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2010年10月25日 (月)

今さら聞けない「生物多様性」保全のホントの話(岸由二)@日経ビジネスONLINE

 Tさんから教えていただいて、日経ビジネスONLINEのサイトの『今さら聞けない「生物多様性」保全のホントの話』を読んだ。慶応大学の岸由二先生へのインタビュー記事である。
 「生物多様性」の話の本質は本当に難しいと思う。何を守るべきか、ということが、考えれば考えるほどわからなくなるのだ。
 岸由二先生の著書『自然へのまなざし』については、このブログでも読後感を書いた。河川の流域という規模で環境を見ていくという手法はぼくにとっては新鮮であり、目から鱗が落ちた思いがした。
 日経ビジネスONLINEのサイトにあったは、その岸先生へのインタビュー記事であったわけだが、あらためて「生物多様性」を守るということがどういうことなのかを再確認させてくれたような気がした。
 「里山」や「ため池」を保全するということには、ぼく自身何となく違和感を感じていたし、それを保全することは幻想に過ぎないように感じられていた。「○○の保全」という題目で活動している研究者や実践家がいることは知っているし、それを否定する気持ちもないが、そういう人たちには「生物多様性を保全するとはどういうことか」という本質的な議論が欠けているようにも思っている。そういう人たちを比較すると、岸先生の立ち位置は、幻想と現実の間のバランスの良いところにあるように思える。『自然へのまなざし』や『環境を知るとはどういうことか』(養老孟司氏との共著)を読めば、岸由二先生が生物多様性保全の実践家であることもわかるし、「○○の保全」(○○には、「里山」とか「ため池」とか特定の種の生物の名前が入る)という活動をしている研究者や実践家とは一線を画した、一歩進んだ「生物多様性」の理解者であるように思える。

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コメント

生物多様性がなぜ大切なのか、本当のところ、私も最近わからなくなっています。

生物多様性を最重要視するならば、ヒトを減らせばいいだけの話で。

生物多様性を著しく減少させている張本人は置いておいて、どうしましょうって、いじめっ子のことには触れないで、どうやっていじめのエスカレートを防ぎましょうって議論しているようなもんです。

何のための多様性か、そこの議論をなおざりにしては、何もかもが無駄になるでしょうねえ。

投稿: 混沌 | 2010年10月28日 (木) 02時02分

混沌さん、こんにちは。
 ヒトを減らせば良い、というのは、もっともなことだと思います。少子化は、解決すべき問題ではなく、望ましいことのように思われます。また、ヒトの寿命が短くなるだけで解決する問題も数々あると思います。それなのに、ヒトの欲望は底が無く、もっともっと長生きしようという研究にカネが注ぎ込まれているというのも事実です。どのようにしたら幸福な人生を送ることができるか、ということをもっと考えても良い時期にきていると思います。

投稿: Ohrwurm | 2010年10月28日 (木) 07時16分

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