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2011年9月17日 (土)

日本昆虫学会第71回大会@信州大学松本キャンパス・1日目(2011年9月17日)

20110917blog1 昆虫学会の本番が始まった。しかし、どうも風邪っぽく調子が悪い。午前中は一般講演で、あちこちの会場を渡り歩いていろいろな講演を聴いたが、特に心に響く講演はなかった。
 会場の一角では、旧制高校時代を松本で過ごした北杜夫の「どくとるマンボウ昆虫記」にちなんだ昆虫の展示もあった。「どくとるマンボウ昆虫記」の各章に登場する昆虫ごとの標本箱が並べられ、北杜夫氏自身が採集した標本や、平沢伴明氏が最近記載して北杜夫氏に献名されたマンボウビロウドコガネの標本などもあった。
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 午後は「2020年の生物多様性と昆虫学〜COP10の成果から何が求められるのか〜」のシンポジウムに出た。3氏の講演があったが、外来種の問題にしても、絶滅危惧種の問題にしても、技術的な問題ばかりでなく、政治的な話にもなるため、なかなか難しいと思った。提供された話題はそれなりに面白いと思ったが、なぜ外来種がいけないのか?とか、なぜ絶滅危惧種を保護しなければいけないのか?などという根源的な問題についてはほとんど触れられておらず、ぼくとしては食い足りない感じがしたのは確かである。
 学会賞受賞講演は、論文が完成するまでの裏話の紹介であったが、研究の中身より、論文が出来上がるまでの過程が面白く感じられた。何度もリジェクトを食らってもあきらめてはいけないと思わされた。自分もちょっと頑張ってみようかという気になる。
 総会は滞り無く終了。
 懇親会は駅前のホテルに会場を移しての実施。信州は昆虫食がさかんな土地であるが、それを意識してか、昆虫の料理が10品ほど出されていた。セミは信州大学の構内で採集されたもののようであるが、それ以外は東南アジアから取り寄せたようなものだった。いろいろ食べてみたが、悪くはなかった。
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20110917blog5 と、昆虫食を楽しんで、次は普通の料理を、と思ってメインテーブルを見ると、もう食べるものはほとんど残っていなかった。安くはない懇親会費を払っているのだから、まともに食事ができないのはおかしい。ここ何年かは、昆虫学会の懇親会で食べ物が不足することは無かったので、ちょっと油断してしまったのがいけなかったのかも知れない。最後に蕎麦が出てきて、それはそれなりに美味しかったが、やはり不満が残る懇親会の料理であった。
 相変わらず調子が悪いので、二次会には行かず、ホテルに戻ってこれを書いている。明日は朝一番で講演なので、寝坊をしないようにしなければいけない。

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コメント

泊まっているホテルの玄関に”日本昆虫学会御一行様歓迎”と張り紙がされてました。思わず笑ってしまいました。松本の生協とこのホテルとが結託したのでしょう。松本にいらっしゃるのでしたら県の森公園に行かれたらいいと思います。旧制松本高校の寮があったところで(北杜夫の青春記の舞台になった寮です)、以前はそこに文学部と経済学部がありました。今は公園になって寮は旧制高等学校の展示場になっています。毎年新入生が入ってくると全学部の新人歓迎コンパを県の森でやったのですが、今は多分やっていないでしょうね。

投稿: Harpalini | 2011年9月18日 (日) 05時28分

立食パーティーは、一人ひとりが全員の事を考えて、好きな物・値のはるものばかりをたくさん食べるような真似をしない、と心得ればいいのですが、日本人の大半はそうではないらしく、出遅れると悔しい思いをするはめになりますね。

食べるのがゆっくりの自分は、立食形式は苦手です。

チッチゼミの鳴き声をやっと認識できるようになりました。松林でよく聞かれるようですね。今週は抜け殻探しにトライします。

岩手・宮古周辺のアカマツの混じる雑木林では、9/9にはエゾゼミ・ミンミンゼミが聞かれました。9/16には、エゾゼミ・チッチゼミが聞かれたが、ミンミンは聞こえなかったです。いずれも晴天、最高気温は29度と31度でした。9/20~22にも同じ所へ行きます。

投稿: でんでんむし | 2011年9月19日 (月) 00時50分

Harpaliniさん、松本は見る場所がたくさんありますけど、学会が終わったらすぐに帰らないといけないので、あちこち見られないのが残念です。余裕があればもう1泊したいところですが。

でんでんむしさん、立食パーティーはボクも苦手です。それにしても、参加人数の割には料理の量が少ないように見えたので、先に普通の料理に手を出すべきできた。後から後悔しても仕方がありませんが。Zikadeさんによれば、チッチゼミの抜け殻は、ツツジの仲間を探すと良いとのことです。普通のツツジだけでなく、ドウダンツツジの仲間やネジキやアセビでも良いとのことです。

投稿: Ohrwurm | 2011年9月19日 (月) 06時26分

「なぜ外来種がいけないのか?」,「なぜ絶滅危惧種を保護しなければいけないのか?」などという「根源的な問題」に興味があります。門外漢が読むのに適した本をご存知でしたら,ご紹介いただけると嬉しいです。

言語多様性についても,色々な研究者が様々な観点からいろいろ述べていますが,僕は次のマイケル・クラウスのことばが的を射ているように思います:

マイケル・クラウス(Michael Krauss)氏も、多様性を保持すべき最も重要な理由として次のように述べている:

「言語が死ぬのを見過ごすということは,取り返しのつかない,取り消しのきかない決断を行うことであり,我々は自分たちが何をしているか知らずに,消失の重大性に気付かずに,それを行っているのである。人類の未来への我々の遺産がこのように消失してゆくのを許す責任を担うことは,あまりにも危険な賭けである。この決定を未来の世代にゆだね、この世界を可能な限り良い形で後世に伝える方が、はるかに賢明なのである」(クラウス1994:260)

クラウス,マイケル E. [笹間史子(訳)] (1994)「言語の危機」.北方言語研究者協議会編『アイヌ語の集い:知里真志保を継ぐ』:249-263頁. 北海道出版企画センター.

投稿: もとやす | 2011年9月23日 (金) 03時22分

もとやすさん、コメントありがとうございます。
 「なぜ外来種がいけないのか?」,「なぜ絶滅危惧種を保護しなければいけないのか?」などという「根源的な問題」には、おそらく科学的な根拠がないので、「マトモな科学者」はそういう問題について触れたくないのではないのかと想像しています。でも、ぼくは「マトモな科学者」のみなさんにも議論して欲しいことだと思っています。これらの問題に対して回答が得られるわけではないと思いますが、高橋敬一著『「自然との共生」というウソ』 http://ohrwurm.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-7963.html あたりを読むとヒントぐらいは得られるのではないかと思います。やや大著ですが、アラン・バーディック著『翳りゆく楽園 外来種vs.在来種の攻防をたどる』 http://ohrwurm.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/vs-d2be.html もヒントになることがたくさん書かれていると思います。
 絶滅危惧種を守ろうとする理由は、もとやすさんが言語について挙げられたのと同様に、「ある生物種が絶滅するのを見届けるのが偲びないから」というのが、本質的な部分の回答だと思いますが、これもやはり「マトモな科学者」は触れたがりません。大著ですが、E. O. ウィルソン著(大貫昌子・牧野俊一訳)『生命の多様性』 http://ohrwurm.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/oiii-88e3.html を読まれると良いかも知れません。

投稿: Ohrwurm | 2011年9月23日 (金) 08時11分

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