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2010年12月 9日 (木)

長谷川明子著『生物多様性』

長谷川明子著『生物多様性 私と地球を元気にする方法』

技報堂出版
ISBN978-4-7655-4466-5
1,200円(税別)
2010年9月15日発行
130 pp.

目次
第1章 生物多様性ってなぁに?
生物多様性とは?/生物多様性はどうして大切なの?/生物多様性が失われるとどうなるの?/失われつつある生物多様性/どうして生物多様性は失われたの?/世界的な環境意識の高まり/動きだした日本の環境政策/COP10と今後の取り組み/生物多様性を守る方策と変化のきざし/私たちにできること
第2章 生物多様性ワクワクチェック
第3章 絵でみるリオ宣言

 はっきり言ってしまえば、ぼくが抱いている「生物多様性とは何か」という問題意識の解決にはほとんど役に立たなかった。著者がどんな人なのかよく知らないが、少なくとも実際に生物多様性の研究に携わっている人ではないことだけは、本書の書き方から読み取れた。書かれている内容には臨場感がなく、教科書的というか表面的で、読んでいて面白いと感じられる部分は無かった。
 本書は、「生物多様性」という言葉を全く知らない人のために書かれた本のように思われた。だから、第1章の表題にあるように「生物多様性ってなぁに?」ということを全く知らない人が読めば、「生物多様性とは何か」という命題の概略を知るには役に立つような気がする。
 ぼくにとって勉強になったのは、第3章のリオ宣言の内容である。ぼくは生物多様性の現象面だけを見ていたので、リオ宣言の条約の内容など、人が決めたことについては、あまり意識を向けていなかったのだ。リオ宣言の内容は、本当の自然のことをあまり知らない役人が頭の中だけで考えて作られた部分が多いように感じられた。経済至上主義のこのグローバルな世界では、リオ宣言の内容は理想論でしかないように思えた。

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コメント

「長谷川真理子」のミスタイプかな?・・と思ったら、別人でした(-.-)
あの先生なら、教科書的でお役人的な、政府広報って感じの本を出すわけがないです・・・。

投稿: こけた | 2010年12月10日 (金) 07時24分

こけたさん、長谷川真理子さんなら、もっと面白く書かれたことでしょう。でも、生物多様性はご専門ではないですね。

投稿: Ohrwurm | 2010年12月10日 (金) 22時29分

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