コカマキリが交尾しようとしていた

帰宅しようとして職場の自転車置場のところに来たら、建物の壁にカマキリがいるのが見えた。眼鏡の度があまり合っていないので、カマキリだということはすぐにわかったのだが、それ以上はわからなかった。近くに寄って見てみると、コカマキリが交尾しようとしていた。残念ながら、その後どうなったかは見届けていない。うまく交尾できあのか、雄はうまく逃げられたのか、雌に食われてしまったのか。
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帰宅しようとして職場の自転車置場のところに来たら、建物の壁にカマキリがいるのが見えた。眼鏡の度があまり合っていないので、カマキリだということはすぐにわかったのだが、それ以上はわからなかった。近くに寄って見てみると、コカマキリが交尾しようとしていた。残念ながら、その後どうなったかは見届けていない。うまく交尾できあのか、雄はうまく逃げられたのか、雌に食われてしまったのか。
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今日は昆虫学会も最終日。少し疲れも溜まってきた。それでも、いつものように8時半ぐらいには会場の大会本部に着く。今日は特に本部に詰めている必要はなく、朝一番の一般講演の講演の座長をすれば、ほぼ仕事はこなしたことになる。
ということで、今日は一般講演をかなり自由に聴くことができた。朝一番は分類学の発表がある会場の座長をして、いくつか講演を聴いたあと、害虫管理の講演の会場に移った。桐谷圭治・湯川淳一・藤崎憲治の大御所3名の連名による「地球温暖化のミナミアオカメムシのこれから」。50年も前に採られたデータと、近年のデータを比較して、ミナミアオカメムシの今後を予想したものである。50年も前のデータが今の発表に活用できるということ自体、大変驚くべきことである。聴衆はそれほど多くなかったが、今回ぼくが聴いた一般講演の中では、もっとも印象が強かったとも言える。80歳にもなる桐谷さんが、まだ元気に発表されるということも素晴らしい。

そのあと、ナミハグモの種分化の発表があるのに気付き、その会場へ。今の仕事の中で出てきたクモが、先日の同定会でナミハグモの仲間と同定されたので、聴いておくべきだと思ったのだ。
昼は大会本部で昼食をとった後、天気が良いので外に出た。すると、ニホンミツバチの巣があるという人がいたので、後をつけて現場に向かった。現場は会場のすぐ近くのマツの木の根元にあった。すぐ近くにジョロウグモか何かの網があり、そこにひっかかたミツバチがかなりいたらしく、クモの網にはミツバチが運んできたと思われる花粉団子がたくさん引っかかっていた。

午後は2コマの小集会だ。1コマ目は「カマキリ学の解明に向けて−季節適応.防衛戦略.繁殖戦略からの生態学的アプローチ」に出席。ここでは、近年ずっとぼくが「追っかけ」をしている安藤喜一先生が『仰天科学「カマキリの雪予想」はなぜ信じられたのか?』という演題で講演された。もう何度も話を聞いているので、酒井與喜夫氏の「カマキリの雪予想」がデタラメであるこことは十分に理解しているつもりだが、未だに巷では「カマキリの雪予想」が信じられているという話を聞き、マスメディアの宣伝力の怖さをあらためて感じさせられた。面白ければその話がデタラメであったもかまわない、というマスメディアの態度は極めて危ないものだと感じさせられる。

2コマ目は「日本半翅類学会」の小集会に出た。例年と同じく、会務報告のあと、一人一話形式で話題提供が行われた。ぼくが話したのは、近い将来に出版されるはずのカメムシ図鑑でのシロジュウジカメムシ類の扱いについての話など。いつもどり、アットホームな感じのする会だった。
そのあとは、津駅前の居酒屋に場所を移してさらに話をした。駅前ではハサミムシの分類のNさんが合流した。半翅類学会の世話役のTさんが所用で東京に帰られたので、驚くべきことに、Nさんがいなければ、ぼくはそのメンバーの中の最年長だった。それだけ若い人が多かったということで、喜ばしいことである。しかし、若い人たちの就職のことを考えると、明るい材料は少ないので、喜んでばかりもいられない。8時過ぎにはお開きになり、ぼくは帰宅したが、Nさんと若い人たちは二次会に向かったようだった。
これで、今年の昆虫学会の予定はすべて終了したが、プログラム編成という仕事も経験することができ、昆虫学会の範疇に限れば、充実した年だったように思える。
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いしもりよしひこ(石森愛彦)著『うちの近所のいきものたち』
2009年6月29日発行
ハッピーオウル社
ISBN978-4-902528-34-3 C0045
1500円+税

もくじ
はじめに
4月 春です。チョウがさかんにとびはじめました!
