昆虫同好会

2013年3月 3日 (日)

三重昆虫談話会2013年総会兼日本鱗翅学会東海支部例会(2013年3月3日)

 今日は午後から三重県教育文化会館(津市)で開催された三重昆虫談話会2013年総会兼日本鱗翅学会東海支部例会に行ってきた。近くなので歩いて出かけたが、気温が低く、風が吹いて、寒かった。体調もまだ思わしくないので、よけいに応えた。

会長の挨拶と会務報告のあと、3題の講演。

1)三重県のムシヒキアブ(篠木善重)
2)今までやってきたこと、これからやれそうなこと(大島康宏)
3)ウスバアゲハの分布の拡大と縮小(間野隆裕・山田昌幸・高橋匡司)

 篠木さんの話は、一般の虫屋にはあまり興味を持たれていないムシヒキアブの話で、三重県のムシヒキアブをまとめていきたいので皆さんお願います、というような内容であった。ムシヒキアブの仲間は、見ても採集しないことが多いので、目立つ種以外は名前を知らない。採集して篠木さんに渡さなくては。
 大島さんは去年の4月に三重県立博物館の新任学芸員として着任したチョウの専門家である。まだ完成していない新・三重県立博物館をどのようにしていくか、という意義込みに溢れた話であった。これからが楽しみである。
 間野さんの話は、愛知県の矢作川流域のウスバアゲハ(ついついウスバシロチョウと呼んでしまうが、ボクはウスバシロチョウの名前の方が好きである)の分布の拡大と縮小の話で、たくさんデータが取られていて説得力がある話であった。

 総会のあと、夕方には懇親会があったが、体調がすぐれないので失礼してしまった。

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2012年5月26日 (土)

シンポジウム「海を渡る昆虫の神秘」(2012年5月26日)

 名古屋の名城大学で開催された名古屋昆虫同好会主催の『シンポジウム「海を渡る昆虫の神秘」〜みんなで考えてみよう、小さな虫の大きな不思議〜』に参加した。名古屋昆虫同好会がこのような一般にも公開したシンポジウムを開催したのは、名古屋昆虫同好会の63年の歴史のなかで初めてのことである。もともと名古屋昆虫同好会には昆虫の中でも「生態」を指向した会員が少ないので、このようなテーマでシンポジウムを開催することにしたのは意外であった。

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プログラム
開会挨拶 間野隆裕(名古屋昆虫同好会会長)
基調講演
「北上昆虫は南下する!」−伊良湖岬から海を渡る虫たち−:金沢至(大阪市立自然史博物館)
講演
「なぜ、どのように、どこまで飛ぶの?アサギマダラ」:窪田宣和(愛知アサギマダラの会)
「トンボの省エネ飛行」−ウスバキトンボとアキアカネを例に−:石田昇三(日本トンボ学会)
「移動する(かもしれない)昆虫の話題」:間野隆裕(豊田市矢作川研究所)
パネルディスカッション
「海を渡る昆虫の神秘」:各講演者
閉会挨拶 蟹江昇(名古屋昆虫同好会副会長)

