さんの多くは参加されていたが、普段の例会に参加されているメンバーの顔があまり見られなかった。これはボクにとってはある程度予想できたことであった。しかし、正確に数えたわけではないが100人近くの人数が集まったと思われ、遠くは長野や奈良から参加されている方もあり、シンポジウムとしては盛会ではなかったかと思われた。これを機会に名古屋昆虫同好会に入会してくれる人があることを期待している。
 ボク自身にとっても、とくに窪田氏の講演から多くのヒントを得られ、自分自身のアサギマダラの移動に関するイメージをより明確にできたように思う。これについては、どこかでまたあらためて考え方をまとめて書き遺しておきたいと思う。実りの多いシンポジウムであった。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年4月29日 (日)

今年初めてのいつものフィールドにて(2012年4月29日)

 昨日に続き天気が良かったので、今年初めていつものフィールドに出かけた。三男坊が同行。
 天気は良く暖かく風もなかったが、活動している昆虫は少なかった。昆虫が少なかった理由は不明。去年ハルゼミの鳴き声を聞いた場所でも、ハルゼミの鳴き声は聞けず。おそらくまだ発生していないのだろうと思う。
20120429blog01フィールドの一角のクヌギ林

20120429blog02シオヤトンボだろうと思うが自信無し

20120429blog03ツチイナゴ。成虫で越冬するので、この時期にはよく見かける。

20120429blog04オオカマキリ。他にも卵嚢を見つけたが、どれも卵嚢は既に孵化していたようだった。

20120429blog05たぶんニホンアカガエル

20120429blog06シマヘビ。それほど大きな個体ではなかった。

20120429blog07マイマイカブリ。三男坊が見つけた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年10月17日 (月)

個体群生態学会第27回大会@岡山大学・印象記(2011年10月14日〜16日)

