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2010年4月

2010年4月29日 (木)

『三重 男声合唱合同演奏会』@津リージョンプラザお城ホール

 「三重 男声合唱合同演奏会」という演奏会に妻と二人で行ってきた。
 合唱から離れて久しいが、どこかで歌ってみたいという欲求はある。今はとくに男声合唱をやってみたいという気分である。そんなわけで、合唱団の品定めというわけでもないが、行ってみることにした。
 出演したのは以下の4団体で、演奏順。最後に合同演奏があった。
 ・男声合唱団わをん
 ・潮合唱団
 ・アンサンブルGG
 ・男声合唱団がまの会

 どの合唱団も年齢層が高かった。もしぼくがその中に入れば完全に若手になることは間違いない。
 しかし、どの合唱団も楽しそうに歌っていた。まあ、技術的にはそれほど高いとは思えなかったが、それよりも「楽しく歌う」ということの方が大切だと思う。
 一番楽しそうだったのは「男声合唱団がまの会」による男声合唱組曲「おおさかグラフィティー」からの3曲。パフォーマンスがあるところはバーバーショップに通じるところもあると感じた。
 会場では思いがけず職場のKさんに会った。Kさんも昔合唱団で歌っていたとのこと。Kさんはぼくより若いが、ぼくやKさんの年齢層では、マジメに合唱団で歌うのは、仕事や家庭のことを考えると、なかなか障壁が高いので、実際に歌うのは難しそうだ。
 会場はほぼ満席だったが、コンサート慣れしていない人が多そうな感じだった。途中で携帯電話が何度も鳴って、演奏している人がかわいそうに思えた。携帯電話を使っている人は、もっと注意して欲しいですね。

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池田清彦著『38億年生物進化の旅』

池田清彦著『38億年生物進化の旅』
新潮社
ISBN978-4-10-423106-5
1,400円+税
2010年2月25日発行
222 pp.

目次
【附】地質年代略年表
第1章 無生物から生物がいかにして生まれたのか
第2章 シアノバクテリアの繁栄と真核生物の出現
第3章 多様化−単細胞から多細胞生物へ
第4章 カンブリア大爆発
第5章 動物や植物が陸に上がりはじめた時代
第6章 「魚に進化した魚」と「魚以外に進化した魚」
第7章 両生類から爬虫類へ
第8章 恐竜の進化と、鳥の進化
第9章 爬虫類と哺乳類のあいだ
第10章 ほんとうの哺乳類
第11章 様々な有蹄類たち
第12章 ヒトはどのようにしてヒトになったか
終章 進化とは何か
あとがき

 生物の進化の歴史の38億年を200ページで解説する、というキャッチフレーズの本である。
 生命が誕生したとされる38億年前から現在に至るまでの生物の進化について、これまでに明らかにされたことが淡々と語られている。が、随所に著者の主張するところの構造主義生物学的な解釈が織り込まれ、ネオダーウィニズムに対して批判が行われている。
 ぼくは、古生物学に関してはほとんど知識がないので、どこが間違っているとか、この解釈はおかしいとかいうことは指摘できない。しかし、遺伝子の突然変異が自然選択を受けることの積み重ねによって新しい種が誕生するというネオダーウィニズム的な解釈ではなく、遺伝子の使い方が変化してシステムがかわり、新しい機能がまず最初に生まれ、そのあとに環境に応じた適応放散で種が多様化した、という著者による構造主義生物学的解釈の方がより説得力があるように感じられる。また、生物進化は一貫として複雑化の方向(新しい構造や機能が付加する)に向かい、決して単純化することはない、というところも押さえておくべき点だと思われる。もちろん著者はネオダーウィニズムを全面的に否定しているわけではなく、小進化におけるネオダーウィニズム的な考え方は肯定されている。
 その他、著者の主張するところは、地球が温暖化したときには生物の大規模な絶滅が起こらず、寒冷化したときに大規模な絶滅が起こっている、ということだろうか。
 本書は読んでいてワクワクさせられるような本ではないが、生物進化を概観する、という点においては、淡々とした文章で書かれていることもあり、手頃な入門書ではないかと思う。

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2010年4月28日 (水)

2010年・クビキリギス初鳴き

 昨日からツクバへの出張だった。昨日の朝は雨が降っていてまだ気温が低かったが、今晩帰ってきたところ、雨は上がって暖かくなっていた。
 津駅で電車を降り、偕楽公園を通って自宅に向かっていたところ、午後8時半過ぎに偕楽公園の近くでクビキリギスの鳴き声が聞こえた。今年の初鳴きの確認である。最近は夜に出歩くようなことをしていなかったから、もっと前から鳴いていたかも知れない。
 以前は我が家の庭の裏でもクビキリギスが鳴いていたのだが、去年ぐらいから鳴き声を聞いていないような気がする。3年ぐらい前に我が家の裏の林が伐られてしまったせいかも知れない。

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2010年4月26日 (月)