 大雑把にまとめてしまえば、アサギマダラとウスバキトンボの話が中心であり、その移動の実態はどんなものか、という話題が中心であった。基調講演での金沢氏の話の中心は、秋に渥美半島の先端の伊良湖岬で観察していると、志摩半島の方向に飛び出して行く昆虫がたくさんあり、アサギマダラやウスバキトンボだけではなく、その他の様々な昆虫が海に飛び出して行くのが観察されたということであった。
 アサギマダラは長距離移動をすることがマーキングによって確かめられている。大雑把に言えば、春に北東方向への移動があり、秋に南西方向への移動があるが、細かいところを見れば、これに当てはまらない移動も少なからずある。窪田氏は愛知県を中心にアサギマダラの移動をマーキングで調べているが、短距離(主に県内)の移動の方向はかなりランダムであるとのことであった。また、愛知県の標高600m程度の場所での観察によれば、越冬(主として幼虫態で)が可能であり、一年中アサギマダラの姿を見ることができるとのことである。それなのになぜ移動しなければならないか、という点については大阪府立大学の平井規央さんによる「寄生蠅からの逃避のため」いう説が有力であろうということであった。
 ウスバキトンボは本州あたりでは春にはいないが夏以降に急激に個体数を増す。熱帯地域では一年中見られる。石田氏によれば、気温の上昇とともに、あるいは台風などの風に乗って北上するが、高緯度地域では冬には死に絶えてしまい、南下は見られないということである。これは金沢氏の伊良湖岬での観察とは対立する考え方である。ウスバキトンボはアサギマダラとは違って組織的なマーキングは行われておらず、これまでの定説は日本各地でのウスバキトンボの季節的な個体数の変動から想像した憶測に過ぎないと思う。石田氏は「一方通行説」を唱えているが、ボクは大勢としてはそうであっても、秋の南下も少なからずあるのではないかと想像している。
 間野氏は、「ウンカ海を渡る」の著者である岸本良一先生の東シナ海の定点観測船で得られた昆虫を紹介し、実に様々な昆虫が海上で得られたことを紹介した。ひょっとしたらアマチュアの昆虫愛好家の間ではどうか知らないが、トビイロウンカやセジロウンカがモンスーンに乗って東シナ海を渡って中国から渡ってくることは、農業昆虫研究者の間では今では「常識」となっており完全に定説になっている。間野氏の演題は「移動する(かもしれない)昆虫の話題」となっていたが、「かもしれない」は余計だったように思える。
 最後はパネルディスカッションで、参加者からの質問に答える形であった。寄せられた質問は良いところを突いていると思うものもあったが、初心者のような質問もあり、このシンポジウムには、昆虫の移動のことをあまり知らない人が多く参加していると窺われた。移動する昆虫には自然ではなく人為的な移動によるものもあるのではないか、という質問に対して間野氏は「それもある。コナガなどはそうかも知れない」と答えていたが、コナガは明らかに長距離移動をする能力を持っていると思う。ボク自身も石垣島での観察から、ほぼ確実に数百キロの移動をしていると確信した。(→この論文 PDFがあります)
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 このシンポジウムには名古屋昆虫同好会の幹事の皆さんの多くは参加されていたが、普段の例会に参加されているメンバーの顔があまり見られなかった。これはボクにとってはある程度予想できたことであった。しかし、正確に数えたわけではないが100人近くの人数が集まったと思われ、遠くは長野や奈良から参加されている方もあり、シンポジウムとしては盛会ではなかったかと思われた。これを機会に名古屋昆虫同好会に入会してくれる人があることを期待している。
 ボク自身にとっても、とくに窪田氏の講演から多くのヒントを得られ、自分自身のアサギマダラの移動に関するイメージをより明確にできたように思う。これについては、どこかでまたあらためて考え方をまとめて書き遺しておきたいと思う。実りの多いシンポジウムであった。

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2012年3月 4日 (日)

三重昆虫談話会2012年総会・日本鱗翅学会東海支部例会・大川親雄名誉会長を偲ぶ会(2012年3月4日)

 今日は三重昆虫談話会総会兼日本鱗翅学会東海支部例会があったので三重県教育文化会館まで出かけた。今年は、去年の秋に亡くなられた三重昆虫談話会の名誉会長(会の創立以来50年間も会長を務められていた)大川親雄さんを偲ぶ会も兼ねられた。

議事:会務報告など
講演:三重県のフクイアナバチとクズハキリバチ(西田悦造)
   三重県北部のチョウの現状(河本実)
大川親雄名誉会長を偲ぶ会:
  1.大川先生縁の虫(秋田勝己)
  2.先生の思い出話(坂部元宏・石田昇三・西田律夫)

 議事では、会の役員の交代が承認され、新会長には糞虫研究家の稲垣政志さんが選ばれた。副会長には生川展行さんと川北均さん、幹事に中村泰さん。
 講演では西田悦造によるハチの話。昆虫同好会のハチ屋さんは少ないので、なかなか聞けない話であったと思う。河本さんのチョウの変遷の話も、地道な調査の賜物である。
 大川親雄名誉会長を偲ぶ会での講演では、3人の方からそれぞれ昔の話を聞くことができたが、一流のプロの研究者である西田律夫さんが大川先生の教えを受けたバリバリの昆虫少年であったことの話を聞くことができたのは、なかなか貴重な体験ではなかったかと思う。
20120304blog1亡くなられた当日の大川先生
20120304blog2大川先生に献名されたウガタオサムシ

 この会のこととは全然関係のない話だが、今朝ぐらいから胃の調子がおかしい。帰りがけに薬局に寄って胃腸薬を買ってきた。

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2012年3月 3日 (土)

第157回日本昆虫学会・第94回日本応用動物昆虫学会合同東海支部会講演会(2012年3月3日)

