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2011年5月21日 (土)

ハルゼミ(2011年5月21日)

 午前中、いつものフィールドに出かけた。ここに行くのは4月10日以来である。今回は同行者なし。
 晴れていて適度に湿気があるので、虫を見るにはちょうど良い天気ではないかと思ったが、最初のうちは活動している虫はそれほど多くないように感じられた。
 するとそのとき、湿地の向こう側の林からハルゼミの鳴き声が聞こえた。
20110521blog1 この界隈では何度かハルゼミの鳴き声を聞いたことがあるので、今日は姿を拝めるのではないかと思って、湿地の向こう側に行ってみた。すると思いがけぬことに、今度はハルゼミの合唱が始まった。三重県に来てからハルゼミの合唱らしい合唱を聞いたことがなかったので、大変嬉しかった。合唱をするぐらいの個体数がいることがわかったので、今度は姿を見つけることができるのではないかと思って、アカマツの枝をじっくり探した。するとすぐに2頭のハルゼミが見つかった。残念ながら(とは言え、当然のことなのだが)、それほど近い場所ではないので、ハルゼミと同定できるような写真は撮れないと思われた。でも、一応の証拠写真ということで撮影だけは試みた。すると、何とか姿が確認できる程度の写真は撮れていた。
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 その後、この里山のあちこちを徘徊しているうちに、いろいろな虫を見つけた。やけに小さいコマルハナバチが飛んでいたので、もうワーカーが出ているのかと思ったら、それはオオイシアブだった。
 チョウもいろいろ見た。ダイミョウセセリ、イチモンジチョウ、ツマグロヒョウモン、ナガサキアゲハ、キチョウ、クロヒカゲ、サトキマダラヒカゲなど。アカマツの幹に止まったサトキマダラヒカゲは羽化したばかりと思われる新鮮さだった。
20110521blog3 種名不明のマメ科植物の茎にはハラビロヘリカメムシがいた。
20110521blog4 例によってヒトクチタケではクロハサミムシを探すが見つからず。ゴミムシの仲間が見つかったが、逃げられてしまった。
20110521blog5 林床ではヤマトシリアゲも見つかったし、オオスズメバチも見られた。
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 最初は虫が少なく感じられたが、結果的にはけっこう色々な虫が見られたと思う。特に珍しいものは無かったと思うが、ハルゼミの鳴き声だけでなく、姿そのものを見たのは中学生のとき以来だから、実に39年ぶりである。やはりこれが嬉しかった。

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コメント

おお、ハルゼミの撮影成功おめでとうございます。サトキマダラヒカゲの美しさが光りますね。

投稿:  おきしま | 2011年5月21日 (土) 14時35分

 おきしまさん、こんにちは。
 贅沢を言えば、ちゃんとハルゼミとわかる写真を撮りたかったですが、贅沢も言えません。サトキマダラヒカゲは、ちょうど出始めたばかりの感じです。普通種とは言え、新鮮なものを見られるのは嬉しいです。

投稿: Ohrwurm | 2011年5月21日 (土) 15時32分

ハルゼミの撮影おめでとうございます。

職場でも遠くで鳴き声を聞いた事がありますので今年は多い年かも知れませんね?

投稿: シロヘリ | 2011年5月21日 (土) 19時20分

シロヘリさん、こんにちは。
 この場所へは毎年通っていますが、ハルゼミの鳴き声は単発的にしか聞いたことがありませんでした。小規模ながら合唱が聞けたということは、やはり今年は多いのかも知れません。

投稿: Ohrwurm | 2011年5月21日 (土) 19時47分

初めてハルゼミを採集したのは40年くらい前、ここのフィールドです。今でも生息しているのはなによりですね。そういえば、昔は津市観音寺町でもハルゼミ鳴いていましたが、まだいるのかな?

ナナフシ、カマキリ研究で有名な名古屋の岡田さんが5月17日に亡くなられましたね、ご冥福をお祈りします。
初めての出会いは、北鈴鹿の藤原岳で1977年の今頃だったと思います。

投稿: ヘテロ | 2011年5月22日 (日) 02時43分

ヘテロさん、こんにちは。
今年はそれなりにハルゼミが多いようです。もっとも40年前がどうだったかはわかりませんが。観音寺町では2008年に鳴き声を聞いています。
http://ohrwurm.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_cd43.html

岡田さんが亡くなられたのですか!数年前からご病気だとは知っていましたが・・・残念です。17日だとお葬式は終わっていますよね。しかし、誰も連絡をくれないとは・・・。ぼくが愛知県出身の虫屋だということを認識されていないからなのか、最近は愛知県の虫屋さんとのおつきあいが疎遠になっているからなのか。岡田さんにはこれまで色々お世話になっていますので、最後のお別れはしたかったです。合掌!

投稿: Ohrwurm | 2011年5月22日 (日) 07時40分

岡田さんの訃報は、名昆のM会長さんから17日の夕刻、メール配信されていました。通夜が19日、告別式が20日だったそうです。僕もお別れしたかったのですが、なにしろ訃報メールを読んだのが21日だったもので間に合いませんでした。名古屋の昆虫普及に一役買った人だけに惜しい人を亡くしたものです。
岡田さんとはもう十年程、お会いしていませんでしたが、2年位前までは電話で時々、お話していました。昆虫だけでなくSF本のコレクションもしていて、いつだったか、土蔵いっぱいのSF本コレクションを見せていただいたのが記憶にあります。合掌!

投稿: ヘテロ | 2011年5月22日 (日) 11時38分

ヘテロさん、再びどうもです。
ぼくのところにメールは届いていなかったです。
日頃不義理をしているから省かれちゃったのかな?

岡田さんのこと、ブログの次のエントリーに書きました。

投稿: Ohrwurm | 2011年5月22日 (日) 13時09分

ヘテロさん、追伸です。
岡田さんとSFの関係は全く知りませんでした。
ネットを検索していたらSF関係者のブログが引っかかりました。
http://short-short.blog.so-net.ne.jp/2011-05-21
どうやら、ぼくが知り合った頃にはSFからは一歩引き下がられていたようですね。

投稿: Ohrwurm | 2011年5月22日 (日) 15時40分

Ohrwurmさん、どうも。
この日曜日は、天候の不安定な一日でしたね。M会長さんからの訃報メールは蛾関係のMLに流されたものなので、Ohrwurmさんには届いていないのですね。

SF関連のブログ、拝見しました。岡田さんのSFコレクションを見せていただいたのは瑞穂を引き払って、千種区の当時のご自宅で名古屋昆虫館準備室を開設していた頃ですから1990年代です。アメリカの古いSF雑誌とかSFマガジンの創刊号からずっと持っていて、とても驚きました。
昆虫標本、文献もそうですが、あの膨大なSFコレクションはどうなってしまうんでしょう。

投稿: ヘテロ | 2011年5月22日 (日) 22時26分

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