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2011年9月

2011年9月29日 (木)

セミなど@つくば市(2011年9月29日)

 出張で茨城県つくば市に来ている。つくばエクスプレスのつくば駅の近くで昼食をとり、風もなく良い天気のなか会議場の方へ歩いていると、まずツクツクボウシの鳴き声が聞こえてきた。まだ元気な声だった。会議場に近づくと、今度はアブラゼミの鳴き声が聞こえてきた。津市界隈ではもうかなり前にアブラゼミの鳴き声は聞こえなくなり、最も最近アブラゼミの鳴き声を聞いたのは9月19日の信州大学構内だ。気温が低い土地の方が遅くまで鳴くのだろうかと思える。
 今日の部の会議が終わり、ホテルにチェックインして食事に出かける頃には、アオマツムシが賑やかに鳴くようになった。エンマコオロギの鳴き声もわずかに聞こえてきたが、本当に至る所からアオマツムシの鳴き声が聞こえてきた。
 明日の朝食の調達のためにコンビニエンスストアに入った。5月に東京に行ったときには、まだ節電体制で、照明が落とされていたが、今日のつくば市のコンビニエンスストアの照明はフルに点灯していた。もう節電体制が解除されたということであろうか?

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2011年9月28日 (水)

ツクツクボウシはまだ鳴いていた(2011年9月28日)

 今日は恒例の野外調査の日。調査に出発しようとしたら、職場のあたりのどこかからかツクツクボウシの鳴き声が聞こえてきた。
 調査地周辺で見た虫をいくつか。
20110928blog1ミナミアオカメムシ。最近、アオクサカメムシと置き換わって三重県中部あたりにも徐々に分布を拡げてきている。
20110928blog2クサグモ。ツゲの生け垣に巣を作っていたが、かなり老熟してきている。春に見た幼体とは、大きさはもちろんであるが、色艶、斑紋など、全然違う。
 調査地からの帰り、久居西中学校の近くで信号待ちをしていたとき、ここでもやはりツクツクボウシの鳴き声が聞こえてきた。
 ツクツクボウシの鳴き声は何時まで聞けるだろうか?

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2011年9月24日 (土)

後藤伸著『虫たちの熊野 照葉樹林にすむ昆虫たち』

後藤伸著『虫たちの熊野 照葉樹林にすむ昆虫たち』

紀伊民報社
ISBN4-907841-00-0
2,000円+税
2000年6月1日発行
256 pp.

目次
はじめに〜照葉樹林の熊野〜
<地図>紀伊半島マップ/紀伊半島のウバメガシ林分布図
<目次>
熊野の虫たちに魅せられて〜虫の視点から見た半世紀〜
熊野の森1 護摩壇山
<昆虫記1>熊野の森から生まれた昆虫たち
熊野の森2 大塔山系
<昆虫記2>照葉樹林をすみかとする昆虫たち
熊野の森3 黒潮の魚つき林<枯木灘と熊野灘>
<昆虫記3>黒潮にのって、熱帯系の昆虫たち
熊野の森4 熊野の川とその流域
<昆虫記4>熊野から離れられない寒冷系の昆虫たち
熊野の森5 那智山塊
<昆虫記5>不思議な修正の昆虫たち
熊野の森6 森の砂漠化<ひき岩群>
<昆虫記6>自然の荒廃に警鐘を鳴らす昆虫たち
南方熊楠と熊野の森 日本昆虫学の先駆者/自然のものさし《神島》
理想的な《ビオトープ》を育てる
熊野の昆虫の仲間たち 半世紀の虫友を代表して
<索引>昆虫名
おわりに

 2003年1月27日に73歳で亡くなった後藤伸さんの著書を三重県立図書館で見つけたので借りてきた。引っ越す前は津市立津図書館の方が近かったので、そちらを主に利用していたが、最近は少しずつ三重県立図書館にシフトしつつあり、津市立津図書館に置いてない本を見るようになった。本書は後藤伸さんが亡くなってから出版され、既に読んだ『明日なき森 カメムシ先生が熊野で語る……後藤伸講演録』(熊野の森ネットワークいちいがしの会編)より前の、後藤伸さんがご健在のうちに出版されたものである。
 本書は紀伊民報紙上に約3年間連載されていたものをまとめたもので、各節は1ページの文章と1ページの写真で構成されている。そのような性格上、本としての一貫性にやや欠けることがあるように感じられるが、後藤伸さんの紀伊半島の自然に対する強い愛情が感じられるものである。
 後藤伸さんの考え方を深く知りたいなら、『明日なき森 カメムシ先生が熊野で語る……後藤伸講演録』の方がよりお勧めだと思われた。

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今日のヒメジュウジナガカメムシ(2011年9月24日)

 職場に行く用事があったので、せっかくなのでヒメジュウジナガカメムシを観察しに行った。
 ガガイモは十分に繁茂していたと思っていたが、かなり枯れてきて危なくなってきた。少しずつ羽化し始めたが、まだ多数の幼虫がいる。5齢が多いが4齢もいる。ガガイモを離れてウロウロ歩き回っている幼虫も多数。大丈夫だろうか?
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2011年9月22日 (木)

植松黎著『毒草を食べてみた』

植松黎著『毒草を食べてみた』

文春新書 099
ISBN4-16-660099-0
690円+税
2000年4月20日発行
221 pp.

