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2010年6月27日 (日)

昆虫食の試み・カブトムシの蛹を食べる

 東南アジアには昆虫食の文化がある。タイ国のタガメやゲンゴロウやコオロギは有名で、ぼくもタイ国に出張したときに、現地の研究員に勧められ、コオロギの素揚げを食べたことがあるが、美味しかった。日本でも信州のハチの子やザザムシは有名だし、昔は全国でイナゴやカイコの蛹が食べられていた。
 ぼくはタイ国に行った2000年8月以来、昆虫を食べていないと思っていたのだが、タイ国のお土産にもらった竹虫を食べたのを思い出した。それでも、何か別の昆虫を食べてみたくて仕方がなかった。先日の仕事での調査のとき、カブトムシの蛹を見つけ、ピンときた。これを食べてみない手はない(成虫は硬くて食べ難そうだ)。そう思って、今日それを実行することにした。こういうことにつき合ってくれるのは、我が家では三男しかいない。まずは畑の持ち主に連絡してカブトムシを採集することに同意をとり、二人で採集に出かけた。
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 こんな感じで作業を進めた。先日は蛹がすぐに見つかるような状態だったが、数日経っただけで、今日は成虫の方がたくさん見つかった。それでも何とか蛹が見つかった。
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 これは羽化間近の成虫。もう硬くなっていて、食べごろは逸している感じ。
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 食べごろの蛹は雄が3頭、雌が2頭採集できた。蛹には独特の臭いがあった。なかなか言葉では表現し難いが、堆肥の臭いにも似ているかも知れない。
 全部食べきる自信はなかったので、料理するのは雌雄1頭ずつにした。こうすれば、雌雄の味の違いも比較できる。これが調理の対象に選ばれた個体。
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 料理の方法は素揚げ。今日の夕食は刺身と天ぷらだったので、天ぷらを揚げたあとの油をそのままカブトムシの蛹を揚げるのに使った。
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 揚げ始めてまもなく、蛹が破裂して、中身が飛び出してきた。蛹の中には気体も入っているだろうから、これは仕方がない。じっくり揚げて出来上がったのがこれ。
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 雄の角の部分は完全に空洞になってしまっていた。中身も縮まってしまった感じ。
 家族の中には食べてみようという勇気のある人はぼく以外にいなかった、と言うか、カブトムシの素揚げが食卓に乗っているというだけで嫌悪感を示す者もあったので、食卓ではなく、リビングで食べることになってしまった。
 カブトムシの蛹を食べてみようという好奇心は大きかったが、いざ食べる段階になると勇気が必要である。それでも、その勇気を何とか振り絞って食べてみた。
 臭いは生きているときとほとんど同じ。あまり食欲をそそる臭いではない。殻を破って中身を食べてみると、肉自体にはそれほど臭いは感じられなかった。胸部の筋肉は、小さなエビか何かの胸部を食べているのと同じような味だった。カブトムシの蛹というと食べる場所がたくさんありそうだと思われるのだが、実際に食べられる部分はそれほど多くない。腹部はそれなりに身が詰まっている。腹部は雄と雌で味の違いが出そうな部分だ。実際に食べてみると、腹部の味は明らかに雄と雌では違っていた。雄の身はかなりクセがあったが、雌の身はクセがなく違和感なく食べられた。やはり、精巣になる部分と卵巣になる部分では成分が異なるのだろうと思う。
 と言うことで、カブトムシの蛹を試食してみたわけだが、結論として、タイ国で食べたコオロギの方が遥かに美味しいと思われた。カブトムシも食べられないわけではないが、好き好んで食べるほどのものではないと思われる。
 話に聞くところによれば、セミは美味しいということだ。今回、カブトムシを食べて多少は自信がついたので、夏になったらセミも試してみたい。最大の問題は、家族との関係をどうするか、ということだ。

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コメント

カブトムシを食べるとはなかなかのチャレンジ精神、恐れ入ります。

私は昆虫食はイナゴやザザ虫以外に経験がないのですが、『「ゲテ食」大全』(北寺尾ゲンコツ堂著)という本が詳しくておすすめです。

ふざけたペンネームでウケ狙いなのかと思いきや、徹底した実証主義で、もはや科学実験とも呼べる冷静な筆致。それでも笑えますが。

ちなみにカブトムシの味の評価は幼虫・蛹は×、成虫は△。セミは◎だそうです。

家族関係は大事にしてくださいね。

投稿: 鳥居 | 2010年6月27日 (日) 22時00分

鳥居さん、コメントありがとうございます。
 実は、カラスがカブトムシの成虫を食べているのを見たことがあり、カブトムシは美味いのではないかと思いました。でも、幼虫・蛹は×、成虫は△なんですね。成虫は外骨格が硬いから選択肢から外していました。
 セミが◎なら、ヤル気が出てきました(笑)。

