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2012年5月28日 (月)

関西病虫害研究会第94回大会@和歌山ビッグ愛(2012年5月24日)

 ちょっと遅くなってしまったが、研究集会参加の印象を書き遺しておきたい。
 和歌山市の和歌山ビッグ愛で開催された関西病虫害研究会第94回大会に参加した。今回は自分の講演はなく、ボクの職場にこの研究会の事務局が置かれている関係上、若干の裏方としての仕事をして、あとは講演を聴いたのみである。
 会場の和歌山ビッグ愛は、市の中心部からはやや外れた場所にあるので、駅から歩くと20分ほどかかって、すぐ近くには店も少ないのでやや不便ではあったが、同じ建物の中に奇麗でそれほど高価ではないホテルがあるのは便利であった。
 今回の研究会では虫害関係19題と病害関係11題の講演があった。会場は虫害関係と病害関係2か所に分かれていたが、途中からは虫害関係の講演が同時並行で進行する形になった。ボクはもちろん虫害関係の講演会場にいた。
 この研究会での講演は、ほとんどが関西東海地域の府県の農業関係試験研究機関の研究者によるものである。ということで、ボクら独立行政法人研究機関に所属する者にとっては、地域で問題になっている病害虫の情報を得るために重要な機会になっている。
 様々な講演があったが、特筆されるのは、オオタバコガに関する講演が4題もあったことである。オオタバコガの幼虫は様々な野菜を加害するが、ナスやトマトなが果実の中に、キャベツなら結球部の内部に食入するため、外部から見て被害があることを確認できないことや、産卵が1卵ずつバラバラにあちこちに行われるため、被害の予想をしずらいことや、殺虫剤に対する抵抗性を獲得していることや、成虫が大きな移動性を持つことなどから、被害を予想や予防することが困難な害虫になっている。いまボクもオオタバコガの発生予察の基準作りのための調査を行っているが、なかなか手強い害虫だと感じている。
 その他は、様々な土着天敵の利用に関する講演も4題あった。殺虫剤に対する抵抗性を獲得してしまった害虫に対する防除方法として、天敵の利用は有効な手段であり、最近は圃場の生物多様性を高め、土着天敵を有効に利用できる管理法を開発しようという研究の一つの大きな流れがある。
 同時並行で開催されていたため、自分では聴けなかったが、風変わりな講演が一つあった。それは、農薬のラベルに示されている注意事項が書かれている部分の大きさを、家庭用塩素系漂白剤、タバコ、医薬品と比較調査したものである。その結果、農薬の注意書きの部分の面積は、医薬品と同等に小さいため、専門的な知識を持つ職員による相談が可能な条件で販売すべき商品であると結論づけられた。
 今回は講演の題数が例年よりやや少なかったように感じられたが、和歌山が東海近畿地域の中では地理的に中心からやや遠い場所にある関係かと思われた。
 開催県である和歌山県の皆さんには研究集会の運営で大変お世話になった。お礼申し上げたい。
 来年は滋賀県で開催される予定である。

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