目次
はじめに
1話 ドクウツギ 別名はイチロベゴコシ
2話 バイケイソウ 一つ目の胎児を産む妊娠十四日目の恐怖
3話 キョウチクトウ アレキサンダー大王の軍隊を打ち倒した毒草
4話 トリカブト 解毒剤はいまだにない
5話 フクジュソウ 元旦花といわれるが・・・・・
6話 キナ もし世界の平均気温が二度あがったら
7話 バッカク LSD誕生の瞬間
8話 シキミ 抹香くさいとはシキミの臭い
9話 ドクゼリ 小さじ一杯が生死の分かれ目
10話 アサ ガンジス河に流れる大麻の煙
11話 スイートピー 干ばつや飢饉をくりかえすアフリカでは今も
12話 ヒガンバナ なぜか墓場に咲く花が
13話 スズラン 花を活けた花びんの水を飲んでも死ぬ
14話 タバコ 2003年「タバコのない世界への旅立ち」
15話 コカ 聖なる植物から白い粉へ
16話 ジギタリス 天国の入り口まで連れて行ってくれる草
17話 イヌサフラン 四八時間後の恐ろしさ
18話 インドジャボク 三千年前に発見された狂気を鎮める薬
19話 クラーレノキ 史上もっとも残酷な毒
20話 マチン 意識があるのに不気味なほど静かに死んでゆく
21話 ストロファンツス 矢毒文化を生んだ未開人の想像力
22話 イラクサ 一枚の葉に数万本のガラス針の棘
23話 ケシ 神の贈り物か堕落の象徴か
24話 クサノオウ 神話の迷路に誘い込む古い起源
25話 スイセン ナルシズムとヒフ炎
26話 オトギリソウ これを食べて、もし日光にあたったら!
27話 アセビ ハチミツを経由しての中毒もある
28話 マンドレーク 植物界のバイアグラ
29話 ヒヨス またの名は「魔女の空飛ぶ軟膏」
30話 ベラドンナ 美とひきかえに命をおとした女たち
31話 アイリス 虹の女神は死を伝えるメッセンジャー
32話 イチイ 言葉の由来は弓と毒
33話 ボインセチア おまえがガンの促進剤だったとは!
34話 クリスマスローズ 不吉な植物から冬のバラへ
35話 ビンロウ 夫婦のシンボルとされた時代もあったのに
36話 マオウ 覚せい剤大国・日本
37話 トウワタ この毒草が蝶にあたえた知恵とは?
38話 チョウセンアサガオ 母と妻を実験台にした華岡青洲の麻酔薬
39話 ペヨーテ 超越的な異界との遭遇
40話 ドクニンジン エリートのためだけの自殺薬
41話 ニガヨモギ 天才たちを虜にした緑の魔酒
42話 エゴノキ 魚毒というひかえ目な漁法もあった
43話 ミトラガイナ アヘンとコカインを同時に味わったような効果
44話 ゲルセミウム・エレガンス 葉っぱ三枚であの世へ

 かなり刺激的な表題に惹かれて図書館で借りてきた。ここに書かれている44種の毒草をすべて試したわけではないと思うが、いくつかは著者自身が食べてみたようである。麻薬として法律に触れるものもあるので、それらは自身で試したわけではないと思う。
 毒草という言葉そのものに惹かれるものがある。ぼくが好きな昆虫の中には、毒草を好んで食べるものがあるからというのも一つの理由である。本書で取り上げられている中ではトウワタなどがそうである。日本では南西諸島に分布し、時々本土でも発生するカバマダラはガガイモ科のトウワタやフウセントウワタやアコンを好んで幼虫の寄主植物としている。これらの植物は脊椎動物にとって有毒なアルカロイドを含むので、それを食べたカバマダラの幼虫だけでなく、蛹や成虫も有毒成分を体内に蓄えている。そのため、鳥などの捕食を受けることがない。さらに、カバマダラに擬態しているメスアカムラサキの雌やツマグロヒョウモンの雌などの無毒の蝶もある。そのような植物と昆虫の関係は他にもたくさんある。
 それはそれとして、本書で取り上げられている植物の中には、大変身近で毒草だとは思われていないような植物がたくさん取り上げられている。スイートピー、アイリス、ポインセチア、エゴノキなどは、有毒植物であるとは知らなかった。植物にあまり詳しくない人であれば、フクジュソウ、スイセンなども有毒植物だとは知らない人が多いのではないだろうか?
 本書には44種の有毒植物に関する「物語」が紹介されており、大変勉強になる。著者の紹介文を読む限り、著者は植物学者でも薬学者でもない、ただの毒草ファンのように思えるが、毒草への思い入れは相当のものである、と本書を読むと感じることができる。
 毒キノコの本は色々出版されているが、本書のような有毒な高等植物を解説した本はあまり見ないので、本書はかなりお勧めの本であると思うが、本書を読んで殺人を考えたり自殺を考えたりしてはいけない。

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ヒメジュウジナガカメムシの羽化始まる(2011年9月22日)

 昨日は台風15号が通過し、風も強かったが雨も相当降ったようで、我が家は雨漏りして大変だった。押し入れの直接外壁に面していない部分からひどく雨漏りしていたので、風で雨水が染み込んできたわけではなく、屋根のどこかに欠陥があるに違いない。まだ購入してから1年も経っていないので、売り主側の責任で修繕してくれるはずだが、しばらく押し入れが使えなさそうなのは辛い。
 今日は昨日の台風のせいで1日ずれたが、恒例の野外調査だった。2009年の台風18号のときには雲出川が氾濫し、調査地のうちの2か所が水に浸かったので、昨日の台風の大雨でも水に浸かったのではないかと心配したが、幸い水に浸かった様子はなく、ほっとさせられた。今月はじめの台風12号の時には、トラップが1つ破損したが、今回はトラップの破損もなく、ほとんど被害は無かったと言っても良い。
 台風一過の晴天とはならず、雲が多く、まだ西風が強かったが、気温は急に下がった感じだった。しかし、調査地ではまだツクツクボウシが鳴いていた。
 職場の中のガガイモの群落のヒメジュウジナガカメムシはそろそろ成虫になっているのではないかと見に行ったところ、まだほとんどが5齢幼虫だったが、羽化が始まっていて、ごくわずかだが成虫が見られた。ガガイモの葉は想像以上に衰弱し、ヒメジュウジナガカメムシの吸汁能力が凄まじいものであることがわかった。ガガイモは作物ではないので問題ないが、もしガガイモが有用な作物であったらヒメジュウジナガカメムシは重要な害虫として扱われるであろうことは疑いない。下の写真はヒメジュウジナガカメムシの集団で、大半が5齢幼虫で一部が成虫である。集団を作っている場所はガガイモに混じって生えていたアオツヅラフジの葉の上で、両側に見えるガガイモの葉は衰弱しきっている。ヒメジュウジナガカメムシの集団はほかにもたくさんあり、総個体数が4桁に達していることは疑いない。
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2011年9月19日 (月)

