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2010年11月 6日 (土)

第154回日本昆虫学会・第91回日本応用動物昆虫学会東海支部合同講演会

第154回日本昆虫学会・第91回日本応用動物昆虫学会東海支部合同講演会が名古屋の金城学院大学で開催された。
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講演:森勇一氏
演題:先史〜歴史時代の昆虫化石から探る人々の暮らし
コメンテーター:河野勝行氏、山岸健三氏、桐谷圭治氏
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 昆虫学会と応動昆の東海支部会の講演会としては異色の人選である。これまでは、生きた昆虫を相手にしている研究者による講演ばかりであったが、今回は遺跡から発掘された昆虫を研究されている森勇一氏が講演者である。
 様々な時代の遺跡からは様々な昆虫化石が見つかっている。そこで発見された昆虫から、当時の人々の生活がうかがわれるという話であった。人間の糞尿の処理に関しても、昆虫が何らかの役割を果たしていたはずで、それが昆虫化石にも反映されている、ということである。
 ぼくは全くの専門外ではあったがコメンテーターを依頼されており、事前に森氏の論文をあらかじめ送っておいていただいたのであるが、やはり直前までどのようなコメントをしたら良いのかわからなかった。ちょっと気になっていたのは、中世(鎌倉時代あたり)の遺跡からヒメコガネの化石が多数発見され、異様な塊として発掘されることがあるという話だったので、それはひょっとしたら当時の人間がヒメコガネを食べて、食べられない部分をまとめて捨てたのではないかということを思いついたので、そのようなコメントをした。もちろん、自信があっての話ではないが、昆虫食の文化が当時あった可能性は否定できないと思っている。
 次に、今では北海道には分布していないアカスジキンカメムシの化石が北海道でも発見されるのに、オオキンカメムシの化石は発見されないのが不思議である、という話があったが、これについては、オオキンカメムシが日本在来ではないアブラギリを寄主植物としており、アブラギリの栽培され始めた時代が新しいので古い時代の古墳からは発見されないのではないか、とコメントした。
 山岸氏からは、地質学についても深く突っ込んだコメントがされたが(ぼくは十分に理解できなかった)、あとからうかがったら、中学生時代には地学部に入っていて、化石を掘っていた経験があるとのことであった。
 桐谷氏からは、深い昆虫学の経験と知識をもとづいて、森氏の研究について(あらかじめ送られていた論文を読んだ上で)幅広いコメントをいただいた。
 講演会のあとは懇親会。人数が少なかったので、懇親会でも濃い議論ができたように思う。今回の講演とは全く関係無いが、最近、保湿性に着目されて(冬に乾燥しても土が風に吹き飛ばされないなど)学校の校庭に蛇紋岩を砕いたものが撒かれているそうであるが、蛇紋岩は超塩基性で毒性もあるため、特殊な植物(例えばツゲ)しか生育できず、木々が枯れている事例が多発しているそうである。地質に詳しい人からは、普段は聞けないような話が聞けて面白いと思った。

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