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2012年3月29日 (木)

第56回日本応用動物昆虫学会大会3日目(2012年3月29日)

 学会も今日が最終日である。
 6時40分頃ホテルの食堂に行くと、高校生と思われる集団がいたが、やがて学会参加者が何人か現れた。8時頃には出発。
 富雄駅からバスに乗って会場の近畿大学に着くと、T農業研究センターのSさんがいたので雑談が始まってしまった。そろそろ9:15だと思って会場に向かうと、今日は昨日と違って9:00開始だったので、既に講演が始まっていた。うっかりしていた。
 午前中の一般講演はあちこちの会場を回り、午後はカンキツグリーニング病関係の講演が続いている会場があったので、ずっとそこに居た。昼食後はポスター会場も少し見た。

今日の講演で印象に残ったものをいくつか。
・矢野修一・城塚可奈子「「動かざること」がミカンハダニの最大の防御になる」ミカンハダニの体に生えている毛によって「動かないこと」がカブリダニなどの捕食者の防御に役立っており、アゲハの幼虫に誤って食べられてしまうリスクがあっても「動かないこと」が最適戦略になっている。実験のために微小なミカンハダニの毛を抜く技術は人間業ではないと思う。
・西田隆義「生物群集にみられる強い履歴効果についての試論」生物群集における履歴効果について、繁殖干渉の強さが同じであれば常に個体数が多い方が勝ち、後から侵入した種は侵入できないが、繁殖干渉の強さの違いによって個体数が少ない種が個体数が多い種と置き換わる場合があり、それによって分布のパターンの履歴を知ることができる場合がある。面白いと思う考え方であるが、繁殖干渉における「強さ」が2種間で常に変わらないものなのかどうか疑問があると思った。
・工藤誠也・渡邉泉・東信行「生体内微量元素による外来種スグリコスカシバの発生地判別と移動分散評価」(ポスター)昆虫体内の微量元素の存在比率を調べることにより、発生地の判別や移動分散を知ることができる。生体をルビジウムでマーキングするのは古典的な手法であるが、今では各種の微量元素を比較的容易に定量することだできるようになったので、昆虫の生体内の様々な微量元素を定量することにより、いろいろな情報を得ることができるのは、一般に応用可能な方法であると思われるので有用だと感じられた。説明を聞いたあとでわかったが、工藤さんは有名なアマチュアの蝶屋さんの息子さんだった。

 夕方の小集会は「農薬の生態リスク評価の将来」に出席した。水稲における育苗箱施用剤であるイミダクロプリド(アドマイヤー)やフィプロニル(プリンス)について、各種生物に対する影響の違いから統計的な手法で生態的なリスクを評価する方法、水田土壌中における薬剤成分の動態、薬剤成分の連続施用による残留・蓄積性が水田の水生生物群集に与える影響、について話題提供された。水田は日本全国でそれほど栽培形態が違うわけではないので、ひとつの考え方が広く応用できそうで羨ましく思えた。野菜では品目が多いのでそういうわけにはいかない。

 そのあとは、たまたま同じ小集会に出た大学時代の同級生のK氏と一緒に富雄駅の近くで食事をして、一緒に電車に乗り、新大宮の駅で別れた。K氏は今日は京都に泊まるそうである。
 学会に出てくるまでは体調が悪かったが、今回の学会ではそれほど疲れることなく過ごせたような気がする。明日は帰るだけなので、ゆっくりできるはずである。

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