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2011年9月22日 (木)

植松黎著『毒草を食べてみた』

植松黎著『毒草を食べてみた』

文春新書 099
ISBN4-16-660099-0
690円+税
2000年4月20日発行
221 pp.

目次
はじめに
1話 ドクウツギ 別名はイチロベゴコシ
2話 バイケイソウ 一つ目の胎児を産む妊娠十四日目の恐怖
3話 キョウチクトウ アレキサンダー大王の軍隊を打ち倒した毒草
4話 トリカブト 解毒剤はいまだにない
5話 フクジュソウ 元旦花といわれるが・・・・・
6話 キナ もし世界の平均気温が二度あがったら
7話 バッカク LSD誕生の瞬間
8話 シキミ 抹香くさいとはシキミの臭い
9話 ドクゼリ 小さじ一杯が生死の分かれ目
10話 アサ ガンジス河に流れる大麻の煙
11話 スイートピー 干ばつや飢饉をくりかえすアフリカでは今も
12話 ヒガンバナ なぜか墓場に咲く花が
13話 スズラン 花を活けた花びんの水を飲んでも死ぬ
14話 タバコ 2003年「タバコのない世界への旅立ち」
15話 コカ 聖なる植物から白い粉へ
16話 ジギタリス 天国の入り口まで連れて行ってくれる草
17話 イヌサフラン 四八時間後の恐ろしさ
18話 インドジャボク 三千年前に発見された狂気を鎮める薬
19話 クラーレノキ 史上もっとも残酷な毒
20話 マチン 意識があるのに不気味なほど静かに死んでゆく
21話 ストロファンツス 矢毒文化を生んだ未開人の想像力
22話 イラクサ 一枚の葉に数万本のガラス針の棘
23話 ケシ 神の贈り物か堕落の象徴か
24話 クサノオウ 神話の迷路に誘い込む古い起源
25話 スイセン ナルシズムとヒフ炎
26話 オトギリソウ これを食べて、もし日光にあたったら!
27話 アセビ ハチミツを経由しての中毒もある
28話 マンドレーク 植物界のバイアグラ
29話 ヒヨス またの名は「魔女の空飛ぶ軟膏」
30話 ベラドンナ 美とひきかえに命をおとした女たち
31話 アイリス 虹の女神は死を伝えるメッセンジャー
32話 イチイ 言葉の由来は弓と毒
33話 ボインセチア おまえがガンの促進剤だったとは!
34話 クリスマスローズ 不吉な植物から冬のバラへ
35話 ビンロウ 夫婦のシンボルとされた時代もあったのに
36話 マオウ 覚せい剤大国・日本
37話 トウワタ この毒草が蝶にあたえた知恵とは?
38話 チョウセンアサガオ 母と妻を実験台にした華岡青洲の麻酔薬
39話 ペヨーテ 超越的な異界との遭遇
40話 ドクニンジン エリートのためだけの自殺薬
41話 ニガヨモギ 天才たちを虜にした緑の魔酒
42話 エゴノキ 魚毒というひかえ目な漁法もあった
43話 ミトラガイナ アヘンとコカインを同時に味わったような効果
44話 ゲルセミウム・エレガンス 葉っぱ三枚であの世へ

 かなり刺激的な表題に惹かれて図書館で借りてきた。ここに書かれている44種の毒草をすべて試したわけではないと思うが、いくつかは著者自身が食べてみたようである。麻薬として法律に触れるものもあるので、それらは自身で試したわけではないと思う。
 毒草という言葉そのものに惹かれるものがある。ぼくが好きな昆虫の中には、毒草を好んで食べるものがあるからというのも一つの理由である。本書で取り上げられている中ではトウワタなどがそうである。日本では南西諸島に分布し、時々本土でも発生するカバマダラはガガイモ科のトウワタやフウセントウワタやアコンを好んで幼虫の寄主植物としている。これらの植物は脊椎動物にとって有毒なアルカロイドを含むので、それを食べたカバマダラの幼虫だけでなく、蛹や成虫も有毒成分を体内に蓄えている。そのため、鳥などの捕食を受けることがない。さらに、カバマダラに擬態しているメスアカムラサキの雌やツマグロヒョウモンの雌などの無毒の蝶もある。そのような植物と昆虫の関係は他にもたくさんある。
 それはそれとして、本書で取り上げられている植物の中には、大変身近で毒草だとは思われていないような植物がたくさん取り上げられている。スイートピー、アイリス、ポインセチア、エゴノキなどは、有毒植物であるとは知らなかった。植物にあまり詳しくない人であれば、フクジュソウ、スイセンなども有毒植物だとは知らない人が多いのではないだろうか?
 本書には44種の有毒植物に関する「物語」が紹介されており、大変勉強になる。著者の紹介文を読む限り、著者は植物学者でも薬学者でもない、ただの毒草ファンのように思えるが、毒草への思い入れは相当のものである、と本書を読むと感じることができる。
 毒キノコの本は色々出版されているが、本書のような有毒な高等植物を解説した本はあまり見ないので、本書はかなりお勧めの本であると思うが、本書を読んで殺人を考えたり自殺を考えたりしてはいけない。

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