 「第157回日本昆虫学会・第94回日本応用動物昆虫学会合同東海支部会講演会」に出席するために名古屋の名城大学に出かけた。例によって、ちょっと早めに出かけ、栄や大須で買い物をした。12時半ぐらいに、最寄り駅の塩釜口へ。名城大学では国家試験が行われていることだったので、何のことかと思ったのだが、薬剤師の国家試験があるようだった。

プログラム
1.竹内久男・山田佳廣(三重大院・生物資源)
 イヌビワ果嚢数の季節消長と相利共生者イヌビワコバチの生活環
2.○河野勝行・飯田博之(野菜茶業研究所)
 タマナギンウワバ発生予察用フェロモン剤に誘引される非標的種チョウ目昆虫種
3.○澤友美1・森下恵1・立石剣2・田中利治3・中松豊1(1皇學館大・教育、2農業生物資源研、3名大院・生命農)
 アワヨトウ幼虫の生体防御反応における脂肪体の役割について
4.○成川沙紀1・平賀早紀1・山際桃子1・立石剣2・田中利治3・中松豊1(1皇學館大・教育、2農業生物資源研、3名大院・生命農)
 ギンケハラボソコマユバチによる寄主アワヨトウの栄養代謝制御について
5.小出哲哉(新城設楽農林水産事務所)
 生態を理解した獣害対策-行動から見たイノシシの捕獲法-
6.川竹友志・塚田森生(三重大・生物資源) 
 トサカグンバイの集合性とその適応的意義について
7.長澤恵介・今井良輔・塚田森生(三重大・生物資源)・秋野順治(工繊大)
 果樹チェリモヤおよびアテモヤの花香の放出と花粉媒介者の概日リズム
8.安達來良(岐阜大・昆虫生態)
 トゲズネハリアリの繁殖生態に関する研究
9.橋詰直弥(岐阜大・昆虫生態)
 卵寄生蜂ヘリカメクロタマゴバチの寄生生態に関する研究

 当初は講演の申し込みが少なかったとのことだったが、演題数はやや少なめ、というところだった。
 面白かったのは、小出哲哉さんのイノシシの捕獲法。哺乳動物にはあまり馴染みがないので、余計に面白さを感じたのではないかと思うが、暗視カメラで撮影したイノシシの行動は面白かった。
 ぼく自身は、と言えば、ただ講演を聴きに行くだけでは申し訳ないと思ったので、5月に出る予定の研究会の会報に投稿した内容を、ほぼそのまま喋った。研究会の会報に書いただけでは読まれない可能性もあるので、同じ内容とは言え、どこかで喋るのは悪いことではないと思っている。
 講演のあろ会務報告があり、東海支部の事務局が、長年置かれていた三重大学から静岡大学に移るとのこと。三重大学の山田先生、ご苦労様でした。
 懇親会にも参加したのだが、参加人数がけっこう多くで、飲食物が足りなくなるのではないかと心配された。
 懇親会のあと、Iさんと一緒に地下鉄に乗り、昆虫同好会のことなどを話した。昆虫同好会の運営もなかなか難しいものがあると思わざるをえない。

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2011年12月18日 (日)

名古屋へ(2011年12月16日〜17日)