アブラムシ退治はテントウムシの幼虫で!
5月 カメムシいろいろ
クズの虫たち
このアオムシはなんの幼虫でしょうか?
カマキリ誕生!
6月 ビオトープで見られるトンボ
コウガイビルってしってる?
アゲハの羽化を見よう!
7月 虫はだいすきヤブガラシ
カナヘビを飼ってみました
ヤモリは夜、でてきます
8月 セミがなきたててこそ、日本の夏!
8月は虫にとっても暑い!
夕方、コウモリがとびまわります
9月 夜、コオロギたちの合唱です
ガガンボ出現
10月 赤トンボが急にふえます!
この時期のカマキリ
11月 晴れた日には、まだチョウがとぶけれど
12月 ベランダに小鳥をよんでみました
1月 冬の虫さがし
冬、カモの集まるところ
2月 「メスしかいない?」冬のヒゲジロハサミムシ
こんな鳥が1羽だけ、いました
3月 ヒキガエルの卵とオタマジャクシの観察
著者の石森愛彦さんから新刊を贈っていただいたので紹介したい。
著者の石森愛彦さんは多才な方なので、なんという肩書きにしたら良いのか迷うのだが、とりあえずイラストレーターであることは確かだ。昆虫関係では、吉村仁先生の著書『素数ゼミの謎』の挿画を描かれている。
石森さんには、出版社の方と一緒に、一昨年の4月に我が家を訪ねていただいた。子供向きにハサミムシの本を作りたいということで、ハサミムシの生態について色々お話をしたのだった。それだけでは十分ではなく、その年の7月には電話をいただいて、またハサミムシの話をした。
結局、ハサミムシの話だけで本を作るという計画は立ち消えになってしまった、とその後伺っていたのだが、その代わりに(というわけでは無いと思うのだが)ハサミムシの話が盛り込まれてできたのが本書『うちの近所のいきものたち』だと思う。
石森さんは、東京都板橋区の街中にお住まいだ。本書には、石森さんのお宅の近所の生き物が、一年を通して描かれている。板橋区には大きな公園もあるとのことだが、ここに登場するのは、石森さんのお宅と、その近所にある学校のビオトープで見られる生き物だ。だから、特別に珍しい生き物が登場するわけではなく、ごく普通に見られる生き物が主役となっている。哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類も登場するが、主役はやはり昆虫だ。描かれている昆虫の種類も多岐にわたっているが、冒頭に書いたように、無視されることが多いハサミムシ(ヒゲジロハサミムシ)についても、きちんと描かれているところが嬉しい。
季節は4月から始まり3月で終わっている。この一年を通して、"石森流"の観察術が描かれている。添えられている言葉も、"石森流"だ。アゲハの幼虫の飼育のところでは、『さなぎからこんな虫がでてくることもよくあります。寄生バチと寄生バエです。さまざまないきものがすんでいる地球、しかたありません。』とか『羽がきれいにのびないこともあります。「目の前で見る」とは「成功の保証がない」ということ。だからこそ感動するんだと思います!』とか書かれているが、これは自然の捉え方や感じ方としては極めて正しいと思う。様々な普通に見られる生き物に対して、しっかりした観察がなされており、それが"石森流"の表現で、実に効果的に描かれていると思う。
都会で生き物の観察をするのは難しいような気もするが、この本を読んでいると、どこに住んでいても生き物の観察はできるものだと感じさせられる。
本書はイラスト満載の本で、写真は一切載っていない。しかし、イラストは丁寧な観察に基づいて実物に忠実であるので、下手な写真よりもよほど説得力があると思う。生き物の観察のためのガイドブックとしても、本当にお薦めだと思う。
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今日の朝日新聞朝刊の科学欄に「耐雪性のあるカマキリの卵」と題して、弘前大学名誉教授の安藤喜一先生のオオカマキリの卵の耐雪性についての研究が、簡潔に解り易く紹介されていた。これまで、安藤先生の学会発表を何度も聴いていたので、何時こうやって普通の新聞に(要するに、研究者相手ではなく、一般の人に対して)紹介されるものかと心待ちにしていたところだった。
カマキリが降雪量を予測して産卵する高さを決めるという話は「おはなし」としては面白いが、科学的には正しくないことは明らかだ。
