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2011年9月24日 (土)

後藤伸著『虫たちの熊野 照葉樹林にすむ昆虫たち』

後藤伸著『虫たちの熊野 照葉樹林にすむ昆虫たち』

紀伊民報社
ISBN4-907841-00-0
2,000円+税
2000年6月1日発行
256 pp.

目次
はじめに〜照葉樹林の熊野〜
<地図>紀伊半島マップ/紀伊半島のウバメガシ林分布図
<目次>
熊野の虫たちに魅せられて〜虫の視点から見た半世紀〜
熊野の森1 護摩壇山
<昆虫記1>熊野の森から生まれた昆虫たち
熊野の森2 大塔山系
<昆虫記2>照葉樹林をすみかとする昆虫たち
熊野の森3 黒潮の魚つき林<枯木灘と熊野灘>
<昆虫記3>黒潮にのって、熱帯系の昆虫たち
熊野の森4 熊野の川とその流域
<昆虫記4>熊野から離れられない寒冷系の昆虫たち
熊野の森5 那智山塊
<昆虫記5>不思議な修正の昆虫たち
熊野の森6 森の砂漠化<ひき岩群>
<昆虫記6>自然の荒廃に警鐘を鳴らす昆虫たち
南方熊楠と熊野の森 日本昆虫学の先駆者/自然のものさし《神島》
理想的な《ビオトープ》を育てる
熊野の昆虫の仲間たち 半世紀の虫友を代表して
<索引>昆虫名
おわりに

 2003年1月27日に73歳で亡くなった後藤伸さんの著書を三重県立図書館で見つけたので借りてきた。引っ越す前は津市立津図書館の方が近かったので、そちらを主に利用していたが、最近は少しずつ三重県立図書館にシフトしつつあり、津市立津図書館に置いてない本を見るようになった。本書は後藤伸さんが亡くなってから出版され、既に読んだ『明日なき森 カメムシ先生が熊野で語る……後藤伸講演録』(熊野の森ネットワークいちいがしの会編)より前の、後藤伸さんがご健在のうちに出版されたものである。
 本書は紀伊民報紙上に約3年間連載されていたものをまとめたもので、各節は1ページの文章と1ページの写真で構成されている。そのような性格上、本としての一貫性にやや欠けることがあるように感じられるが、後藤伸さんの紀伊半島の自然に対する強い愛情が感じられるものである。
 後藤伸さんの考え方を深く知りたいなら、『明日なき森 カメムシ先生が熊野で語る……後藤伸講演録』の方がよりお勧めだと思われた。

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コメント

照葉樹林の採集は、温帯林やブナ林に比べて結構難しいんですよね。石を起こしてもあまりというかほぼゴミムシは採れないですし。でも良い落ち葉に出会ったり朽木やキノコに当たると沢山の虫に出会うのが面白いです。それと、夜間採集も期待できます。夜でも温かいですから。なんといっても種数が多いのが魅力でしょう。照葉樹林での採集が上手な方は、東南アジアや熱帯アジアでもよい成果を挙げられると思います。同じような採集法ですから。

投稿: Harpalini | 2011年9月25日 (日) 14時53分

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