 個体群生態学会の大会というかシンポジウムに参加するのは、1997年10月に沖縄県知念村(当時)のホテルサンライズ知念で開催されたシンポジウム以来だから14年ぶりである。こちらにその時の写真が掲載されているが、みんな若いので時が経ったことを嫌でも感じさせられる。どうでも良い話であるが、その年はボクが石垣島に赴任した年で、まだ出張慣れしておらず、飛行機に乗ったあとでパンツを持ってくるのを忘れたのに気付き、那覇に着いてから牧志の商店街に行ってトランクスを2枚買ってから開南のバス停から38番の東陽バスに乗ったことが思い出される。その14年前のトランクスは去年ぐらいまで長期にわたって使っていたが、そんなに長く使っていられた理由は、普段はトランクスを履かずブリーフを履いていたからである。
 個体群生態学会は、もともとは害虫の防除や水産資源の管理などの応用分野に大きく関係する個体群動態や分布様式の解析などがテーマの中心だったが、社会生物学とか進化生態学と呼ばれる分野が日本に押し寄せてきた1970年代の終わり頃から、それらの新しい分野の研究が中心的になってきた。そのため、応用分野に身を置くボクとしては、個体群生態学会の大会あるいはシンポジウムに出席しようという動機が薄くなっていた。ところが今回の大会は、応用分野のシンポジウムがいくつも組まれていたので、久しぶりに出席してみようという気になった。
 1日目と3日目は2〜3つのシンポジウムが同時並行して開催されていたので、どちらに出ようか迷うものもあった。2日目は本大会のメインのシンポジウムであり、参加者は半ば強制的に出席させられた。シンポジウムの他には、自由応募によるポスター発表が2日目と3日目に開催されていた。
 1日目のシンポジウムは大学の授業が終わってからの18:00からの開始であった。ボクは「ここまでわかった昆虫の長距離移動」のシンポジウムに出た。4名からそれぞれ、イネウンカ類、ハスモンヨトウ、ナモグリバエ、コガタアカイエカの長距離移動についての話題提供があった。イネウンカ類については、かなり良い精度で海外からの長距離移動の予測が可能になっている。ハスモンヨトウについても、かなり海外から来ていることは間違いないし、コガタアカイエカについても、遺伝子型をみる限り海外からたびたび飛来があることは確かだと思える。よくわからないのがナモグリバエである。ここ三重県辺りでは冬場しか見られないが、北海道では越冬できずに夏場に見られる。どのように移動しているのか、まだはっきり言えない状態である。
 2日目は朝から夕方まで、2人の日本人に加え、外国人の演者4名を招いて社会性の進化に関する最近の研究の紹介であった。これは、通訳無しの英語で行われた上に、普段馴染みの無い社会性に関する話題が中心だったので、テクニカルタームがわからず、何が語られているのかさっぱりわからない、非常に情けない状態だった。日本語で話されていてもわからなかった可能性もある。
 そのあとは総会と奨励賞の受賞記念講演が行われた。受賞記念講演は内海俊介氏による「時々刻々と変化する植物から昆虫の多様性に迫る」という演題で、ヤナギをモデルにしてそこに棲息する昆虫の多様性の違いが紹介された。あたりまえと言えばあたりまえのような話ではあったが、自然生態系の中で起こっていることを体系立てて説明することはやっかいなことなので、奨励賞に値する良い研究内容だったと思う。
 このあと懇親会があったが、既に書いたように、出席しなかった。
 最終日3日目は午前中に1コマ、午後に2コマのシンポジウムが組まれていた。
 午前中は「外来生物の侵入と拡大−植物保護の最前線−」に出た。外来生物はしばしば多量に繁殖して問題を起こすことがあるが、そのようなことに関わる話題として、輸入検疫からみて警戒すべき害虫、チャトゲコナジラミ、既存の天敵が効かないミツユビナミハダニ、外来雑草、計4題が紹介された。雑草の話を聞く機会は少なかったが、植物検疫という関門がある病害虫と違い、検疫フリーで入ってきてしまう雑草の問題は厄介な問題だと思った。
 午後の1コマ目は「寄生生物の進化と多様性〜楽しい強制から怖い感染症まで〜」に出た。テレビなどでも引っ張りだこの五箇公一氏がオーガナイザーである。五箇氏が趣旨説明をしたわけだが、氏の話し振りは人を惹き付けるものがあり面白い。そのあと5題の話題提供。寄生−被寄生の関係を持たない生物はほとんどないと思われるが、様々な寄生あるいは共生関係が紹介され、寄生−被寄生関係の面白さがあらためて感じさせられた。
 最後の午後の2コマ目は「農業生態系における個体群生態学」に出た。奥圭子氏の趣旨説明のあと、4題の話題提供があった。金子修治氏のカンキツ園におけるニホンアブラバチの個体群に関する話は、様々な生態的な関係のしっかりしたデータが取られており、充実した内容だと思った。上野高敏氏は現在ボクも関わっている農耕地の生態系の生物多様性の指標から農法を評価しようというプロジェクトの紹介のような話であったが、話のまとめかたや話し振りが非常にうまく、あらためて自分が何をやってるのかを再確認させられるような思いであった。最後に中筋房夫先生のコメントがあったが、このエントリーの最初の方に書いた、個体群生態学会の歴史について触れられ、今でも個体群生態学は農業害虫研究にとって重要である、と締めくくられた。
 時間が前後するが、ポスター発表について。ボクは石垣島に住んでいたときのホシカメムシの研究以来、配偶干渉について興味をもっていたが、そのときいろいろと教えていただいた西田隆義氏がご自身や学生さんとの共同研究のポスターを発表されており、在来タンポポと外来タンポポの分布が配偶干渉で説明できるということで、大変面白いと感じた。最優秀ポスター賞を獲得したのも配偶干渉に関したもので、京極大助氏と西田隆義氏の共同研究の「マメゾウムシにおいて種間交尾がアリー効果を引き起こす」であった。
 今回の大会は200名弱の参加者だったと思うが、規模が大きすぎず小さすぎずというところで、なかなか良かったと思うし、内容的にもボクには有意義なものだったと感じられた。しかし、来年も参加するかどうかは、開催されるシンポジウムの内容次第ということになると思う。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2011年8月15日 (月)

セミヤドリガ(2011年8月15日)

 今日も朝から職場の回りはセミの大合唱である。ニイニイゼミ、クマゼミ、アブラゼミ、まだ少ないがツクツクボウシ。庭に出たら、アブラゼミの個体数がやたら多い。ニイニイゼミは少し減ってきたようにも感じる。この場所にはヒグラシはそれほど多くないのだが、毎年発生の終盤になると見られるようになる。今日はここで3頭のヒグラシを見たが、この場所でヒグラシを見たのは今シーズン初めてである。しかし、この3頭すべてにセミヤドリガの幼虫が寄生していた。すぐに逃げるので撮影がやや難しかったが、撮れた写真がこれ。
20110815blog1 歩いていたら足下から飛び出して、近くのマツの木に止まったものである。とにかく、真っ白な塊をつけて飛ぶので、よく目立って、逃げても後を追うことができる。
 もう少し近寄って撮影しようと思ったら、飛んで逃げられてしまったのだが、その直後に上空を飛んでいたオニヤンマに捕まってしまった。ちょっとかわいそうなことをしてしまったと思った。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2011年7月16日 (土)