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普段あまり飲まない酒を飲んで昨日はけっこう遅くなってしまい、疲れも溜まってくる頃でもあるので、どうなるかと思ったのだが、今日も目覚まし時計が鳴る前に目が覚めた。
今日いちばん楽しみにしていたのは、安藤喜一先生の講演だ。オオカマキリは雪予想なんぞしない、という話。今回の演題は「ありえない話 オオカマキリの雪予想」というもので、徐々に過激さを増してきている。去年の秋の昆虫学会やそれ以前の講演では、雪に埋もれるような場所にもオオカマキリがたくさん産卵することを確認したり、雪に埋もれたり、雪解け水に浸かったオオカマキリの卵がちゃんと孵化することを示したりするという、安藤先生ご自身の調査や実験の結果が報告されていたが、今回は酒井與喜夫氏が著書「カマキリは大雪を知っていた」の中で示したデータが恣意的なものであることを指摘したものだった。端的に言えば、野外で得られたデータに施された様々な補正の多くは恣意的なものであった、ということだ。恣意的な補正を施せば、相関があるとは言えないデータを相関があるかのように見せることは容易なことだ。前にも書いたが、これは生物学的な発想ではなく、工学的な発想だ。いずれにしても、酒井氏が雪に埋もれたオオカマキリの卵は死んでしまうという間違った思い込みを持ってしまったことが根本的な原因だが、これだけはっきりと問題点を指摘されても、ジャーナリズムが未だに酒井氏の説を鵜呑みにしている実態は、情けないとしか言いようが無い。
昼食に学生食堂に行こうとしたら、懐かしい顔が見えた。同じ大学で開催されていた日本農業経済学会に出席していたS君だ。同期に同じ職場に就職し、計8年間同じ職場にいた。ぼくが転勤して以来だから15年ぶりになる。色々と昔話や噂話に花を咲かせることができた。
小集会は「水田普通種の激減と長期残効殺虫剤」に出た。昨日の「応動昆で生物多様性を考える」の続編のような小集会だ。育苗箱で使用されるとある殺虫剤が水田に棲息するアカトンボやゲンゴウロウに大きな影響を与えているという実態が報告された。あちこち転居している関係で、アキアカネやナツアカネなどのアカトンボが激減しているという実感を自分で持つことはできていないのだが、昆虫同好会誌の編集をやっている関係上、そういう実態があることは知っていた。昨日の農生態系における生物多様性における問題点の本質も十分に理解できていないし、普通種がいなくなっているという実態についても、その問題点の本質は、やはり十分にできていない。生物多様性やアカトンボやゲンゴロウが何故必要なのだ、と問われた時に、ぼくはまだそれに対して答えることができないのだ。多様性が必要なのは、感覚的には理解できるのだが、論理的には何も理解できていない。そして、多くの人にとって、アカトンボがいなくなっても、その人の暮らしは何も変わりはしないだろう。
今年の応動昆の大会は、ぼくにとって、ここ数年で一番面白かったように思えた。発表内容が変わったのか、それともぼく自身の感じ方が変わったのかはわからないが。来年の応動昆に向けて、ぼく自身ももっと面白いネタを仕込んでおきたいものだ。その前に、昆虫学会もあるが。
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今朝の朝日新聞に付いていた「be」の1面。日曜ナントカ学「積雪の量 カマキリがズバリ」。
季節柄、このような話題を出すのは適切かも知れないが、酒井與喜夫氏が「カマキリが大雪を知っていた」を出版したのはもう何年も前のこと。それ以降、酒井説を否定する研究発表が安藤喜一氏によってなされている(1)、(2)。それにもかかわらず、朝日新聞に書かれていることは、酒井氏の説を説明したのみで、安藤喜一氏による研究は「異論もある」としか書かれておらず、安藤喜一氏の名前はもちろん、その内容に関しても一切説明が無かった。
これでは、朝日新聞が科学雑誌「科学朝日」とその後継誌「サイアス」を休止してから、科学部のレベルが落ちたのではないかと思わざるをえない。カマキリが積雪を予測している、という話になれば一般受けは良いかも知れないが、積雪を予測しているのは、カマキリではなく、酒井與喜夫氏、あるいは酒井與喜夫氏によって作られた計算式であることは明白だ。
