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2012年5月28日 (月)

ピーター・ラウファー著『蝶コレクターの黒い欲望』

ピーター・ラウファー著(寺西のぶ子訳)『蝶コレクターの黒い欲望−乱獲と密売はいかに自然を破壊したか?』
The Dangerous World of Butterflies 2009 by Peter Laufer

河出書房新社
ISBN978-4-309-20546-5
1,900円+税
2010年8月30日発行
312 pp.

目次
はじめに−どこまでも平和を求めて
第1章 ニカラグアへ出発
第2章 蝶を自由に飛ばせる純粋主義者
第3章 放蝶は悪か?
第4章 蝶を愛する人々
第5章 オオカバマダラの大移動
第6章 世界一のお尋ね者蝶密売人を追いかけて
第7章 命知らずの蝶ハンター
第8章 蝶の保護か国家安全保障か
第9章 芸術と蝶
第10章 創造論か進化論か
第11章 蝶の復活
おわりに
謝辞
訳者あとがき
原註

 本書も三重県立図書館で見つけて読んだ。
 原書の表題はそういうわけではないが、訳書は「蝶を採集して集めることがいかに悪いことであるか」ということを喧伝するような表題である。中身を読んでみると、この表題は本書の内容のごく一部を表しているにすぎず、極めて不適切だと思われた。原書の表題の方が(当たり前のことであるが)適切であるように思われた。
 本書の著者はジャーナリストであり、蝶をとりまく様々な問題についてジャーナリストの視点で取材をして問題を提起している。著者はアメリカ人であり、本書で扱われているのはアメリカでの問題が主に扱われているが、日本での問題と共通する部分もいくつかある。
 原著で書かれていることが正しく翻訳されているかどうか疑問な点もあるが、どうも本書の訳者は、蝶の問題を表面的にしか捉えていない感じで、蝶を保護する問題と環境を保全する問題との関係などを正しく認識できていないように思えた。
 そのような問題もあるが、蝶にまつわる様々な問題や、蝶というモノに対する認識が、アメリカではどうなのか、ということを窺い知ることができるので、本書を読む価値はあると思われた。

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コメント

僕もだいぶ前,県立図書館でこの本を見つけました[同じ個体ですね.キット].他でどなたかの書評は読んでいましたが,ヒドイ日本語タイトルだと思いました.ぱらぱらとページをめくっただけですが,まあ,僕には面白い本ではありませんでした.
お金出して買おうとは思いませんでした.
僕は図書館で拾い読みして面白かったら,購入します.

投稿: ぱきた | 2012年5月28日 (月) 23時17分

ぱきたさん、日本語の表題がヒドイという意見には全く同意します。

投稿: Ohrwurm | 2012年5月30日 (水) 21時43分

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