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2010年9月 4日 (土)

第33回農業環境シンポジウム「農業からみた生物多様性、生物多様性からみた農業」

 昨日に引き続き、農耕地生態系における生物多様性に関係したシンポジウムである。主催者は農業環境技術研究所。「生物多様性」という名前が冠されたプロジェクトに関わり始めてから2年を過ぎたが、未だに「生物多様性」という言葉の意味を掴みかねている。ということで、せっかく東京まで出ることになったので、このシンポジウムにも参加することにした。
 シンポジウムが午後からなので、午前中は時間が空いている。せっかくなので、上野の科博にでも行こうかと思っていた。朝食をさっと済ませて8時にはチェックアウトしようかと思ったのだが、食堂に行ったら昨日のシンポジウムに参加されていたK谷さんに声をかけられた。K谷さんのような偉い研究者とサシでお話をできる機会もそれほど多くないので、じっくりお話をさせていただくことになった。話し込んでいると、「9時になりましたので閉めさせていただきます」との食堂の人の声。結局チェックアウトしたのは10時前ぐらい。科博に行くには時間が短すぎるし、かと言って何をして良いのかもわからない。何ということもなく、明治神宮まで行ってみることにした。
 途中、わずかながらミンミンゼミの鳴き声が聞こえた。明治神宮に行ったのは、初めての可能性が高い。学校に上がる前の2年ばかりを東京で過ごしたことがあるので、その頃に行った可能性はあるのだが、少なくとも記憶には残っていない。
 明治神宮の中は何となく埃っぽい。このところ暑い日が続いて雨が降っていないせいもあると思う。木々の葉に土埃がついているのだ。明治神宮の森ではアブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシが鳴いていた。蝶ではアオスジアゲハ、クロアゲハ、ナガサキアゲハが目についた。ナガサキアゲハが分布を拡げているのは知っているとは言っても、実際に東京で目にすると複雑なものを感じる。
20100904blog1 明治神宮の森を北に抜けるとまもなく代々木駅だが、まだ時間に余裕がありすぎるので、方向を東に変えて千駄ヶ谷まで歩いた。もっと歩いても時間には余裕があったのだが、疲れたので電車に乗ることにした。千駄ヶ谷から飯田橋まで150円。時間に余裕がありすぎるので、反対方向の電車に乗った。乗車のルールに違反しない遠回りである。次の代々木に着いたら目の前に品川方面に行く山手線が来ていたので、それに乗る。ぐるっと大回りして東京駅で山手線を降り、構内で土産を調達する。これでやっと12時ぐらいになった。今度は京浜東北線で秋葉原に向かい、構内のラーメン屋で昼食。ゆっくり総武線のホームに向かい、来た電車に乗って飯田橋へ。会場のベルサール飯田橋はベルサール飯田橋ファーストより飯田橋駅に近かった。

第33回農業環境シンポジウム「農業からみた生物多様性、生物多様性からみた農業」
基調講演『田園有情』(あん・まくどなるど)
講演 農業活動による生態系とランドスケープの管理(山本勝利)
講演 農業における生物多様性の機能の活用(田中幸一)
講演 農業における新たな生物資源の利用とリスク管理(藤井義晴)
講演 生物多様性保全をより重視した農林水産施策の推進(木内岳志)
講演 農業における生物多様性の利用と保全の調和に向けた提言(西尾健)
総合討論

 基調講演をしたあん・まくどなるど氏はカナダ人である。宮城県松山町(現大崎市)に住み込んで、田圃つくりから酒づくりまでに関わったことが紹介されたが、全体的には何を言いたいのかよくわからない講演だった。おそらく日本にずっと暮らしている日本人が気が付かないようなことに色々と気が付いて、それを紹介したかったのだろうと解釈したいと思う。『田園有情』という表題は、同じ表題の本を出版しているので、それをそのまま使ったとのこと。この講演では何を言いたいのかよく分からなかったので、その本を読んでみないといけないかも知れない。
 最初の3題の講演は研究者による研究の紹介である。木内氏は行政の取り組みの紹介。西尾氏は将来に向けての提言。
 このシンポジウムを聴いていると、農業において生物多様性に配慮することは非常に重要なことだと理解できると思うが、それが行政に反映されるかどうかを考えると極めて障害が大きいようにも思える。ヨーロッパでは農耕地における生物多様性を保全するシステムが既にいろいろ存在しているが、行政施策として実行されるためには、政治家の理解があったはずである。木内氏の講演を聴いたかぎり、農業における生物多様性に関して、農水省の役人のレベルではそれなりに理解が得られていると思ったのだが、「政治主導」が叫ばれている昨今において、役人がいくら真面目に頑張っていても、政治家に理解されなければいつまで経っても制度はできないだろうと思う。日本の政治家を見ていても、農業に関してここまで考えていると思われる人は見つけるのが難しい。理解してもらえそうな政治家は、文部大臣在任中に全国植樹祭において「雑木林を伐採して植樹を行うのはおかしい」と発言した鳩山邦夫氏ぐらいではないかと思う。ヨーロッパでこのような施策が実施できるのは、文化の違いなのであろうか。
 時間が押し気味であったが、ほぼ予定通りの時刻に終了。疲れが溜まって早く帰りたかったので、サッと駅に向かい、東京駅18:00発の新大阪行きののぞみに乗った。名古屋で下車し、太閤通北口に近い「みかど」で味噌カツを食べた。この前食べたエスカの「双葉」より安かったが、味は「双葉」の方が良いと思った。20:30発の快速みえは4両編成で、余裕で着席できた。
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