日本昆虫学会第71回大会@信州大学松本キャンパス・3日目(2011年9月19日)

 今日は学会も最終日である。去年は開催場所が鶴岡ということで遠く、学会終了後にもう一泊したが、今回はそれほど遠くないので、今日のうちに帰宅である。
 いつものように6:30を少し過ぎた頃にホテルの食堂へ。2日間気づかなかったが、普通のコーヒーだけでなくエスプレッソも飲めることがわかったので、今日はエスプレッソも飲んだ。
 チェックアウトして荷物をホテルに預けてバスターミナルへ向かった。バスターミナルでは弘前大学退官後も「カマキリの雪予想」がウソであることを証明するなど、精力的に研究を行っておられる安藤喜一先生にお会いしたので、バスの中でもカマキリの卵の休眠のことなどについて色々お話をうかがった。
 今日の午前中の一般講演は、生物多様性、保全、環境がらみの講演と生物地理関係関係の講演を中心に聴いた。生物地理関係ではDNAを扱うことが当たり前のようになってきているが、いかに面白い題材を扱うかが問題になってくるであろう。
 午後は「日本の昆虫分類学、創成期の人と標本」のシンポジウムに出た。5題の講演のうち、最後の講演は列車の時刻の都合で聴けなかったが、日本の昆虫分類学の歴史を概観することができて、ぼくにとっては実りのあるシンポジウムだったと思う。
 5題目の講演の冒頭までを聴いてバス停に向かおうとすると雨が降ってきた。一応傘を持っていたのだが、ついに役に立った。バスが駅前に着くと、雨はやんでいた。ホテルに預けてあった荷物を受け取り、駅に向かった。JRの特急列車の指定席を使うのは本当に久しぶりだが、ホームにいくら人が並んでいても座れることがわかっているという安心感は大きい。ホームに降りて電車の写真でも撮ろうかと思ったのだが、カメラが見つからなかった。シンポジウムの会場で写真を撮ったのは確かなので、シンポジウムの会場に忘れてきたらしい。仕方が無いので、帰宅したら大会役員にメールを出して探してもらおうと決めたのだが、それが気になって列車の中では落ち着いて本も読めない。気分も落ち込んだまま、18:30過ぎに名古屋に到着。名古屋駅の3,4番線ホームには安い飲食スタンドがあるとのことを何かを見て知ったので行ってみた。場所は中央の階段よりやや北寄りの場所である。きしめんが1杯200円。普通に美味しかった。同じホームの北と南ではずいぶん値段が違うが、どう住み分けているのか不思議である。
 それから近鉄名古屋駅に向かい19:11発の鳥羽行き急行に乗る。問題なく着席できた。こちらは本降りの雨である。江戸橋駅から我が家までわずかな距離だが、傘をさしていても少しぬれてしまった。
 帰宅してから荷物を整理していたら、ザックの底からカメラが出てきた。松本駅では十分に探したつもりだったのだが、まだ風邪で頭がボーッとしていたので見つけられなかったのかも知れない。まずは失せものが現れてひと安心であった。

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2011年9月18日 (日)

日本昆虫学会第71回大会@信州大学松本キャンパス・2日目(2011年9月18日)