 一昨日から昨日まで、1泊で名古屋に出かけた。主目的は一昨日の午後から昨日のお昼まで開催された「第43回 食と緑、水を守る全国集会」への参加である。何も好き好んでこの集会に参加したわけではない。職場の労働組合からの動員の要請があったからである。しかし、動員費が支給されるので、ついでに名古屋で買い物ができる、というメリットがあるのは確かである。さらに都合が良いことに、昨日の午後はアマチュア無線関係の「第11回 名古屋大須QRP懇親会」が上前津駅の近くの名古屋市中生涯学習センターで開催され、夜には「名古屋昆虫同好会12月例会」が名古屋市中小企業振興会館(吹上ホール)で開催されることになっていたので、この両方にも参加することにした。さらについでに、健康を考えて、できる限り歩くことにした。
 まずは江戸橋駅8:15分発の近鉄急行で名古屋へ。この急行は近鉄四日市駅で7分も停車して2本の特急に追い抜かれるので、気分は良くない。が、1時間ちょっとで名古屋に到着。まずは買い物のために大須へ。名古屋駅から40弱分歩いて「第2アメ横ビル」へ。Google Mapで調べた時間より余計にかかったが、途中で何度も信号に引っかかったからだと思う。街道歩きをしているときは、信号に引っかかることはあまりないので、「表程速度」が上がるが、街中の道はダメである。その後、「第1アメ横ビル」などへ。最近、普段使用しているニッケル水素充電池が弱ってきた感じがしているので、「エネループ」と充電器などを調達。
 次は、栄駅近くの中日ビルの地下の「名古屋わしたショップ」へ。今日の「宿」への土産を調達。さらに、今日の目的地である、東区上竪杉町にある「ウィルあいち」へ。まだ時間が早すぎたので、場所だけ確認して、前もって目星をつけておいたラーメン屋へ。途中、「主税町」という地名を見つけ、大昔のこと、名古屋昆虫同好会の月例会が「ちからまち会館」で開催されていて、中学生の頃、そこに参加していたのを思い出した。「ちからまち会館」がどこにあったのだか、さすがに今では思い出せない。
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20111216blog0 清水口交差点近くの「あおい」へ。11:50分ぐらいに到着したが、既に5人ほどの待ち行列が店の前にできていた。行列ができる店だとは思っていなかったので、少し迷ったが、ラーメンを食べたい気分だったので、そのまま並ぶことにした。ほどなく店内に入ることができたが、店内にも待っている人が5人ほど。人気店のようである。「中華そば」の食券を買う。出てきたのはこれ。
20111216blog2 麺は中細のやや平たい縮れ麺。魚ダシが効いていてかなり美味しかった。スープも飲み干してしまった。ボクの基準では合格点である。ランチタイムは無料でご飯が付けられるが、最近は「食べ過ぎは良くない」と考えているので、ラーメンのみを食べた。
 さらに時間があったので、周囲を散策しながら会場に向かう。途中で「東海総合通信局」の入っている合同庁舎を見つけ、かつて、「第1級アマチュア無線技士」の試験をこの近くのどこかのビルで受けたのを思い出したが(結果は不合格)、その時は全く土地勘がなかったので、こんな場所だったとは思わなかった。
 と、まあ、ブラブラしながら会場へ。会場のすぐ前には「名古屋市市政資料館」がある。国指定重要文化財に指定されており、風格がある建物である。
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20111216blog4 会場の入り口と、集会の様子。大村秀章愛知県知事や近藤昭一衆議院議員も来ていた。
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20111216blog6 夕方5時頃には1日目の日程が終了。名古屋駅近くの「ウィンクあいち」で開催される懇親会への輸送のためにバスが出るとのことだったが、敢えて歩いた。大体の方向の感を頼りに名古屋駅へ。会場から名古屋駅まで40分弱。2分ほど遅れていた17:45発の大垣行きの特別快速に滑り込みで乗車。この日の宿は「ホテル・ジッカ」。6時過ぎには到着。
 夜寝るまで、母と喋り続けた。いつもより少し早く22:00頃就寝。