日本学術会議公開シンポジウム「新時代の昆虫科学を拓く2」(2011年7月16日)

 前日に開催されたシンポジウムに引き続き、今日もまた名古屋大学野依記念学術交流館で開催された日本昆虫科学連合、日本学術会議応用昆虫学分科会およびその加盟学協会主催のシンポジウムに出かけた。

プログラム
開会(13:00)
1 日本昆虫科学連合活動報告
山下 興亜(中部大学学長、日本学術会議連携会員)
2 応用昆虫学分科会からの「報告」
藤崎 憲治(京都大学大学院農学研究科教授、日本学術会議連携会員)
3 講演
1)細胞内カルシウム動態のかく乱を特徴とする殺虫作用
正木 隆男(日本農薬株式会社; 日本農薬学会)
2)アジアにおける昆虫媒介性感染症とそのベクター
沢辺 京子 (国立感染症研究所 昆虫医科学部; 日本衛生動物学会)
3)食品への昆虫混入とその防止法
宮ノ下 明大 (農研機構食品総合研究所 食品害虫ユニット; 日本家屋害虫学会)
4)アルカロイド利用昆虫の化学生態学
本田 計一 (広島大学大学院 生物圏科学研究科 生物機能開発学専攻; 日本鱗翅学会)
5)トンボにおける色彩多型の発生・進化機構
二橋 亮 (産業技術総合研究所; 日本動物学会)

 昨日のシンポジウムはちょっと期待はずれだったが、こちらの方は面白かった。
 講演はともかく、藤崎先生からの「報告」は、昆虫科学が置かれている立場やこれからなすべき仕事について、的を射た「報告」だったように思われた。
 正木氏の講演は、最近開発された優れた殺虫剤フルベンジアミドの作用機作の解説が中心であったが、勉強になった。
 沢辺氏の講演は、最近軽く見られがちの昆虫伝搬性疾病にかかわる媒介昆虫の重要さをあらためて示したもので、面白いと思った。
 宮ノ下氏の講演からは、意外なところで昆虫が問題になっているということを知ることができて勉強になった。
 本田氏の講演は、もうかなり解明されてきたかのように思われたマダラチョウとピロリジジンアルカロイドの関係が、まだ十分には明らかにされていないことを示したもので、昆虫と植物の共進化の奥の深さをあらためて感じさせられた。
 二橋氏の講演は、トンボに見られる「色」について、様々な面からその機能を明らかにしてきたもので、大変興味深かった。
 昨日のシンポジウムもこのシンポジウムも、もともとは東京で開催される予定だったものが、震災の影響で名古屋に会場を移して開催されたものである。このようなシンポジウムは、東京ばかりでなく、地方でも開催して欲しいものである。言うまでもなく、東京に行くより、名古屋に行く方が気楽である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年6月25日 (土)

いつものフィールドへ(2011年6月25日)

 今日の昼間は良い天気で暑かったので、夕方になってからの出動。三男坊も同行。
 現地に着くと、このブログに時々コメントをいただけるヘテロさんを発見。アカシジミやウラゴマダラシジミを見たけれど、もうボロになっているとのこと。
 ミドリシジミを見ようと、ハンノキが生えている場所へ向かう。トンボが増えている。一番目についたのはコシアキトンボ。いくらトンボが苦手でも、これなら図鑑を見なくてもわかる。
 歩いていると地面をゴミムシが走っている。最初に見つけたのはキボシアオゴミムシ。しばらくするとアトボシアオゴミムシも見つかった。キボシアオゴミムシとアトボシアオゴミムシはよく似ているが、アトボシアオゴミムシの方がほっそりしているし、緑色の光沢が強いので区別できる。キボシアオゴミムシは畑のような開けた場所でも普通に見られるが、アトボシアオゴミムシは樹林地を好むように思える。
 ハンノキの生えている場所では一瞬ミドリシジミが飛ぶのが見えたが、すぐに見えなくなってしまった。コシアキトンボばかりが目につく。さらに陽が傾くと、ミドリシジミの卍巴も見られた。しかし、この場所にはミドリシジミの個体数は少ないように思えた。ルリタテハはビュンビュン飛び回っている。クロヒカゲも元気だ。ボロいのもいたが、まだ新鮮なのもいた。ボロのサトキマダラヒカゲが帽子に止まったり。
 スイカズラにはあちこちにニセリンゴカミキリの食痕が見つかるが、本体は見つからず。スイカズラの密度もそれほど高くないし、ニセリンゴカミキリの個体数もそれほど多くないのだと思う。
 鳥の姿をたくさん見たし、鳴き声もたくさん聞いたが、名前はわからず。鳥は手に取って観察するわけにはいかないので、いつまで経っても名前を覚えられない。
 南の方で雷鳴が聞こえる。積乱雲も見える。車を止めた場所に戻ったら、虹が見えた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年6月24日 (金)