投稿: Ohrwurm | 2010年6月27日 (日) 22時06分

ラオス土産のセミの缶詰めを食べたことがあります。

http://zikade.tea-nifty.com/klingenlassen/2007/04/apr_13_2007_29d9.html

これはなかなかよかったと思います。

イナゴも熊本で時々食べましたが、エビの佃煮と変わりません。美味しいです。

*カブトムシの幼虫や蛹は食べる気はしません。棲んでいる場所がいけない。

投稿: Zikade | 2010年6月27日 (日) 22時20分

Zikadeさん、コメントありがとうございます。
 やはりセミは◎ですか!イナゴは佃煮もから煎りも食べた事があります。評価は○ぐらいでしょうか。
 カブトムシの幼虫が棲んでいる場所は確かにアレですが、今回採集した場所は、畜糞が入っていないと判断された場所なので、まあ良いか、と思いました。

投稿: Ohrwurm | 2010年6月27日 (日) 22時30分

虫屋さんおそるべしっ!
カミキリ幼虫を生食した人を知っていますが、カブトの蛹というのは(火を通していたとしても)一般民間人の想像をこえていました。
カブトムシって幼虫の方が成虫より重いみたいですが、幼虫のお腹の中には堆肥が詰まっているからでしょうか。蛹では堆肥はすでに消化or排出されているのであろうか?
次はぜひ糞虫幼虫でレポートを。

P.S.以前紹介されていた小学生のダンゴムシ日記に注目しています。昨日はハマベハサミムシも登場していましたね。子どもでも虫屋さんにはかないません。

投稿: 星谷 仁 | 2010年6月27日 (日) 23時36分

一流の虫屋の星谷さん、コメントありがとうございます。
 カミキリの幼虫は美味しいらしいですね。Ken爺さんから聞いたんでしたっけ?
 カブトムシの蛹を狙ったのは、消化管の中に何も入っていないと予想したからでもあります。さすがに幼虫を食べる勇気はありません。
 タイ国ではゾウの糞を食べるでかいフンコロガシを食べたりするそうですけど、さすがに糞虫は・・・

 「じゅじゅちゃんのダンゴムシ日記」は注目に値すると思います。女子小学生侮るなかれ。

投稿: Ohrwurm | 2010年6月27日 (日) 23時47分

イナゴの乾煎り(から煎り)は得意な私です。


カブトの蛹、わざわざ農家さんに許可を得てトライ、いやチャレンジするとは、すごいです。腹部の味の違いとか、Ohrwurmさんの好奇心おそるべし。

セミ成虫は、一度素揚げにして食べてみたいですね。カビラジエイ(沖縄出身のタレント川平滋英、たぶん米国人とのハーフだと思う、サッカー番組でもよく見かける)は子供の頃おやつに食べていたそうだ、とかつてのフォーラム仲間に聞きました。

ところで、テッポウムシ(カミキリの幼虫)は、ナマのままで美味しかった。これには驚きました。好奇心で味見したのですが、それにはきっかけがありました。林業の体験でスギの間伐をした時の事、伐倒後の切り株に1匹の太ったテッポウムシを発見。僕のチェーンソーの刃がわずかに触れたのか、それとも木の切り口の間近で圧迫されたのか、体液が少々出ていたのです。「このケガではもう生き永らえることはあるまい、しからば美味とウワサに聞いたその味、試させて頂こうか」最初はもちろんためらいもありました。すぐにペッと吐き出すつもりで体液をなめてみました。幸い、チェーンソーの刃についている潤滑油の味はしませんでした。そしてそのお味は、吐き出したくなるようなクセ、ニオイはなく、トロリとしてしかもコクがあるではありませんか!塩気はなかったと思います。「ムム、これならもう一口いける」「いやぁ、意外や意外、本当においしい」とうとうテッポウムシまるごと口に含み、中の体液を絞り出すべくクチュクチュと噛んじゃいました。……2008年10月の岩手県紫波郡の山中の出来事でした。

投稿: でんでんむし | 2010年6月28日 (月) 15時41分

でんでんむしさん、コメントありがとうございます。
 雄と雌を比較するのは、科学者の末席に身を置く者としては当然です。はい。
 ところで、カミキリムシの幼虫は美味い、というような話を聞けば、やはりカミキリムシの幼虫は試してみないとバチが当たりますね。
 さらにところで、沖縄では昔、よくクマゼミを採って食べていた、という話を聞きます。美味しかったそうです。戦中戦後の食べ物の無かった時期のことかと思いますが、川平慈英さん(この字が正しいですよね?)も、まだ貧しかった頃の話ではないかと思います。
 セミはやっぱり成虫を食べるのでしょうかねぇ?いままさに羽化しようと地上に現れた幼虫の方が美味しそうな気がしますけど・・・・・。これも試してみないといけないですね。

投稿: Ohrwurm | 2010年6月28日 (月) 20時57分

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