 2日目は7時前に起床。まずは新聞を読みながらコーヒーを1杯飲む。朝食時にもさらにもう1杯のコーヒー。
 8時過ぎには出発し尾張一宮駅へ。8:11発のホームラーナーは「別料金」がかかるのでやり過ごし、8:15発の岡崎行き普通列車に乗車。それほど混雑しておらず、立ち客も多かったが、空席を見つけて着席。
 ふと窓の外を見ると養老山脈の山が白くなっていた。そう言えば、前の日の夜には名古屋で初雪が観測されたとのことだった。
20111217blog1 8:30頃に名古屋駅着。駅前のツインタワーには圧倒される。しかし、大地震でも起こったらそうするのだろうか?こんなビルには入りたくない。
20111217blog2 この日の会場は名古屋駅前の「ウィンクあいち」なのですぐに到着。
 2日目は分科会である。希望していた分科会には参加できず、上部組織からは別の分科会への参加を指示されていた。原発の話(ビデオを観るだけ)とCOP10の成果についての話。原発と生物多様性は直接関係がなさそうなのに、一緒にやるところがヘンである。生物多様性についてはいろいろ勉強したし、考えるところもあったので、講演のあと、せっかくなので意見を述べた(「ツッコミを入れた」とも言う)。写真も撮られたので、組合の新聞に顔が載るかも知れない。これもお昼少し前に終了。
 今日の昼食は「西安刀削麺 矢場町店」で食べることにしていたので、矢場町(正確には「大須 4丁目」)へ。このビルの1階に入っている。集会の会場からここまで40分弱。
20111217blog3 これが入り口。
20111217blog4 「トマトと卵の刀削麺」を注文。
20111217blog5 以前食べたときより、唐辛子がよく効いていた感じだったが、辛すぎることはなく、スープまで完食。
20111217blog6 ここから歩いて10分ほどで「名古屋市中生涯学習センター」へ。「第11回 名古屋大須QRP懇親会」である。
20111217blog7 いつもは和室だったが、今回は会議室だった。参加者は10数名。何人かは自作の機械を持ち込んできているので、その「作品」を前に色々ディスカッション。いろいろなアイデアに感心させられることが多く、この会に参加するといつも何か新しい知識が身に付く感じがする。
20111217blog8 これは参加者が製作した「136kHzの送信機」。これにも色々なアイデアが盛り込まれている。
 16:00頃にはお開きになり、参加者の何人かはそのまま「第1アメ横ビル」へ行き、部品の調達。このあと「QRP懇親会」の忘年会が予定されていたが、ボクは別行動。一路「吹上ホール」を目指して歩く。
 しかし、ここで一つの失敗をしたことが発覚。夕食は軽く「マクド」のハンバーガーを2つぐらい食べようかと思っていたのだが、それを買うのを忘れていた。大須から若宮大通りに沿って東へ歩くのだが、大須を抜けると商店がほとんど無くなってしまった。丸田町の交差点を過ぎて中央線の線路が見えたところでコンビニエンスストアを発見。サンドウィッチを1つ調達する。そこから先、「吹上ホール」まで、商店は全くなかった。
 5時半頃には4階の会議室の「名古屋昆虫同好会12月例会」の会場に到着。会場内でサンドウィッチを食べる。本当に軽い夕食である。最近は体重を絞ったせいか、体調が良くなり、食べ過ぎが良くないことを実感しているので、これぐらいの夕食で十分である。
 例会では一人一話で、信州大学で開催されたときにチッチゼミの抜け殻の見つけ方を教えてもらった話と、いま仕事でやっていることの話をした。後半は卓話だが、その前の休憩時間のこと、Nさんから話しかけられて、いろいろな昔話を聞いた。そろそろ歳なので昆虫採集から「卒業」を考えているというような感じであった。いろいろ考えさせられた。
 例会の後半の卓話はHさんによる「北ボルネオ サバ州 熱帯雨林の蝶」の話。現地での昆虫採集での苦労の話など。
 会場は21:30まで借りられているので、まだ話の途中だったが、帰りの電車のことがあるので、21:00ちょっと前には会場を後にした。さすがにここから名古屋駅まで歩く余裕はないので、吹上駅まで歩いて21:08発の地下鉄に乗って名古屋駅へ。さらに近鉄名古屋駅に向かい21:31発の津新町行きの急行に乗る。この電車を逃がすと、急行は22:06発まで無いので、やはりこの電車に乗りたい。これに乗れば22:30に江戸橋駅に着くので、マトモな時刻に寝られるが、乗れないと江戸橋駅到着が23:05になるので、これはさすがにシンドイ。例会の会場が名古屋駅に近いと良いのだが・・・

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2011年2月11日 (金)

虫寿

 今日は三重県の蝶屋の重鎮Nさんの虫寿のお祝いがあった。虫寿という言葉は虫屋の間でしか通用しないと思うが、要は64歳のお祝いのことである。もちろん語呂合わせ。
 その虫寿のお祝いの席で「虫寿」をどう読むかが話題になった。「ちゅうじゅ」か「むしじゅ」か?
 ぼくは「ちゅうじゅ」だと思っていたが、Nさんは「むしじゅ」が良い、ということで、「むしじゅ」ということになりそうだ。

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2011年1月 9日 (日)

