桂米二著『上方落語十八番でございます』
桂米二著『上方落語十八番でございます』
日本経済新聞社
日経プレミアシリーズ083
ISBN978-4-532-26083-5
870円+税
2010年5月10日発行
268 pp.
本書は日本経済新聞のウェブサイトに連載されたものを収録したである。
「十八番」は「おはこ」と読む場合もあるが、本書の場合は「じゅうはちばん」であり、十八席の落語が収録されている。
前口上
演目
第一席 百年目
第二席 初天神
ちょっと休憩 落語の話をお教えします−質問コーナー1
第三席 牛ほめ
第四席 千両みかん
ちょっと休憩 落語の話をお教えします−質問コーナー2
第五席 くしゃみ講釈
第六席 猫の忠信
ちょっと休憩 駆け込み乗車は危険です!
第七席 崇徳院
第八席 饅頭こわい
ちょっと休憩 さあ、稽古しょう
第九席 つぼ算
第十席 道具屋
ちょっと休憩 噺家の小道具
第十一席 宿屋仇
第十二席 まめだ
ちょっと休憩 ちょっと休憩 冬の旅〜幻の独演会
第十三席 代書
第十四席 質屋蔵
ちょっと休憩 噺家の就職試験−米二の30年その1
第十五席 かわり目
第十六席 子ほめ
ちょっと休憩 私はこうして「米二」になった−米二の30年その2
第十七席 口入屋
ちょっと休憩 内弟子生活−米二の30年その3
第十八席 たちぎれ線香
本書を買ったのは今年の5月27日で、米二師匠から直々に買ったわけだったが、買ってしまうと安心して、ついつい読むのが後回しになってしまう。図書館で借りた本は、2週間で返さなければいけないので、それが励みになって(?)一所懸命読むので早く読める。後回しになった結果、その後にも米二師匠の落語会に行く機会ができ、その時にもまだ読み始めていないという情けない状況になってしまった。が、翌日の帰りの列車の中で読み始めたら、数日のうちに読み終えてしまった。が、読後感を書いているのは、それから2か月も経ってからという情けない状態である。
米二師匠は噺家だから話が巧いのは当たり前だが、文章も巧い。米二師匠のブログも面白い。
本書は、上方落語の中の定番とも言える噺十八席を米二師匠の実体験を交えて解説されたものだが、噺の背景なども解説されており、上方落語の入門書としても適しているのではないかと思う。
米二師匠ご本人の話によれば、本書は関西地方ではよく売れて品切れ続出だが、その他の地方ではほとんど売れていないそうである。ぼくは関西人ではないが、上方落語、とくに米朝一門には波長が合っているようで、本書を面白く読むことができた。
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コメント
うわ~(^^)
ほとんど、私の落語会でやってもらっているお噺です~
サイン入りなんて、羨ましいww
良い情報をありがとう
ブログも拝見したいです♪
投稿: ぺこん | 2010年10月10日 (日) 21時23分
ぺこんさん、こんにちは。
ぼくはこの中では、「質屋蔵」、「口入屋」、「崇徳院」なんかが好きです。ここには出てきていませんが、小佐田定雄さん作の新作落語も面白いものが多いと思っています。「茶漬えんま」や「貧乏神」なんかは、知らないうちは古典だと思っていました。8月に米二師匠で聴いた「火事場盗人」もええ噺でした。
それはそうと、上方落語は関西で聴くに限ります。客のノリが全然違いますから。
投稿: Ohrwurm | 2010年10月10日 (日) 22時33分