かつて「科学朝日」や「サイアス」の編集長をやっておられた方に、柏原精一さんという方がおられたが、柏原さんがいれば、このような記事にはならなかったのではないかと思う。
朝日新聞さん、もう少ししっかりしてください。と声を大にして言いたいものだ。
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今朝は6時半に目覚ましがなるまで熟睡した。シャワーを浴びて、少し持ち帰ってきた昨日の懇親会の残りの料理と、なんばウォークのわしたショップで買ったカップの沖縄そばを食べた。昨日の懇親会の料理がまだお腹の中に残っている感じだったので、これで十分満腹した。
8時15分ぐらいにホテルを出て、JR元町から六甲道に行こうかとふと考えたのだが、神戸市営地下鉄の「みなと元町」駅の写真を撮ろうと思い直したので、結局そこを通って、神戸高速鉄道の花隈駅に向かった。あとは昨日と同じ経路。
朝一番の安藤喜一先生の講演「オオカマキリの「雪予想」は間違いである」の会場へは、一番乗りしたので一番良い席を確保できた。安藤先生は、去年の昆虫学会の大会で、初めて酒井與喜夫著「カマキリは大雪を知っていた」 (社)農山漁村文化協会 人間選書250 ISBN4-540-03114-7 に書かれている内容に対して批判をした。示された根拠は、カマキリの卵のうは雪に埋もれても死なないどころか、雪に埋もれた方がかえって孵化率が高い、というものだった。それだけでも十分だとは思うのだが、さらに今年は、雪解けの水の中に長時間浸されても卵は死なない、というデータも付け加えられた。
その結果、酒井氏の著書に対する評価は、「雪に埋もれた卵はすべて死んでしまうという間違った思い込みに基づいているため、書かれている内容は全く根拠が無いものである。酒井氏の文章表現が巧みであるため、それを信じてしまう人がいても不思議ではない。この間違いがおこったのは、適切な指導者なり助言者がいなかったことが原因である。酒井氏が得たデータには酒井氏の基準に基づいた様々な補正が加えられた上で有意な相関があることが示されていることから、積雪量を予測しているのはオオカマキリではなく酒井氏自身である。」というもので、ぼくがこの本を読んだときの感想とほとんど同じものだった。酒井氏はこの研究で博士の学位を得ているが、それが理学博士や農学博士ではなく、工学博士だったことは、せめてもの救いだったかも知れない。安藤先生には、酒井氏によって作られた間違った定説を正すための一般の人向けの啓蒙書を書いていただきたいものだと思った。
世の中に似非科学がはびこっているのは事実らしい。江本勝氏の「水からの伝言」からはある種の悪意を感じ取ることもできるが、「カマキリは大雪を知っていた」からは著者である酒井氏の全く悪意というか、うさんくささは全く感じられず、それがゆえにかえって間違いを正すことが難しいのではないかと感じられる。
その他の講演で面白く感じられたのは、高知大学の原田哲夫先生グループの外洋棲のウミアメンボの話題2題。ゲッチョ先生の著書『ゲッチョ昆虫記—新種はこうして見つけよう』に書かれていることと併せると、外洋棲のウミアメンボ類の密度はけっこう高く、海流の流れに身を任せて漂っている、という生活をしていることが窺われる。
午後のシンポジウムは一般への公開も兼ねていた。時間が種分化にどのような影響を与えたか、というような内容の話が3題あったが、結局は時間が種分化に影響を与えたのではなく、進化の結果、時間的な形質が分化したのではないか、というところに落ち着いたと理解した。
このシンポジウムでは、たまたますぐ前の席に若い女性2がいたので、学会員ではないと思ったので声をかけて話をしたところ、学校の先生に話を聞いて面白そうだと思ったから、という理由で参加した地元の神戸高校と御影高校の生徒だった。2人とも虫が好きで、将来はこの方面の勉強がしたいとのことだった。こういう若い人がたくさん仲間になって欲しいものだ。特に正木先生と竹田先生は英語の専門用語を多用されたので、高校生のためには理解の妨げになったのではないかと思った。この2人には宮竹先生の話が一番面白いと感じたとのことだった。ぼく自身も、宮竹さんの話が一番解りやすかった。しかし、見知らぬ女子高生と話をしたのは何年ぶりのことだろうか。
