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2011年10月18日 (火)

酒井聡樹著『植物のかたち その適応的意義を探る』

酒井聡樹著『植物のかたち その適応的異議を探る』

京都大学学術出版会
生態学ライブラリー19
ISBN4-87698-319-4
2,300円+税
2002年5月25日発行
259 pp.

目次
はじめに
第一章 稚樹の形の研究をやろう
 生物学に決める/植物生態学と系統進化学の中間的な研究を志す/目的もなく、カエデの枝の長さを測る/東大大学院の入試/大学院での研究テーマを考える
第二章 仮説を描くまでの日々
 カエデ科の比較生態学をやろう/日光植物園/研究とは/私なりの研究目的/フィールド歩き/クリッチフィールドさんの論文との出会い/冬芽を解剖してみる/葉の展開の様子を定期的に観察する/研究室セミナー/ウリハダカエデのひらめき/仮説
第三章 カエデ科の稚樹における、分枝伸長様式の適応進化
 その年に着ける葉の数は前年の内に決まっているのか/稚樹の移植実験/初めての学会発表/分枝伸長様式に三型あり/冬芽の開芽率/葉の大きさと節間長の変化/主軸の伸長量/移植実験の結果/三型の適応戦略/どういう大きさの林冠ギャップで世代更新しているのか
第四章 論文を書く
 修士論文の構想を練る/修士論文執筆/修士論文発表会/修士論文と投稿論文/論文が科学雑誌に掲載されるまでの道筋/論文執筆開始/緒言では何を書くべきか/論文投稿/論文が返ってこない/論文改訂/論文が通った!/論文を終えて
第五章 数理モデルへの道
 博士課程修了/一般性の高い研究がしたい/イチリンソウ属/個体を掘り取る/トレードオフ/乾燥重量を計る/自然淘汰による進化と最適戦略/数理生態学/大間違いの数理モデルを作る/釧路での生態学会
第六章 草の形の多様性の進化に関する理論的解析
 ゲーム理論/進化的に安定な戦略/ギブニッシュさんの論文を読む/茎と葉柄は違う!?コンピュータシミュレーション/研究室の城の中で/解析的な数理モデル/求めるべき条件は何だ?/最後の大間違い/生物学における四つの問い/進化生態学における数理モデルの役割/草の形の多様性の進化−私が作った数理モデル
おわりに
読書案内
引用文献
索引

 「これ論」で有名な酒井聡樹さんが今より若かった頃に書いた本である。
 「植物のかたち」という表題から、教科書的な内容であることを予想したが、それは大ハズレであった。この本には、酒井さんのこれまでの研究遍歴の中で考えてきたことが書かれている。
 結果だけ書かれた教科書的な本は読んでいても面白くないが、研究の過程で、どのようにモノ見てどのように考えたか、ということが書かれていると読んでいてワクワクするし、また、いわゆる「成功者」である酒井さんでも、これまでの研究生活の中では、いろいろな失敗もしていることが書かれていると、安心もさせられる。
 書かれている内容は、目次を読めばだいたい見当がつくと思うので、あえて書く必要もないと思うが、とにかく読んでいて面白い本であった。オススメ。

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