 朝ちょっと早めにホテルを出たら、乗ろうと思っていたバスの1本前のバスにギリギリ間に合ってしまったので、それに乗った。学会参加者と思われる人は皆無。
 昨日、大学の医学部の近くの正門の近くのカラマツでチッチゼミが鳴いていたという話を聞いたので、会場に近い「大学西門」ではなく、ひとつ手前の「信州大学前」でバスを降りた。
 チッチゼミの鳴き声は聞こえなかったが、抜け殻があるはずだと思って、カラマツの下のツツジの植え込みを探したら、抜け殻はすぐに見つかった。
20110918blog1 昨日もそうだったが、朝にはミンミンゼミが盛んに鳴いていた。会場に向かう途中、ケヤキの木の低いところから鳴き声が聞こえてきたので、目を凝らして探すのだがなかなか見つからない。近くにいるはずだと思って一所懸命探したら、地上50cmぐらいのところで鳴いている個体をやっと発見した。上の方ばかり探していたのでなかなか見つからなかったのだ。
20110918blog2 もっと近づいて撮ろうと思ったら、ミンミンゼミは飛んで逃げてしまったが、そのまま地面に墜落してしまったので、簡単に捕まえることができた。手で掴んでいると悲鳴音を出し続けている。手を使って無理矢理早く腹弁を開閉させてさせてやったら、クマゼミのような鳴き声になった。聞いていたとおり、クマゼミとミンミンゼミの地声は似ているということだろうと思う。
 今日は朝一番からの講演である。定刻15分ぐらい前に4階の会場に入った。さすがにこの時刻にはスタッフ以外には誰も来ていなかった。開始時刻が近づくが、なかなか人が増えない。昨日は懇親会だったし、会場も4階の一番遠いところなので、人が少ないのは予想できたが、想像以上に少なかった。講演開始直前にはスタッフを除いた聴衆は7人しかいなかった。これまでにこんなに少なかった経験はない。これでは、「一応学会で発表しました」という程度のアリバイ作り程度にしかならない。もう一度別の場所で喋りたい気がする。
20110918blog3 その後あちこちの会場を移りながら講演を聴いた。風邪っぽくて体調が悪いので、1階から4階まで階段を上り下りするのがしんどい。
 外来種の講演はなるべく聴くようにした。富沢章氏のシタベニハゴロモの話、吉松慎一氏や上里卓己氏のアフリカシロナヨトウの話。侵入したばかりの虫は大発生が印象的である。アフリカシロナヨトウは大発生のあとすぐにいなくなってしまったようだが、シタベニハゴロモは減ってきてはいるがまだいるようだ。シタベニハゴロモは美麗種なので、一度生きている実物を見てみたい。
 午後一番は「山岳昆虫の多様性と保全」のシンポジウムを聴いた。しかし、体調が悪く、ときどき意識が切れるところがあった。
 そのあとは2コマの小集会。1コマ目は「日本半翅類学会」の小集会へ。まず、この春国立科学博物館を退官された友国雅章氏の国立科学博物館での35年の仕事の回想の紹介。その後は一人一話。ぼくは最近のホシカメムシの話題を紹介した。
 2コマ目は「カマキリ学の解明に向けて」の小集会。小集会が始まる前、学会に参加していると思われる高校生がカマキリを持ち込んで同定して欲しいと言ってきた。見るとメスであることはわかったが、ぼくには同定できなかった。オオカマキリに似ているのだが、オオカマキリにしては小さすぎて別種に見えた。参加者に見てもらったところ、やはりオオカマキリとのことだった。こんな小さいオオカマキリは初めて見た。講演は、安藤喜一氏のカマキリの卵の寄生性天敵であるオナガアシブトコバチの生態の紹介と、三浦一芸氏の交尾時のメスによるオスの共食いの話は面白かった。
 小集会が終わったのは20:30過ぎ。バス停には小集会を終えて市内に向かう人があふれていた。とてもバスには乗り切れないのではないかと思ったが、意外にも座れたし、並んでいた人がほとんど乗れたようだった。隣に座っていたのは若い女性だった。バスが動き出そうとしたとき、その女性から声をかけられた。彼女も昆虫学会に参加していた人だったのだ。いろいろ話を聞くと、信州大学の大学院生でウツボグサを訪れるハナバチを研究しているとのこと。こちらも自分の仕事のことを大雑把に紹介した。そうこうしているうちにバスは松本駅前へ。
 前もってディスカウントチケットの自動販売機を見つけていたので、まずそこへ。体調が悪いので、帰りの電車で座れないと辛いと思ったので指定席の回数券を買った。普通に自由席の切符を買うよりも少し安い。その足ですぐに駅のみどりの窓口に向かい座席の指定を受けようとしたが、乗ろうと思っていた列車は満席だった。連休の最終日だから混んでいるようだ。仕方が無いので、ひとつ前の臨時列車の指定席をとった。これに乗るためには明日のシンポジウムを途中で抜け出さなければいけないが、体調が悪いから仕方が無い。
 その後、駅前の「松屋」でおとなしく「牛めし」を食べてホテルへ。シャワーを浴びてからこれを書いている。

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2011年9月17日 (土)

日本昆虫学会第71回大会@信州大学松本キャンパス・1日目(2011年9月17日)

20110917blog1 昆虫学会の本番が始まった。しかし、どうも風邪っぽく調子が悪い。午前中は一般講演で、あちこちの会場を渡り歩いていろいろな講演を聴いたが、特に心に響く講演はなかった。
 会場の一角では、旧制高校時代を松本で過ごした北杜夫の「どくとるマンボウ昆虫記」にちなんだ昆虫の展示もあった。「どくとるマンボウ昆虫記」の各章に登場する昆虫ごとの標本箱が並べられ、北杜夫氏自身が採集した標本や、平沢伴明氏が最近記載して北杜夫氏に献名されたマンボウビロウドコガネの標本などもあった。
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 午後は「2020年の生物多様性と昆虫学〜COP10の成果から何が求められるのか〜」のシンポジウムに出た。3氏の講演があったが、外来種の問題にしても、絶滅危惧種の問題にしても、技術的な問題ばかりでなく、政治的な話にもなるため、なかなか難しいと思った。提供された話題はそれなりに面白いと思ったが、なぜ外来種がいけないのか?とか、なぜ絶滅危惧種を保護しなければいけないのか?などという根源的な問題についてはほとんど触れられておらず、ぼくとしては食い足りない感じがしたのは確かである。
 学会賞受賞講演は、論文が完成するまでの裏話の紹介であったが、研究の中身より、論文が出来上がるまでの過程が面白く感じられた。何度もリジェクトを食らってもあきらめてはいけないと思わされた。自分もちょっと頑張ってみようかという気になる。
 総会は滞り無く終了。
 懇親会は駅前のホテルに会場を移しての実施。信州は昆虫食がさかんな土地であるが、それを意識してか、昆虫の料理が10品ほど出されていた。セミは信州大学の構内で採集されたもののようであるが、それ以外は東南アジアから取り寄せたようなものだった。いろいろ食べてみたが、悪くはなかった。
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20110917blog5 と、昆虫食を楽しんで、次は普通の料理を、と思ってメインテーブルを見ると、もう食べるものはほとんど残っていなかった。安くはない懇親会費を払っているのだから、まともに食事ができないのはおかしい。ここ何年かは、昆虫学会の懇親会で食べ物が不足することは無かったので、ちょっと油断してしまったのがいけなかったのかも知れない。最後に蕎麦が出てきて、それはそれなりに美味しかったが、やはり不満が残る懇親会の料理であった。
 相変わらず調子が悪いので、二次会には行かず、ホテルに戻ってこれを書いている。明日は朝一番で講演なので、寝坊をしないようにしなければいけない。

