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2011年3月16日 (水)

停電とゲルマニウムラジオ

 震災による停電によって、一部ではゲルマニウムラジオが話題に上がっているようだが、誤解もあるようなので、一応ぼくが知っていることを書いておきたい。ご自分でゲルマニウムラジオの実験をされたことがある方には釈迦に説法と思われるので、あえて読んでいただく必要はないと思う。
 ゲルマニウムラジオは電源が無くても聞こえるラジオである。それは正しいのだが、実用的であるかどうかには、いろいろな条件が関わってくる。
 普通のラジオは、空中の電波を捕えて、エネルギー(電源)を使ってトランジスタ(昔なら真空管)によって電波の信号を増幅し、最終的にはスピーカを鳴らしている。ところが、ゲルマニウムラジオは増幅するためのエネルギー(電源)を使用しないので、最終的な音声信号エネルギーになるのは、ラジオの電波そのものが持っているエネルギーだけである。しかも、アンテナで捕えた電波は最終的な音声信号になるまでに、多くのエネルギーの損失が発生する。だから、ゲルマニウムラジオの音は大変小さいのが普通である。
 だから、大きな音でゲルマニウムラジオを聴こうと思えば、効率良く電波を捕える必要がある。具体的には、長いアンテナか良好なアース、できればその両方が必要になってくる。したがって、通常はゲルマニウムラジオを携帯できる大きさで作ることは非常に難しい。
 今の家に転居してからはまだ試していないが、転居する前は、ぼくはゲルマニウムラジオをそれなりに実用的に使っていた。夜寝るときには毎晩のようにイヤホンを耳に突っ込んで「ラジオ深夜便」を聞いていたのだ。アースはエアコン用のアースにとり、アンテナはアルミサッシの窓枠を使っていた。ここ津市ではっきりわかるように放送を聞けたのは、NHKラジオ名古屋第一放送とCBCラジオ(名古屋)だけだった。そのほかNHKラジオ名古屋第二放送がかすかに聞こえるのはわかったが、話している内容は全くわからなかった。
 これをもって実用的であるかどうかを言うのは難しいが、やはり非常時に使うには難があると言わざるをえないと思う。送信所の近くであれば、アースが無くて短いアンテナでも聴くことはできるし、しっかりしたアースをとって長いアンテナをつなげばスピーカも鳴るかも知れない。だから、試してみる価値はあると思う。
 ゲルマニウムラジオの作り方は、ネット上にいくらでも情報があるので、検索して参照していただきたい。

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