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2012年2月13日 (月)

「蟬學」加藤正世の博物誌@東京大学総合研究博物館(2012年2月13日)

 今日の午後から明日の午後3時まで東京霞ヶ関で会議である。Zikadeさんから情報をいただいていたので、朝早く出発して、会議が始まる前に、東京大学総合研究博物館での「蟬學 加藤正世の博物誌」に行って来た。
 今朝は江戸橋7:21発の近鉄急行に乗る予定だったが、早く準備ができてしまったので6:59発の近鉄急行に乗り、名古屋8:20発の「のぞみ」に乗ることができた。今日は新幹線を東京まで乗り、東京駅から東京メトロ丸ノ内線で本郷三丁目に出た。そこから歩くこと5〜6分で目的地に着いた。10:40頃には着いたと思う。東京大学の構内に足を踏み入れたのは、1997年4月の日本応用動物昆虫学会の大会以来である。そのときは、久留米から石垣島へ引っ越すときだったので、自分の発表だけ済ませて、そそくさと退散した記憶がある。博物館に来たのは初めてである。
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20120213blog2 博物館は思ったより小さかった。京都大学の博物館のようなものを想像していたのだ。京都大学の博物館はしっかり入館料をとるのに、東京大学は無料なので、小さいのももっともと言える。
 常設展示もあったが、それはチラッと見ただけで、2階の目指す場所に向かった。今回の特別展は、昭和の初期から亡くなった1967年まで活躍した加藤正世のコレクションが遺族から東京大学に寄贈されたので企画されたものであるとのことである。加藤正世と言えばセミである。加藤正世は台湾総督府の農業試験場で仕事をしていたこともあるとのことで、日本ばかりでなく台湾の標本も多かった。また、エゾゼミのホロタイプも展示されていた。セミヤドリガがついたセミの標本の展示もあったが、ぼくがよく目にするヒグラシではなくて、ニイニイゼミやツクツクボウシについたセミヤドリガがあり、ちょっと驚いた。
 加藤正世は石神井公園の近くに住んでいたということで、武蔵野の昆虫も多く展示されていた。今となっては完全に幻になってしまったオオウラギンヒョウモンの標本も展示されており、昔の武蔵野の自然の豊かさがうかがわれた。
 展示室は資料に損傷を与えないためだと思われるが、照明が非常に暗く、ラベルを読むのも大変であった。もう少し照明が明るくても良いのではないかと思った。
 博物館は、説明する人も誰もおらず、まさに客はほったらかしであった。「研究博物館」というからには研究が中心なのであろうが、誰かガイドがいても良いように思った。もっとも、来館者が少ないから無駄なのかも知れないが。
 昼前には博物館を後にして、本郷三丁目駅の近くの「東京チカラめし」で「焼き牛丼」を食べてから霞ヶ関に向かった。

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コメント

実は私も先月、あわただしい東京出張のついでに見てきました。
蝉学展示では、カマキリがセミを捕食する最中をそっくり標本にしたり、羽化途中のセミまで標本にして順序よく並べたものがすごいと思いました。
ガイドがいれば良かったというのは同感です。常設展示も見学しましたが、縄文人や弥生人の人骨に囲まれ、1人佇むのは何とも心細いものです(笑)。大体、誰も監視しないのでは、展示物が盗まれたり破壊されることだって想定されるでしょう。

投稿: JG | 2012年2月13日 (月) 22時08分

JGさん、コメントありがとうございます。
さすが、ちゃんとチェックされていたんですね。確かにJGさんご指摘のとおりです。捕食されているところがそのまま標本にされていたり、羽化の途中が時系列的に標本にされていたりと、非常に凝った標本づくりも印象に残りました。

投稿: Ohrwurm | 2012年2月14日 (火) 22時29分

こんばんは。私も早く行きたいのですが、上京する予定があると博物館が休みだったり、なかなか予定が合いません。公開最終日に滑り込みの可能性もあります。

私は3つの時に石神井にあった蟬博物館に行っているので、久しぶりの対面になるはず(鮮明に覚えている)。お顔までは覚えていませんが、(某Hやし先生も果たせなかった)加藤先生にお目にかかっているのが自慢です。いわばベートーヴェンに会ったことがあると言うくらいのインパクトだと勝手に思っています(笑)。

東大博物館は・・・某Y氏もブータンに行かれたりお忙しいようですし、人手が足りないのでしょう。

投稿: Zikade | 2012年2月15日 (水) 19時31分

Zikadeさんのおかげで観ることができました。お礼申し上げます。加藤先生の実物にお目にかかられているとは、自慢にまりますね。ボクはせいぜい名和昆虫博物館の先代の館長の名和秀雄さんにお目にかかったことがあるぐらいです。

投稿: Ohrwurm | 2012年2月16日 (木) 06時40分

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