2011年名古屋昆虫同好会総会・葛谷健さんの講演

 一昨年の虫供養と去年の総会と虫供養を欠席してしまったので、名古屋昆虫同好会の行事に参加するのは2009年の総会以来である。毎月の例会もあるが、夜の例会は帰りが遅くなるので、行こうと考えたことはない。
 例によって、せっかく名古屋まで出かけるので、ついでに他の用足しと余計なことも。まずは地下鉄の乗りつぶし。まだ乗ったことの無い桜通線の中村区役所方面へ。すぐに戻り久屋大通で名城線に乗り換え、上前津まで。大須の沖縄物産品店「にらい」にて「沖縄そば屋さんのBGM」のCDを見つけ、思わず買ってしまった。ついでにルートビアも。ここから鶴舞線の大須観音駅から御器所まで乗り、再び桜通線。目的地の吹上とは逆方向の野並行きに乗り終点まで。一旦外に出て、そのあたりで食事をしようかと思ったが、気に入った店が見つからず、再び野並駅に戻り、目的地の最寄り駅の吹上に。地上に出たところ、目の前にいわゆる麺類丼物一式の店があったので入る。あまり空腹ではなかったのできしめんを単品で注文。480円也。けっこう美味しく、汁も飲み干してしまった。その店を出て会場の吹上ホールへ向かっていると、信号待ちをしているときに後ろから来たAさんとIさんに声をかけられ、一緒に会場に。
 総会は会長の挨拶に始まり、会務の報告と事業計画案の承認。そのあとは今日のメインイベントである自治医科大学名誉教授の葛谷健さんの講演である。演題は「1960年頃までの東海地方のチョウ類」。葛谷さんは名古屋出身で昭和一桁の生まれであり、旧制中学までを名古屋で過ごされている。旧制高校に進学して東京に移られてからもしばしば東海地方で昆虫の調査をされている。今日の話題はその当時の話である。時代としては1948年ぐらいから1960年ぐらいまでのことである。
 その当時はあちこちに昆虫同好会ができ、各地で昆虫相の解明が進むとともに、チョウの生活史が次々と解明された時代である。ぼくが中学生になって名古屋昆虫同好会に入会した頃、ぼくは主にチョウを集めていたが、その頃には日本産のほとんどのチョウの幼虫期の生態が解明された後であり、生態を解明するというワクワクするような現場に立ち会うことはもうほとんど不可能になっていた。そのワクワクする時代に葛谷さんは立ち会うことができたわけであり、戦後の混乱もあって大変だったかも知れないが、虫屋としては羨ましい時代を生きられたことだと思う。話される内容には、「これは○○で初めて採集された個体だと思います。」という言葉と一緒に示されるチョウがいくつも紹介され、「××の幼虫を見つけたのは私が最初だと思います。」とかいう言葉があり、羨ましく感じられた。チョウの研究をしているアマチュアなら知らない人はいないと思われる磐瀬太郎さんとの交流の話も羨ましく感じられた。
 今は愛知県ではほとんど幻になってしまったヒメヒカゲが東山公園で採れたとか、その東山公園にはまだギフチョウがいたとか、今では想像できない話ばかりで、本当に羨ましく思えた。
 ちょっと話を変えるが、チョウと違ってカメムシはまだまだ生態の解明が進んでいない。ぼくがカメムシに惹かれるのは、生態の解明ワクワク感を感じることができるから、という理由も大きいと思う。そういうワクワク感を感じたい人はカメムシを研究したら良いと思う。
 話を元に戻す。2009年の総会のときの高橋昭さんの講演もそうであったが、ワクワクする現場に立ち会われた人の話を本人の口から直接聞くことのできる機会はなかなか無いので、名古屋まで出かけた甲斐があったというものである。
 久しぶりの名古屋昆虫同好会の行事への出席だったので、参加者の顔と名前の半分ぐらいしかわからなかった。昔からの人はある程度わかるが、全く分からない人も多数。今日は例会とは異なって「一人一話」が無いので、結局顔と名前が一致しない人が多数残るということになってしまった。まだ若い人(女の子もいたのにはびっくりした)もチラホラといるので、そういう人はもっと増えて欲しいと思う。
 会のあとは新年会が計画されていたが、帰りが遅くなるのも辛いので、失礼して帰宅した。地下鉄桜通線で名古屋まで出て近鉄名古屋駅まで行ったら伊勢中川行きの急行が見えたので急いで切符を買って電車に向かったが、まだドアが空いていなかった。まもなくドアが開いて乗り込んだが発車時刻の17:21までにはしばらく時間があった。その間に17:10発の賢島行きの特急が発車した。名古屋から津までの間でほとんどの急行はあとから来た特急に追い抜かれる。これは津まで870円の特急料金を払わせようとする近鉄の魂胆に違いない。この急行は近鉄弥富で特急に抜かれたと思ったら、近鉄四日市でもまた特急に抜かれた。当然のことながら気分はよくない。それでも、以前より一駅近くなり、駅から家までの距離が近くなったので、18時30分頃には帰宅することができた。