シンポジウムの後は「日本半翅類学会」の小集会に出た。京都大学の藤崎先生による奄美大島のカメムシの写真がいろいろ紹介された後、一人一話形式で全員が少しずつ話をした。藤崎先生の奄美大島のカメムシに対してはいろいろ疑問なり自分の考えなりがあったが、時間の制約もあったので、そのあとの懇親会でゆっくりと、と思っていたが、藤崎先生は別のグループの懇親会に参加されたようで、話をしそこねてしまった。藤崎先生も忙しいはずだが、お暇なときに一度京都におしかけて、話をしたいと思う。
半翅類学会のグループは三宮の居酒屋に繰り出して、多いに喋った。林先生と若い学生さんがいると、話が盛り上がって大変楽しい。明日のこともあるので、10時半ぐらいに一応お開きになり、花隈まで電車に乗り、ホテルに戻った。
明日は最終日。かなり疲れが溜まってきた感じだ。
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今日は家族と一緒に県北部の桑名市にある多度山に登った。運動不足解消のためのハイキングだ。家を出発したのが9時を過ぎてしまっていたので、多度駅に着いたときにはもう11時近かった。
多度駅から多度大社の前、多度渓谷を通って、西側から山頂に向かい、帰りは愛宕神社へ下るルートをとった。
多度大社を過ぎたあたりから、ちょっとハイキング気分になれる道になった。道の脇には谷の水を引いた狭い水路ががあり、水が速く流れていた。そこでガサッと音がしたので何かと思ったら、ヤマカガシ Rhabdophis tigrinus (Boie,1826) だった。ヤマカガシはその水路を渡ろうとするのだが、首を延ばしても向こう側に届かない。どうするのかと思って見ていたら、流れに飛び込み、多少流されたものの、無事に向こう側にたどり着いた。
多度渓谷に入ると、今度はハラビロカマキリ Hierodula patellifera (Serville, 1839) の♀が踏みつぶされていた。おきまりのように、ハリガネムシが近くにいた。しかし、いつものように1匹ではなく、2匹もいた。これまでにハリガネムシが2匹も寄生しているのは見たことが無かったが、今日のハラビロカマキリは運悪くハリガネムシが寄生している虫を2匹以上食べてしまったのだろう。
さらに進むと山道になったが、かつては林道として利用されていたのではないかと思われるほどだった。もっとも、途中にかつてあったと思われる橋が無くなっていたりするので、車が通れるとは思えなかった。しかし、傾斜が緩やかな分だけ、登るのは楽だった。快調に歩いていると、前に動物の気配がした。ニホンザル Macaca fuscata (Blyth) だった。普通ニホンザルは群れで行動していることが多いが、1頭だけだった。離れザルだったのかも知れない。今度は息子がミドリセンチコガネ Geotrupes auratus Motschulsky, 1857 を見つけた。多度山はミドリセンチコガネの産地としてはそれほど有名ではないと思うのだが、おそらくこのあたり一帯には広く分布しているのだろう。
さらに進むと、車のホイールキャップが落ちていた。スバルのだ。さらに進むと今度は道の脇に白い車が落ちていた。スカイラインだ。さすがにこれには驚いた。さらに進むと、今度は白い軽自動車が落ちていた。アルトだ。今度はあきれてしまった。さらに進むと、道はだんだん良くなり、車が十分通れそうな道になった。すると「この先、本当に車輌の通り抜けできません 多度町」という立て札があった。「本当に」という所に笑えてしまった。しかしこの車、どうするつもりなのだろうか?
このルートは距離が長かったので、山頂に着いたときには午後1時半近くになっていた。握り飯とポットに入れていったお湯で作ったカップ麺はうまかった。
帰りは、愛宕神社に抜ける「健脚コース」をとって下山した。傾斜が急なだけあって距離は短く、多度駅までほぼ1時間しかかからなかった。
今日は風もない良い天気だったので、ハイキングには大変良い条件だったと思う。しかし、山で会った人の数は数えられるほどだった。今どきの人はハイキングなどしないのだろうか?