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2011年9月16日 (金)

日本昆虫学会第71回大会@信州大学松本キャンパス・前日(2011年9月16日)

 昨日は、一昨年の夏に我が家に1か月ほどホームステイしていて、いま九州大学に留学しているドイツ人学生のアレクス君を我が家に迎えた。2年ぶりの再会だったが、顔は2年前と変わっていなかったが、さらに日本語に磨きがかかっていたようだった。夜は我が家一同と一緒に中華料理を食べに行った。
 今朝はアレクス君は名古屋へ向かうということだったので、電車で通学している上の2人の息子と一緒に同じ電車に乗った。息子たちは途中で降りたが、ぼくとアレクス君は名古屋まで乗り、近鉄名古屋駅で別れた。ぼくは昆虫学会の大会に参加するために中央線の特急で松本に向かった。
 昼過ぎに松本に着いたが、松本は陽射しが強く、津と変わらないぐらいに暑かった。昨日の夜の中華料理を食べ過ぎたので、カウンターだけの安い蕎麦屋で軽く蕎麦を食べた。値段相応であまり美味しくなかった。昼食後、荷物をホテルに預け、駅前の街を散策し、バスターミナル14:00発のバス(1日2本、10:00発と14:00発しかない)でアルプス公園に向かった。目指すは「山と自然博物館」。「昆虫少年50年のあゆみ」の特別展が開催されている。それを観に行った。アルプス公園は小高い山の上にある。さすがに暑いなか、歩いて行くのはきついだろうと思った。帰りはバスがないので、歩かなければいけないが、下り坂なのできつくはないだろうと思った。アルプス公園に着くと、アブラゼミ、ミンミンゼミ、チッチゼミの鳴き声が聞こえた。チッチゼミの鳴き声を聞いたのは久しぶりである。まずは、館内へ。
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20110916blog2 しばらくすると、Zikadeさん(『セミの家』の主)が登場。バスに乗り遅れたので来られないかと思っていたのだが、タクシーで来られたとのこと。松本城の近くから1000円ほどで来れたとのこと。
 この博物館は「山と自然博物館」という名前のとおり、山に関する展示もあった。本格的な山を知らないので、山の装備を見て「おお、こんな装備を使うのか!」などと感心しながら見た。
20110916blog3 山や自然に関する資料もあり、思わぬ物も見つけた。
20110916blog4 古い名古屋昆虫同好会の会誌である。ぼくが生まれる前のものも多数。「新昆虫」など、古い昆虫雑誌もあり興味深かった。どうやら地元の昆虫愛好家が所持していた資料が寄贈されたものらしい。
 展示を一通り観たあと、せっかくZikadeさんと一緒なのでセミの探索。自分一人では絶対に見つけられなかったであろうチッチゼミの抜け殻を発見。あるところにはたくさんあるもので、この写真には3個も写っている。成虫の大きさから想像するよりはるかに大きく、伊勢神宮で見たヒメハルゼミの抜け殻とほとんど大きさが違わないようにも思えた。チッチゼミの抜け殻が大きいというより、ヒメハルゼミの抜け殻が小さいのかも知れない。
20110916blog5 そうこうしているうちに陽も傾き、過ごし易くなり、二人で山を下りた。とりあえず、蕎麦屋を見つけた松本城方面に向かった。途中、ツクツクボウシの鳴き声も聞こえた。山の上の方は雑木林も残っており、いろいろな虫を観察しながらの下山になった。
 街中に来たら珍しいものを見つけた。「わさび店」と看板が出ていたので、その店を覗いてみたら、本当にわさびとわさび製品しか扱っていないような店だった。
20110916blog6 やがて松本城に近づき、松本城のすぐ前にある「川船」という蕎麦屋に入った。ぼくは「わさび菜野沢菜蕎麦」、Zikadeさんは「天ざる」を注文。値段が全然違うので当たり前だが、昼に入った蕎麦屋とは比べ物にならないほど美味しかった。
20110916blog7 蕎麦一杯で2時間ほどの時間をつかってZikadeさんと虫談義。話は尽きない。あまり粘っても店に申し訳ないので、20:00ちょっと過ぎに店を出てホテルに向かった。
 さて、明日から学会が始まるわけだが、自分の発表の準備はしたものの、他の仕事に追われていたので、どの講演を聴くのか、まったく考えていない。これから講演要旨集を見て戦略を練ろうと思う。

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2011年9月14日 (水)

ツヅレサセコオロギ初鳴き(2011年9月14日)

 この前の日曜日、妻が靴を買うのに付き合って買い物に行ったら、ふと魔が差してランニングシューズを買ってしまった。ランニングシューズを目にして、石垣島マラソンのことが頭をよぎったからである。島尻勝人さんだけでなく、長田紀友オジィの顔まで浮かんできた。
 というわけで、日曜日の晩から夕食後に少しずつランニングをしている。今日で4日目であるから「三日坊主」ではなくなった。
 今日の夕食後、そのようにしてランニングをしていたら、ツヅレサセコオロギの鳴き声に気が付いた。今年の初鳴きである。例年ツヅレサセコオロギの鳴き声を聞くようになるのは8月下旬であるから、今年はずいぶん遅い初鳴きである。これまでに既に鳴いていたのかも知れないが、とにかくぼくが鳴き声を聞いたのは今日が初めてである。ツヅレサセコオロギの鳴き声が聞こえるようになると、秋も本番に近づいたという感じがするが、今日は暑い日だった。

