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2017年7月 8日 (土)

いしもりよしひこ(石森愛彦)著『昆虫って、どんなの?』

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 著者の石森さんと初めてお会いしたのは、今から10年以上前のこと。ハサミムシの話を訊きたい、とのことでわざわざ拙宅まで出版社の方と一緒においでいただいた。
 そのときいろいろお話をしたのだが、自然と接する感覚がボクと近い感じで、気軽にお話できる方だと思った。
 仕事をしている世界が違うので、お会いする機会はそれほど多くないのだが、7年前には子供向きの月刊誌の付録で初めて一緒にお仕事をさせていただいた。

 今年になってから、本の内容をチェックして欲しいと依頼されたのが本書。
 ラフを読ませていただいての最初の印象は、「絵本で昆虫形態学の基礎をやってしまおうという本だな!」ということ。石森さんにそのことをお話したところ、ご本人はそのような目論見でやったわけではなかったとのこと。しかし、ボクの印象が石森さんの無意識の部分を言葉にしたものだとご自身も納得された。

 ボクと石森さんの自然に対する感覚が近いと書いたけれど、見方はかなり違っていて、ボクが虫の暮らしぶりに興味の重点を置いているのに対して、石森さんは虫の形に重点を置いている。
 この本(に限らず石森さんのほかの本も)の虫のイラストは、虫の形を抽象化したものには違いが無いのだけれど、石森さんのイラストは現物に忠実で、基本的な形をデフォルメしたりしていない。だから(だと思うけれど)、精密画ではなくイラストなのだけれど、たいていの場合、種まで同定できる。だからこそ、「昆虫形態学の基礎」の教科書になりえるのではないかと思ったのだと思う。子供向きの本ではあるけれど、だからこそオトナにも役に立つと思う。

 この本には様々な昆虫が登場している。日本産昆虫の目(もく)のレベルで登場していないのはシロアリモドキ目ぐらいではないかと思う。ありとあらゆる昆虫が登場している本は他に例が無いのではないかと思う。虫オタクを自認される方にもオススメする。

 出版社のサイトはこちら

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