梅雨の晴れ間の職場の庭にて(2011年6月24日)

 梅雨の晴れ間である。それなりに暑いが、耐えきれない暑さでもない。
 職場の庭に出てみたら、今週始め頃にはわずかしか見られたかった、上陸したばかりの小さいニホンアマガエルの成体が、あちらにもこちらにもという感じで、いっぱいいた。ここ数年、こんなにたくさん見たこと無い、というほどである。
20110624blog1 木陰に入ればアカトンボの仲間が目についた。トンボは苦手だが、胸部の斑紋を見れば同定できる程度のことは知っている。あとから図鑑で絵合わせしたら、ノシメトンボだった。
20110624blog2 キノコも生えていた。手頃な図鑑を持っていないので同定できない。
20110624blog3 ピットフォールトラップにはこんなものも入っていた。サワガニ。トラップから出して、外で撮影。怒っている(ように見える)。
20110624blog4

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月 6日 (土)

第154回日本昆虫学会・第91回日本応用動物昆虫学会東海支部合同講演会

第154回日本昆虫学会・第91回日本応用動物昆虫学会東海支部合同講演会が名古屋の金城学院大学で開催された。
20101106blog001
20101106blog002
講演:森勇一氏
演題:先史〜歴史時代の昆虫化石から探る人々の暮らし
コメンテーター:河野勝行氏、山岸健三氏、桐谷圭治氏
20101106blog003
20101106blog004
 昆虫学会と応動昆の東海支部会の講演会としては異色の人選である。これまでは、生きた昆虫を相手にしている研究者による講演ばかりであったが、今回は遺跡から発掘された昆虫を研究されている森勇一氏が講演者である。
 様々な時代の遺跡からは様々な昆虫化石が見つかっている。そこで発見された昆虫から、当時の人々の生活がうかがわれるという話であった。人間の糞尿の処理に関しても、昆虫が何らかの役割を果たしていたはずで、それが昆虫化石にも反映されている、ということである。
 ぼくは全くの専門外ではあったがコメンテーターを依頼されており、事前に森氏の論文をあらかじめ送っておいていただいたのであるが、やはり直前までどのようなコメントをしたら良いのかわからなかった。ちょっと気になっていたのは、中世(鎌倉時代あたり)の遺跡からヒメコガネの化石が多数発見され、異様な塊として発掘されることがあるという話だったので、それはひょっとしたら当時の人間がヒメコガネを食べて、食べられない部分をまとめて捨てたのではないかということを思いついたので、そのようなコメントをした。もちろん、自信があっての話ではないが、昆虫食の文化が当時あった可能性は否定できないと思っている。
 次に、今では北海道には分布していないアカスジキンカメムシの化石が北海道でも発見されるのに、オオキンカメムシの化石は発見されないのが不思議である、という話があったが、これについては、オオキンカメムシが日本在来ではないアブラギリを寄主植物としており、アブラギリの栽培され始めた時代が新しいので古い時代の古墳からは発見されないのではないか、とコメントした。
 山岸氏からは、地質学についても深く突っ込んだコメントがされたが(ぼくは十分に理解できなかった)、あとからうかがったら、中学生時代には地学部に入っていて、化石を掘っていた経験があるとのことであった。
 桐谷氏からは、深い昆虫学の経験と知識をもとづいて、森氏の研究について(あらかじめ送られていた論文を読んだ上で)幅広いコメントをいただいた。
 講演会のあとは懇親会。人数が少なかったので、懇親会でも濃い議論ができたように思う。今回の講演とは全く関係無いが、最近、保湿性に着目されて(冬に乾燥しても土が風に吹き飛ばされないなど)学校の校庭に蛇紋岩を砕いたものが撒かれているそうであるが、蛇紋岩は超塩基性で毒性もあるため、特殊な植物(例えばツゲ)しか生育できず、木々が枯れている事例が多発しているそうである。地質に詳しい人からは、普段は聞けないような話が聞けて面白いと思った。

| | コメント (0) | トラックバック (0)