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2011年9月11日 (日)

月刊たくさんのふしぎ 2011年10月号(第319号)『クラゲは花』

Ishimori_y_003s月刊たくさんのふしぎ 2011年10月号(第319号)
並河 洋(文)・石森愛彦(絵)
福音館書店 700円(本体667円)

 著者のひとりの石森愛彦さんから贈っていただいたので紹介したい。
 「クラゲは花」という表題だが、要するに、我々がもっともクラゲらしい形をしているときのクラゲは、植物に例えれば花の状態に相当するということである。クラゲはもっともクラゲらしい形態に成長するまでに、様々な形態の幼生の状態を経る。ぼくが好きな昆虫も変態するが、クラゲの変態も不思議である。
 ところで、この本の石森さんのイラストは、これまでぼくが見てきた石森さんのイラストとは、かなりタッチが違っているように感じた。そうだと言われなければ石森さんの絵だとは気づかなかったかも知れない。

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カワラハンミョウ(2011年9月11日)

20110911blog1 今頃ちょうど個体数が増えるという話を聞いてカワラハンミョウの観察に出かけた。場所は津市の某所。探し始めてまもなく1頭が見つかり、探しているうちに何頭も見つかった。この写真のように、オスがメスの上にマウントしているペアも何ペアも見られた。カワラハンミョウは環境省のカテゴリーでは「絶滅危惧II類」に指定されており、近年あちこちで姿を消しているということだが、この場所では何とか個体群を維持しているように見えた。あちこちの場所を探してみて、どんな場所で見つかるのかもだいたい見当がついた。ともあれ、カワラハンミョウを初めてみることができて満足した。
 ところが、観察を始めようとしたら、不愉快な目にもあった。色々と差し障りがあるので詳しくは書かないが、大変困ったものだと思った。

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2011年9月 9日 (金)

ヒメジュウジナガカメムシのその後(2011年9月9日)

 8月18日に久しぶりに対面したヒメジュウジナガカメムシだったが、今日、Iさんから幼虫が多量に発生しているという連絡を受けた。そろそろまた観察に行かなければいけないと思っていたところだった。
 現場に行ってみると、それこそ無数のヒメジュウジナガカメムシの幼虫が発生していた。全部合わせれば、個体数は4桁に届いていると思われた。主に4齢で一部が3齢のように思われた。もう少し早く観察を再開すべきだったが、台風が来たり、出張があったりで、気が回らなかった。
20110909blog1 ガガイモの葉はあちこちで吸汁されて枯れ上がっている場所があった。しかし、2008年の前回とは異なり、ガガイモが十分に繁茂しているので、ほとんどが成虫になってくれるのではないかと思う。これらが全部成虫になったら壮観であろう。
 ガガイモにはヒメジュウジナガカメムシだけではなく、名前がわからない蛾の幼虫が2頭見つかった。真っ黒で、胴体の側面に黄色い斑点がある。「パッと見」ではセスジスズメの幼虫に似ているように見えたが、尾部に突起がないので、スズメガの仲間ではなく、おそらくヤガの仲間だと思う。
20110909blog2 これらとは別に、いつも調査している庭のピットフォールトラップを見たら、モンクロシャチホコの幼虫が落ちていた。もう十分に大きくなっていたので、蛹になるために木から降りてきて、過ってトラップに落ちてしまったのだろう。
20110909blog3


【2011年9月11日 10:00 追記】
 「蛾の幼虫はアオツヅラフジにつくヒメエグリバではないか」というご指摘を星谷仁さんからいただいたので、あらためて確認したところ、確かに幼虫がついていたのはガガイモではなく、ガガイモに紛れて一緒に生えていたアオツヅラフジでした。しっかり見ていないことがバレてしまいました。ご指摘いただいた星谷仁さんにはお礼申し上げます。
20110911blog0【アオツヅラフジについていた幼虫】

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今日のセミ(2011年9月9日)

 今日は明け方まで雨が降って、午前中はずっと曇っており、昼過ぎまでセミの鳴き声が聞こえなかった。その後、時折晴れ間ものぞくようになり、ツクツクボウシとアブラゼミの鳴き声を聞いた。ニイニイゼミの鳴き声は聞こえなかった。

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2011年9月 8日 (木)

今日のセミ(2011年9月8日)

 今朝の最低気温は昨日より高かったようだが、昨日出勤するときバイクで走っていると寒かったので、今朝はジャンパーとオーバーズボンを出してきて、それを着用して出勤した。オーバーズボンはさすがに暖かい。
 今日も昼過ぎ頃までは昨日と同様にカラッと晴れていて気温がそれなりに上がった。相変わらずツクツクボウシは元気に鳴いていたが、今日もまだニイニイゼミとアブラゼミも鳴いていた。クマゼミとヒグラシは鳴き声が聞けなかった。
 クマゼミの鳴き声が聞こえなくなったとは、夏も終わりということである。

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2011年9月 7日 (水)

今日のセミ(2011年9月7日)

 出張から戻ったら急に涼しくなって、出勤するときには途中でウィンドブレーカーを着たし、帰りもやはり途中でウィンドブレーカーを着た。津地方気象台の今朝の最低気温は18.0℃だったが、日中は晴れて気温が上がり、津地方気象台では27.6℃、職場の畑の近くでは31.1℃まで上がった。
 台風が去ったあとどうなったかと思ったのだが、今日はニイニイゼミ、アブラゼミ、ツクツクボウシの鳴き声を聞いた。一番元気なのはツクツクボウシだがアブラゼミもまだ頑張っていた。ニイニイゼミはもうほとんど終わりそうな感じだった。クマゼミとヒグラシの鳴き声は聞かなかったが、クマゼミはまだ鳴きそうな気もする。ヒグラシはもうおしまいのような気がする。