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2010年11月28日 (日)

三重昆虫談話会2010年度例会

 三重昆虫談話会2010年度例会に出席するため、四日市の郊外にある三重県環境学習情報センターに出かけた。去年も書いたことだが、毎度のことながら、車で行かなければいけない不便な場所だと思う。希望としては、公共交通機関を使って行ける場所で開催して欲しい。ぼくは車を運転するのが好きではないのだ。
 会長が欠席のため、恒例の会長の挨拶は無かったが、会務報告などのあと、以下の2題の講演があった。
1) オオキベリアオゴミムシの生活史について(河野勝行)
2) 伊豆大島の直翅目(河北均)
 最初の講演は自分の講演である。9月の末頃、事務局のNさんから「何か講演して欲しい」と依頼されたのだが、ぼくは三重県ではほとんど昆虫採集らしい昆虫採集をしていないので、三重県の昆虫に関するネタもなく、何を話したらいいのか困ってしまったので、ぼくがこれまでに学会などで講演したリストを示して、結局この話題にした。今年の2月に三重大学で開催された昆虫学会の支部会での講演と同じ内容である。もっとも、支部会の講演では持ち時間が15分か20分しかなかったので、講演スライドには写真をたくさん付け加え、長い時間しゃべることができるようにした。
 オオキベリアオゴミムシの幼虫がカエルに食いついて、カエルを食べることはよく知られていることだと思うが、実際に幼虫を飼育したことがある人は少ないと思うので、それなりにオリジナリティがある話をすることができたのではないかと思っている。しかし、断片的な観察と、簡単な飼育実験しかしていないので、オオキベリアオゴミムシの生活史のほんの一面を垣間みたにすぎず、まだわかっていないことはいくらでもある。講演のあと質疑応答があり、冬の「オサ掘り」でもよく採れる、という話を聞く事ができたが、それから想像すると、ぼくが観察場所に使っていた職場の庭は、夏の間だけ、繁殖するために一時的に利用されている場所に過ぎないのではないかと思えた。一年中職場の庭で暮らしているならば、もっと春早くから観察されるようになっても良いはずだが、6月も半ば近くならなければ見られるようにならないのは、やはりどこか他所からやってきていると考える方が妥当性がある。やはり、他の人から意見を聞けることは良いことだと思う。講演を依頼されたときにはあまり気が進まなかったのだが、話をした意義はあったと思う。
 次の講演は伊豆半島の直翅目に関するもので、2年間に3回ほど伊豆大島に渡って採集した記録のまとめである。河北さんの話によれば、河北さんの調査によって、伊豆大島でこれまで記録がなかった種が非常にたくさん採集されたので、これまでいかに伊豆大島で昆虫相の調査が行われていなかったかを示す結果となっているということである。パワーポイントの調子がおかしく、写真が見られなかったのが残念であった。
 講演は4時前には終わってしまったが、5時まで会場が借りてあるということなので、主にドクトルふんふんさん(もちろんハンドル)と虫談義をした。毎月のサロンでは会えない方なので、いろいろと話ができて有意義だった。
 会がお開きになったあとだが、相変わらず体調がイマイチだったので、早く帰った方が良いと思って、懇親会は失礼してしまった。

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2010年3月 7日 (日)

三重昆虫談話会2010年総会

 ここ数日暖かい日が続いていたが、今日は冷たい雨の降る日になった。風もやや強くて寒い。
 今日は、年に1回の三重昆虫談話会の総会に出かけた。
 会長挨拶に続いて会務報告。そのあと3題の講演があった。

1. 文献からみた鳥羽市離島の蝶類研究史(中西元男)
2. 三重県の砂浜海岸で見られるツリアブ その生態と分布・同定(篠木善重)
3. ガ類環境調査の一記録 愛知県豊田市での調査から(間野隆裕)

 中西氏の講演は文献に基づいて、鳥羽市の離島(坂手島、菅島、答志島、神島)の蝶類の記録をまとめたもの。年を重ねるにつれて新しい記録が次々と出てきた様子が理解できた。
 篠木氏の講演は、普通の虫屋にとってあまり馴染みのない海浜性のツリアブについて。まだ、同定の問題がかなり残っているようである。
 間野氏の講演は、主にライトトラップを用いた調査法による環境調査を行った場合の問題点など。ちょっとしたトラップの位置の違いで結果に大きな違いが出てくることもあるという事例。ついでに、三重県で採れる可能性のあるトリバガ類についても紹介があった。

