日本昆虫学会第71回大会@信州大学松本キャンパス・2日目(2011年9月18日)
朝ちょっと早めにホテルを出たら、乗ろうと思っていたバスの1本前のバスにギリギリ間に合ってしまったので、それに乗った。学会参加者と思われる人は皆無。
昨日、大学の医学部の近くの正門の近くのカラマツでチッチゼミが鳴いていたという話を聞いたので、会場に近い「大学西門」ではなく、ひとつ手前の「信州大学前」でバスを降りた。
チッチゼミの鳴き声は聞こえなかったが、抜け殻があるはずだと思って、カラマツの下のツツジの植え込みを探したら、抜け殻はすぐに見つかった。
昨日もそうだったが、朝にはミンミンゼミが盛んに鳴いていた。会場に向かう途中、ケヤキの木の低いところから鳴き声が聞こえてきたので、目を凝らして探すのだがなかなか見つからない。近くにいるはずだと思って一所懸命探したら、地上50cmぐらいのところで鳴いている個体をやっと発見した。上の方ばかり探していたのでなかなか見つからなかったのだ。
もっと近づいて撮ろうと思ったら、ミンミンゼミは飛んで逃げてしまったが、そのまま地面に墜落してしまったので、簡単に捕まえることができた。手で掴んでいると悲鳴音を出し続けている。手を使って無理矢理早く腹弁を開閉させてさせてやったら、クマゼミのような鳴き声になった。聞いていたとおり、クマゼミとミンミンゼミの地声は似ているということだろうと思う。
今日は朝一番からの講演である。定刻15分ぐらい前に4階の会場に入った。さすがにこの時刻にはスタッフ以外には誰も来ていなかった。開始時刻が近づくが、なかなか人が増えない。昨日は懇親会だったし、会場も4階の一番遠いところなので、人が少ないのは予想できたが、想像以上に少なかった。講演開始直前にはスタッフを除いた聴衆は7人しかいなかった。これまでにこんなに少なかった経験はない。これでは、「一応学会で発表しました」という程度のアリバイ作り程度にしかならない。もう一度別の場所で喋りたい気がする。
その後あちこちの会場を移りながら講演を聴いた。風邪っぽくて体調が悪いので、1階から4階まで階段を上り下りするのがしんどい。
外来種の講演はなるべく聴くようにした。富沢章氏のシタベニハゴロモの話、吉松慎一氏や上里卓己氏のアフリカシロナヨトウの話。侵入したばかりの虫は大発生が印象的である。アフリカシロナヨトウは大発生のあとすぐにいなくなってしまったようだが、シタベニハゴロモは減ってきてはいるがまだいるようだ。シタベニハゴロモは美麗種なので、一度生きている実物を見てみたい。
午後一番は「山岳昆虫の多様性と保全」のシンポジウムを聴いた。しかし、体調が悪く、ときどき意識が切れるところがあった。
そのあとは2コマの小集会。1コマ目は「日本半翅類学会」の小集会へ。まず、この春国立科学博物館を退官された友国雅章氏の国立科学博物館での35年の仕事の回想の紹介。その後は一人一話。ぼくは最近のホシカメムシの話題を紹介した。
2コマ目は「カマキリ学の解明に向けて」の小集会。小集会が始まる前、学会に参加していると思われる高校生がカマキリを持ち込んで同定して欲しいと言ってきた。見るとメスであることはわかったが、ぼくには同定できなかった。オオカマキリに似ているのだが、オオカマキリにしては小さすぎて別種に見えた。参加者に見てもらったところ、やはりオオカマキリとのことだった。こんな小さいオオカマキリは初めて見た。講演は、安藤喜一氏のカマキリの卵の寄生性天敵であるオナガアシブトコバチの生態の紹介と、三浦一芸氏の交尾時のメスによるオスの共食いの話は面白かった。
小集会が終わったのは20:30過ぎ。バス停には小集会を終えて市内に向かう人があふれていた。とてもバスには乗り切れないのではないかと思ったが、意外にも座れたし、並んでいた人がほとんど乗れたようだった。隣に座っていたのは若い女性だった。バスが動き出そうとしたとき、その女性から声をかけられた。彼女も昆虫学会に参加していた人だったのだ。いろいろ話を聞くと、信州大学の大学院生でウツボグサを訪れるハナバチを研究しているとのこと。こちらも自分の仕事のことを大雑把に紹介した。そうこうしているうちにバスは松本駅前へ。
前もってディスカウントチケットの自動販売機を見つけていたので、まずそこへ。体調が悪いので、帰りの電車で座れないと辛いと思ったので指定席の回数券を買った。普通に自由席の切符を買うよりも少し安い。その足ですぐに駅のみどりの窓口に向かい座席の指定を受けようとしたが、乗ろうと思っていた列車は満席だった。連休の最終日だから混んでいるようだ。仕方が無いので、ひとつ前の臨時列車の指定席をとった。これに乗るためには明日のシンポジウムを途中で抜け出さなければいけないが、体調が悪いから仕方が無い。
その後、駅前の「松屋」でおとなしく「牛めし」を食べてホテルへ。シャワーを浴びてからこれを書いている。
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コメント
>シタベニハゴロモは美麗種なので、一度生きている
>実物を見てみたい。
機会があればもう一種の半翅類とともに御案内します。
投稿: Zikade | 2011年9月22日 (木) 11時28分