熊野の山の中へ(2012年8月31日〜9月1日)
妻が一度行ったことがあって、今度は家族一緒に行きたい、ということで熊野の山の中の民宿に泊まった。1日1組限定の宿で、あまご料理が「売り」である。
目指す民宿は、熊野市内から細い山道(それでも一応県道である)を30分ばかり走ったところにあった。アマゴの養殖場(その社長さんが民宿のオーナーでもある)とその民宿だけしかない集落(集落と言って良いものだかどうかかもわからない)である。ラジオは聞こえて、近くの長尾山の山頂にある何かの通信施設は見えるが、携帯電話は「圏外」である。そんな山の中であるが、虫屋的には、回りの山の木はヒノキやスギがほとんどなので、少々面白みに欠ける感じがした。とにかく、そこで1泊することにした。
鳴き声が聞こえたセミはミンミンゼミ、ニイニイゼミ、アブラゼミ、ヒグラシ。
着いた日は、アマゴの養殖場の近くの川で川遊びをした。
これが泊まった建物
小さな集会ができる部屋
夕食は建物の外で
夕食を食べているところ
食べる途中で雨が降り出して上の写真にある部屋に移動した
あまご料理とシシ鍋だったが食べきれなくて申し訳なく思った
夜は懐中電灯を持って近くを散策したが、灯りに集まる虫は少なく、少々面白みに欠けた。ツヅレサセコオロギやエンマコオロギの鳴き声が賑やかだったが、こんな山の中だというのにアオマツムシの鳴き声も聞こえた。
夜は9時にもなれば、なにもすることがなくなってしまい寝ることにした。山の中で標高がそこそこ高いせいか、冷房などなくても心地よい涼しさだった。
夜中は激しい雨で目が覚めた。と言うか、トイレにも行きたくなって、3回も目を覚ました。大して飲み物を飲んだわけでもないのにトイレが近いということは、それだけ涼しかったということだろうと思う。
2日目の朝食は朝8時過ぎ。やはり、アマゴ(甘露煮と一夜干し)である。それと茶がゆ。質素だが美味しかった。
宿の前で記念撮影
社長さんの話によれば、去年の水害で、この地域は10日間ほど、電話も通じなくなって孤立したそうである。社長さんの軽トラックにアマチュア無線の無線機が積まれていたので、そのことについて話をしたら、災害があったときにアマチュア無線が一番役に立つから、という説明であった。携帯電話も通じない山のなかであるから、説得力がある話だと思った。
宿を後にして近く(とは言っても5kmぐらい離れている)「大丹倉(おおにぐら)」に向かった。「大丹倉」とは、100mはあろうかという川の断崖である。その上に行った。そこでは、チッチゼミの鳴き声が聞こえた。山の上にはマツが生えており下層植生にはツツジの仲間もあったので、チッチゼミが発生するための条件は揃っていた。
次は、そこから川に降りて、下から「大丹倉」を眺めた。登った場所は、こちら側からは見えない場所だったようである。
再び山道を走って熊野市内に戻って「花の窟神社」に立ち寄ったら、そこではクマゼミの鳴き声が聞こえた。そこで土産物を調達。
途中、尾鷲市内で昼食をとり、午後3時ぐらいに津市内に戻った。
今回の熊野の山の中は、完全に「非日常」の世界であり、たまには良いものだと思った。ヒノキやスギの植林がほとんどではあるが、ところどころには広葉樹も残っているので、そういう場所を狙えば、虫屋的にも面白さがあるかも知れないと思った。機会があれば、今度は別の季節に行ってみたい。
しかし、熊野は遠い!
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