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アナグマの穴?(2011年9月7日)

 今日は恒例の研究所外での定期調査だった。
 調査地のうち2か所が雲出川のすぐ近くで、2009年の台風18号のときには川が氾濫して浸水したので、先の台風12号で川が増水して浸水していたのではないかと心配していたが、何事もなかったようだった。
 2か所目の調査地に行ったところ、畑の主のTさんが作業中だったが、こちらの作業が済んだところでTさんから呼び止められて、ダイズ畑に穴があいているけど何かの動物でしょうか?、と訊かれた。現場を見せてもらったところ、畑の畦の間に直径25cmほどの穴が斜め下に向かって口を開いていた。
20110907blog1 おそらく穴の主はアナグマだろうと思うが、やはり現物を見ないと何とも言えない。

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餃子@浜松(2011年9月5日〜6日)

 一昨日から昨日まで、農耕地の生物多様性と病害虫管理に関する研究会と現地検討会のため、遠州浜松に行った。浜松と言えば鰻だが、鰻なら津の方が安くて美味いのでわざわざ浜松で鰻を食べるようなことをせず、B級グルメの餃子に狙いをつけた。
 あらかじめネットを情報を仕入れようとしたのだが、研究会の会場に近い浜松駅周辺には限られた餃子屋しか見つからなかった。浜松駅近くで見つかったのは「むつぎく」と「五味八珍メイワン店」だけ。「むつぎく」は月曜日が休みなので、現地入りした月曜日5日には「五味八珍メイワン店」、終了後の火曜日6日に「むつぎく」に行くことにした。
 現地入りした5日には一人で「五味八珍メイワン店」へ。浜松駅ビルの7階の飲食街の一角にある。注文したのは餃子とざるラーメンのセット。997円なり。浜松餃子の「お約束」で、茹でたモヤシが添えられている。
20110905blog1 餃子は「餃子の王将」の餃子と比べるとずっと小ぶりであっさり気味。12個の餃子は余裕で平らげられた。
 研究会の終了後の6日には、研究会に参加したメンバー約10名とともに「むつぎく」へ。某T田氏もこの店をチェックしていたらしい。浜松駅の南口を出て、ほんの2分ぐらい歩いた場所である。注文したのはBセット。餃子8個と小ラーメンにご飯がついたもので850円なり。ラーメンは、醤油、味噌、ピリ辛から選べる。ラーメンは醤油を選んだ。
20110906blog1 ここの餃子も「お約束」どおり、茹でたモヤシが添えられていた。大きさも「餃子の王将」のものと比べるとずっと小ぶりで「五味八珍メイワン店」ぐらいの大きさ。餃子の中身はほとんどキャベツと思われるぐらいで、非常にあっさりとしていた。皮が不完全に閉じられているので、中身がすぐにはみ出してくる。ここの餃子は本当にあっさりとしていたので、いくらでも食べられそうな感じであった。
 というわけで、2軒の店で食べただけであったが、モヤシが添えられていたことと大きさが小ぶりであることを除けばかなりの違いが認められた。「浜松餃子」を名乗る店はたくさんあるので、食べ比べしてみる価値はありそうだと思われた。
 話が前後するが、ネットで見つけられた店はわずかしかなかったが、現地に行ってみたら、浜松駅近辺で餃子が食べられる店はたくさん見つかった。ネットの情報だけでは不十分である。

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2011年9月 3日 (土)

池田清彦著『構造主義進化論入門』

池田清彦著『構造主義進化論入門』

講談社学術文庫
ISBN978-4-06-292037-7
920円+税
2011年2月9日発行
266 pp.

目次
学術文庫版まえがき
プロローグ ダーウィニズムの限界
 進化論の基本図式/ネオダーウィニズムに対する三つの反証
第一章 「進化論」の歴史−ダーウィニズム以前
 プラトンとアリストテレス/「進化論」前夜−中・近世ヨーロッパの生物観/ラマルクの『動物哲学』
第二章 ダーウィニズムとは何か
 『種の起原』を読む/「生物」と「進化」のトートロジー/メンデルの再発見
第三章 ネオダーウィニズムの発展
 総合学説の提唱者たち/分子生物学の発展/遺伝子とは何か
第四章 構造主義的アプローチ
 名と時間/共時性と拘束性/形式と認識
第五章 構造主義進化論
 進化法則/構造の性質/情報と解釈系
エピローグ 科学の挑戦
あとがき
ブックガイド

