ウヅキコモリグモが走り回る(2012年2月28日)
今日は恒例の野外調査であった。いつもは水曜日なのだが、諸般の事情で先週から火曜日になっている。来週と再来週も火曜日で、その次からは月曜日になる予定である。
今朝はほどほどに冷え込み、津地方気象台でも氷点下まで気温が下がった。しかし、風もなく、陽射しも十分にあったので、気温が低かったにもかかわらず、日向にいれば十分な暖かさを感じるほどであった。
今年の1月、2月は気温が低かったようなので、春の生物の出現は遅れるかも知れないが、もう2月も終わりなので、年によってはモンシロチョウが飛ぶのを見るような時期である。きょうもモンシロチョウが飛びそうな雰囲気だけはあったが、さすがにまだ出ていないようであった。
そのような暖かさの中、ウヅキコモリグモのサンプリングをしたわけだが、畑の畦を歩くと、足元から次から次へと這い出してくる。まだ小さい幼体もいたが、成体や亜成体の方がたくさん目についた。もう腹部がパンパンに張っているメスも見つかった。卵嚢を付着させているメスを見ることができるようになるのも、もう間もなくのことではないかと思われた。
職場に戻ってからのこと、Iさんがウヅキコモリグモのオス成体に付着しているカマキリモドキの幼虫を発見したとのこと。カマキリモドキの幼虫は、意外なほど高頻度で見つかるようである。
午後からは曇って来た。夜中には雨になるらしい。
そう言えば、「コモリグモ」は1972年頃までは「ドクグモ」と呼ばれていた。ボクがウヅキコモリグモの名前を最初に知ったときは「ウヅキドクグモ」であった。ウヅキコモリグモの「ウヅキ」とは「卯月」のことなのであるが、最初に「ウヅキドクグモ」として名前を知ったときは、噛まれると「疼く」ほど強い毒があるから「ウヅキドクグモ」なのだと勝手に想像していた。実際にも、コモリグモの仲間にはそれほど強い毒を持つものはいないそうであるから、メスが卵嚢を付着させて歩き回る習性から「コモリグモ」に改称したのは妥当なことだったと思う。今はウヅキコモリグモを見ると「かわいい」と思えるが、「ウヅキドクグモ」という名前だったら「かわいい」と思えたかどうかわからない。
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