 体調がすぐれないので、懇親会は失礼して、早々に帰宅した。帰宅の途についた時には、出かけるときより雨はやや強くなり、気温も下がり、風も強くなり、寒かった。

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2009年12月 6日 (日)

三重昆虫談話会2009年度例会

 三重昆虫談話会2009年度例会に出席するため、四日市の郊外にある三重県環境学習情報センターに出かけた。毎度のことながら、車で行かなければいけない不便な場所だと思う。
 去年の例会は、去年の7月に亡くなった市橋甫さんを偲ぶ会になったが、今年は例年どおりの講演2題が予定されていた。そのうち一つは、自分も現場に僅かながら関わっていたので、どんな講演になるのか楽しみだった。
 会長の挨拶や会務報告などのあと、以下の2題の講演があった。
1) 三重県にフェモラータオオモモブトハムシSagra femorata (Drury)が定着か(秋田勝己・乙部 宏・中西元男)
2) ダイコクコガネCopris (Copris) ochus (Motschulsky)(稲垣政志)

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 まず最初の講演。演者は秋田勝己氏。今年の7月、松阪市在住の蝶屋の中西元男氏により、フェモラータオオモモブトハムシが発見された。フェモラータオオモモブトハムシは元々日本には分布していない種だが、東南アジア一帯には広く分布していて、現地では比較的普通に見られる種だ。ハムシの仲間としては非常に大型で、金属光沢があり美しい。中西氏の情報を元に、主に秋田・乙部の両氏による精力的な調査が行われ、松阪市のある地域においてフェモラータオオモモブトハムシが定着していることが確実であるという状況証拠が得られた。情報を辿って行くと、発見地近傍にかつて存在していたペットショップで数年前にフェモラータオオモモブトハムシが売られていたということだ。ということで、人為的に移入された個体が何らかの理由により逸脱し、定着してしまったということになる。熱帯地域にしか分布していない種が、冬にはそれなりに寒くなる三重県に定着してしまったとはかなり意外性があると思う。外来種というと何かと目の敵にされるが、このような美麗種だとついつい許してしまいたくなる。主な寄主植物はクズで、1年性の植物には寄生できないようなので、害虫として問題になることはないだろうと思う。

これはぼくが今年8月8日に撮影したフェモラータオオモモブトハムシの写真。情報を提供いただいた乙部氏には感謝。やはり、美しい虫を撮る(採る)と嬉しい。
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 稲垣氏の講演は野外におけるダイコクコガネの特に繁殖を中心とした生態調査の紹介。ダイコクコガネは様々な理由により、全国的に個体数が減少しているが、今でも比較的たくさん棲息している大分県まで足を運んで調査された。ダイコクコガネの餌である牛糞をあらかじめ日数を変えて野外に設置し、ダイコクコガネによって土の中に掘られたトンネルの中の様子を土を掘り返して観察しようという相当手間がかかる調査だ。ダイコクコガネの繁殖生態についてはある程度明らかになっていると思うが、おそらく実験的な条件での観察に基づいて得られた知見によるもので、このような実際の野外で観察しようという試みは、これまでほとんど成功していなかったと思う。土の中のトンネルの中で発見されたダイコクコガネの幼虫の餌になる糞球やその糞球を作っている成虫の様子や、ダイコクコガネに労働寄生するツヤマグソコガネの野外生態写真が紹介された。ツヤマグソコガネは動きが素早く、野外で写真を撮るのは大変難しいとのことだ。
 ツヤマグソコガネの生態の話を聞いて思い出したのが鳥飼否宇の小説『昆虫探偵~シロコパκ氏の華麗なる推理』。クマバチのシロコパκという探偵が活躍して、昆虫の世界に起こった様々な事件の謎を解いていくのだが、この中でツヤマグソコガネの生態が紹介されていた。この小説は、かなり詳しい昆虫の生態に関する知識に基づいて書かれているので、虫屋が読むとかなり面白いのではないかと思う。この小説を紹介してくれたT氏には感謝!

 講演が終わった後は、全員が順番に自己紹介。昆虫を趣味とする人の高齢化がいわれて久しいが、小中学生が3名もいてビックリ。本当に若い虫屋は絶滅危惧種だと言われているので、我々年長者が大切に育てていかなければいけないと思う。

 例会の後は懇親会も予定されていたが、帰りが遅くなるとキツいので失礼して帰ってきた。

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