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キャベツ畑での調査を終えて研究棟に戻ろうとしたところ、道路にカマキリがいるのが見えた。近寄ってみるとハラビロカマキリ Hierodula patellifera (Serville, 1839) の♀であることがわかったが、もうほとんど死んでいる状態だった。同時に目に入ったのは、半分干涸びかけたハリガネムシだった。ハリガネムシとは、鞘翅目 Coleoptera コメツキムシ科 Elateridae の仲間の一部の種の幼虫のこともそう呼ぶが、このハリガネムシは類線形動物門 Nematomorpha に属する動物だ。
ハリガネムシの生活史はかなり特殊で、カマキリ類などの昆虫が最終宿主になるが、卵は水中に産まれる。孵った卵は水棲昆虫に取り込まれて、水棲昆虫が中間宿主となり、その水棲昆虫をカマキリなどが食べることによって、最終宿主の体内で成熟するということだ。しかも面白いことに、ハリガネムシに寄生されたカマキリは、自ら水辺に向かうということらしい。カマキリが水辺に達すると、ハリガネムシはカマキリの肛門付近から脱出して水中に入る。
ところが、今日ハリガネムシを見た場所は水辺ではなく、アスファルトで舗装された道の上だ。おそらく、カマキリが交通事故か何かに遭遇し、それが刺激となってハリガネムシはカマキリから脱出したものの、近くに水が無かったので、干涸びて死んでしまったということだと想像される。
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今日は家族と一緒に伊勢市の朝熊ガ岳にハイキングに出かけた。山に登ること自体、それは一つの目的だったが、もう一つの目的はアサギマダラ Parantica sita niphonica (Moore, 1883) のマーキングだ。
近鉄朝熊駅から、朝熊峠を経て、山頂、さらに金剛證寺を経てレストハウスに行った。帰りは山頂を通らず、金剛證寺の旧参道を通って朝熊峠に出て、朝熊駅まで戻った。
駅から登山口に向かう途中、ツクツクボウシ Meimuna opalifera (Walker, 1850)の鳴き声が聞こえた。自宅周辺ではもう鳴き声が聞こえなくなっているので、今年の聞き納めかも知れない。
朝熊登山道は登山口から朝熊峠まで約2.4kmの道のりだ。途中1町(約109m)ごとに碑やお地蔵さんが立っているので、どのあたりまで来たのか分かるので、精神的にも安心できる。朝熊峠は22町だ。
朝熊峠から山頂に向かう途中、初めてのアサギマダラが現れた。苦労したが何とか捕獲したが、残念ながらマークは付いていなかった。比較的新しいが、もう交尾を済ませた♀だった。そこから山頂に向かったが、花が非常に少なく、アサギマダラが集りそうな予感は無かった。しかし、ときおりルリセンチコガネ Geotrupes auratus Motschulsky, 1857 が飛び出して来るので嬉しかった。野登山や御在所岳にはミドリセンチコガネがいるが、いずれもオオセンチコガネの色彩変異だ。ルリセンチコガネは紀伊半島に広く見られ、奈良の春日山が有名な産地だ。理由はわからないが、津市から伊賀地方にかけては、オオセンチコガネの分布の空白地帯になっている。
山頂に行くと、アマチュア無線家と思われる人たちが無線機を前に交信していた。持参した握り飯の昼食を済ませ、その無線家のところに近づいてみると、それはアマチュア無線ではなく、市民無線と特定小電力無線だった。アマチュア無線家なら話が通じると思ったのだが、市民無線や特定小電力無線では何を話題にして良いのかわからないので、声をかけるのはやめた。
金剛證寺に向かう途中の山道では、40cmを裕に超える巨大なミミズを発見した。残念ながら、種名まではわからない。この他にも30cmを超える個体も発見した。この山には大きなミミズが多いのか、それとも今日はたまたま巡り会っただけなのかはわからない。
偶然ではあったが、日本アマチュア無線連盟が設置したビーコンの送信所も発見してしまった。ここからは50MHz帯と14MHz帯の電波が送信されている。これは津市の自宅からもはっきり受信できる。
金剛證寺を経てレストハウスに向かう途中、道沿いの歩道の手摺の擬木にヒメカマキリ Acromantis japonica Westwood, 1849 がいるのを息子が見つけた。よく見てみると、たくさんいることがわかった。ヒメカマキリはこれまであまり縁がなかったので、これだけたくさん見られると大変嬉しい。しかし、何故擬木にいるのか、理由がよくわからない。擬木にぴったりと張り付いているような姿勢の個体が多いので、おそらく本来は樹木の幹で生活しているのだろう。
レストハウス付近では、ときおり上空をアサギマダラが飛ぶのを見たが、とても手が届く高さではなかった。レストハウスの展望台からは、渥美半島は目の前に見えるし、知多半島もそれほど遠くない場所に見える。渥美半島や知多半島から飛び出すアサギマダラは、朝熊ガ岳を目印にして飛翔することは十分に可能だろう。
お昼を過ぎたあたりから、山頂付近は雲の影になることが多く、朝熊峠に下るまでは、ときおりルリセンチコガネも現れたが、飛んでいる虫の数も少なくなったように感じられた。
朝熊の駅に戻ると、ホームの端に生えたアザミの一種にホウジャクの一種が吸蜜に訪れていた。残念ながら、このホウジャクの一種も種名がわからない。
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