 本書は1997年に発行された『さよならダーウィニズム−構造主義進化論講義』に加筆修正を加えて文庫化されたものだが、明らかな事実誤認以外の加筆修正は最小限にとどめられているとのことである。
 昔、池田氏の『構造主義生物学とは何か』(1988、海鳴社)や『構造主義と進化論』(1989、海鳴社)を読んだときには、何が書いてあるのか全く理解できなかった「構造主義生物学」であったが、その後の池田氏の書く物を読むことにより、おぼろげながら池田氏の言うところの「構造主義生物学」がどんなものかが理解できるようになった。本書は「入門」となっているように、最初の二冊と比べれば遥かに読み易く書かれており、池田氏の言うところの「構造主義生物学」を理解するためにはお勧めの本だと思えた。
 生物進化についての学説において、今でもネオダーウィニズムが一番幅をきかせていると思うが、ネオダーウィニズムが拠り所とする突然変異と自然選択と遺伝的浮動だけでは種内とか属内の小さな進化を説明することはできても、単細胞生物から多細胞生物への進化とか、無脊椎動物から脊椎動物への進化とかいうような門レベルの大きな進化を説明するのはほとんど不可能である。
 生物進化の要因を遺伝子に還元するのではなく、生物をシステムとして捉え、要素の関係の転換によって生物進化を解釈しようというのが構造主義生物学の考え方である。池田氏が書いているように、まだこの考え方は思弁だけに留まっており、データを伴っていないが、ぼくにとっては説得力があるように感じられるようになってきている。
 本書では構造主義生物学だけが解説されているだけではなく、これまでの生物進化に関する様々な考え方の歴史も説明されており、構造主義生物学の置かれている立場も理解できると思う。
 「構造主義生物学」を信じるか信じないかは人それぞれで良いと思うが、無視する前に一度本書を読んでみたら良いと思う。

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2011年9月 1日 (木)

フォン・ベルタランフィ著『一般システム理論』

ルートヴィヒ・フォン・ベルタランフィ著『一般システム理論 その基礎・発展・応用』

みすず書房
1973年7月10日発行
288 pp.

目次
序文
英語版への序文
第1章 序論
 システムはいたるところに/システム理論の歴史/システム理論の方向
第2章 一般システム理論の意味
 一般システム理論の探求/一般システム理論の目標/閉鎖システムと開放システム−伝統的物理学の限界/情報とエントロピー/因果性と合目的性/オーガニゼーションとは何か/一般システム理論と科学の統一性/教育における一般システム理論−一般科学者の養成/科学と社会/最後の教訓−個人としての人間
第3章 いくつかのシステム概念の初等数学的考察
 システム概念/生長/競争/全体性,総和,機械化,集中化/目的性(終局性)/目的性のいろいろな型/科学における同形性/科学の統一性/数学的システム理論の発展についてのノート(1970年)
第4章 一般システム理論の進歩
 システム科学のアプローチと目標/一般システム研究の諸方法/一般システム理論の進歩
第5章 物理学的システムとして考えた生物体
 開放システムとしての生物体/開放化学システムの一般性質/等結果性/生物学的応用
第6章 開放システムのモデル
 生命機械とその限界/開放システムのいくつかの特徴/生物学における開放システム/開放システムとサイバネティクス/未解決の問題/結論
第7章 生物学におけるシステム理論のいくつかの側面
 開放システムと定常状態/フィードバックとホメオスタシス/アロメトリーと表面積法則/動物の生長理論/結論
第8章 人間の科学とシステム概念
 有機体論革命/現代思想における人間像/システム理論的な方向転換/社会科学とシステム/システム理論的な歴史概念/システム理論から見た将来
第9章 心理学と精神医学における一般システム理論
 現代心理学の窮境/精神病理学におけるシステム概念/結論
第10章 カテゴリーの相対性
 ウォーフの仮説/カテゴリーの生物学的相対性/カテゴリーの文化的相対性/遠近法主義的な見方/注
付録 科学の意味と統一性
謝辞
参考文献
読書案内
訳者あとがき
索引

 横山和成さんから本書を読むことを勧められていたのだが、そのままになっていた。ところが、某所で横山さんが講演されるという情報を得たので、その講演を拝聴する前に目を通しておくべきだと思って慌てて読もうと思った。津市立津図書館にも三重県立図書館にもなく、三重大学にあることを確認したのだが、夏休み中で開館時間が短くてどうしようかと思ったのだが、職場のルートで取り寄せられることがわかったので、結局は職場のルートで取り寄せて借りて読んだ、というより「目を通した」という表現の方がより正確である。
 著者のルートヴィヒ・フォン・ベルタランフィは既に1972年に亡くなっており、そのとき本書はまだ翻訳作業の途中であった。
 大雑把に理解したことは、「あらゆる現象を物理学的なものに還元して理解することには限界があるため、無生物・生物・精神過程・社会過程のいずれをも貫ぬく一般原理の同形性の根拠を究明し、連立微分方程式で記述したモデルに定式化して理解しようというのが『一般システム理論』の目的である」ということである。
 このような「一般システム理論」全体については学生時代に勉強したことはなかったが、この理論の特殊な場合については昆虫生態学の講義を聴いてちゃんと勉強していた。ただそれが、一般的なシステムとして記述できるなどということに思いもついていなかったということである。例えば、捕食者と被食者の増減関係をモデル化し、その増殖速度を表現した「ロトカ=ヴォルテラの方程式」がそうであるし、同じ生態学的要求を持つ複数の種が同所的に存在すると競争によって一方が排除されるため、他の環境要因などがない場合は安定的に共存することはないということを示した「ガウゼの法則(競争排除則)」もそうである。
 横山和成さんによれば、多様性を考えるにあたっても「一般システム理論」が役に立つだろう、ということなのだが、ざっと目を通したに過ぎない現在の段階では、具体的にどこにどのように応用したらいいのか、まだよくわからない。でも、還元的にモノを見ることだけが科学ではなく、そうではない方法でも科学ができますよ、というところが横山さんが言いたかったことなのかも知れないし、その点について「なるほど、こういう考え方もできるのか!」と感じたのは確かであるので、何かの役には立つのではないかと思う。
 それはそれとして、本書は1973年出版ということで、ボクがまだ中学生だった40年近く前に出版されていたわけであるから、当然その後、この理論に関する考察が進んでいることと思う。しかしながら、それがどの程度進んでいるのかは全くわからない。
 ネットで検索したら、驚くべきことに出版元にはまだ在庫があるみたいだけど、個人で買うにはちょっと躊躇する値段だな。

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