2010年・ヒメウラナミジャノメ初見

 今日の朝方は曇っていたが、昼頃には雲が薄くなり、薄日が射すようになった。ほとんど風がないので暖かく感じられる。
 昼に職場の庭に行ったところ、ヒメウラナミジャノメがヒョコヒョコ飛んでいた。今年の初見である。
 ヒメウラナミジャノメの飛び方は、まさにヒョコヒョコと言った感じで特徴的なので、遠くから見てもわかる。
 午後になってから晴れてきたが、夕方にはまた曇ってきた。明日からはまた雨らしい。この前にも相当降ってまだ畑の土が相当水分を含んでおり、なかなかキャベツを植えられない。このままだと連休開けまで無理のような気がする。

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2010年4月24日 (土)

家族写真を撮ってもらった

 この春、次男と三男がそれぞれ高校と中学に進学したということもあり、妻の提案で家族写真を撮ってもらうことにした。行き先は近所の写真館。ちゃんとしたスーツを着たのは3年ぶり。どんな出来上がりか楽しみ。

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2010年4月22日 (木)

青木淳一著『ホソカタムシの誘惑』

青木淳一著『ホソカタムシの誘惑 日本産ホソカタムシ全種の図説』
東海大学出版会
ISBN978-4-486-01855-1
2,800円+税
2009年11月20日発行
195 pp.

目次
1章 ホソカタムシに関するQ&A
2章 ホソカタムシの魅力
  1.老生物学者、昆虫少年に戻る
  2.ホソカタムシの恰好よさ
  3.ホソカタムシの家族離散
  コラム1 甲虫の種類数
3章 ホソカタムシの研究法
  1.採集する
  2.標本を作る
  3.図を描く 
  コラム2 ガム・クロラール液の作り方
4章 採集日記から
  1.G.Lewisの足跡を辿って湯山へ
  2.徳之島のホソカタの木
  3.石垣島はホソカタムシの宝庫
  4.絶海の孤島、北大東島
  5.意外と昆虫相が豊かな種子島
  6.神奈川県金沢自然公園での収穫
  7.憧れの小笠原諸島へ
  コラム3 甲虫の分散
5章 ホソカタムシ採りの達人たち
  1.達人のコツと執念
  2.珍種発見は幸運と努力
  3. 新しい採集法の考案
  4.生息場所を見つける眼力
  5.誘惑されたもう一人の人
  コラム4 アマチュア研究者の貢献
6章 日本産ホソカタムシ種名リスト
  コラム5 記載と外国語
7章 日本産ホソカタムシ図説(分布図付き)
 A.ムキヒゲホソカタムシ科
  1.サビマダラオオホソカタムシ
  2.クロサワオオホソカタムシ
  3.オガサワラスジホソカタムシ
  4.ムネクボスジホソカタムシ
  5.フカミゾホソカタムシ
  6.セスジツツホソカタムシ
  7.ヒゴホソカタムシ
  8.イチハシホソカタムシ
  9.イノウエホソカタムシ
  10.タナカミスジホソカタムシ
  11.ミスジホソカタムシ
  12.アトキツツホソカタムシ
  13.クロツヤツツホソカタムシ
B.コブゴミムシダマシ科
  14.アバタツヤナガヒラタホソカタムシ
  15.ツヤナガヒラタホソカタムシ
  16.ルイスホソカタムシ
  17.ムネナガホソカタムシ
  18.ノコギリホソカタムシ
  19.ナガセスジホソカタムシ
  20.ヒメナガセスジホソカタムシ
  21.ユミセスジホソカタムシ
  22.ツヤケシヒメホソカタムシ
  23.ヒラタサシゲホソカタムシ
  24.サシゲホソカタムシ
  25. ノコムネホソカタムシ
  26.ヘコムネホソカタムシ
  27.ダルマチビホソカタムシ
  28.ヒサゴホソカタムシ
  29.マメヒラタホソカタムシ
  30.オニヒラタホソカタムシ
  31.コヒラタホソカタムシ
  32.ヤエヤマコヒラタホソカタムシ
  33.ヒラタホソカタムシ
  34.ミナミヒラタホソカタムシ
  35.トゲヒメヒタラホソカタムシ
  36.トカラトゲヒメヒラタホソカタムシ
  37.ニセサシゲホソカタムシ
  38.ナガヒラタホソカタムシ
  39.クロヒメヒラタホソカタムシ
  40.メダカヒメヒラタホソカタムシ
  41.クロモンヒメヒラタホソカタムシ
  42.ヨコモンヒメヒラタホソカタムシ
  43.ベニモンヒメヒラタホソカタムシ
  44.ハヤシヒメヒラタホソカタムシ
  45.ケブカヒメヒラタホソカタムシ
  46.ホソマダラホソカタムシ
  47.マダラホソカタムシ
  48.オキナワマダラホソカタムシ
文献
謝辞
あとがき
索引

 本書は雑誌か何かの宣伝を読んでその存在を知っていたが、ホソカタムシなどという姿形もよく知らない虫のことなので、とくに興味を惹かれることもなく、自分で本を買うつもりは全くなく、読むことのない本だろうと思っていた。ところが、津市津図書館で生物学関係の書棚を物色していたところ、本書が目に留ったので、迷わず借りてきて読んだ。
 著者の青木淳一氏はササラダニの分類学者であり、土壌動物学の教科書も書かれているので、名前だけは前々から知っていた。
 本書は非常にマニア好みの本だと思われるが、著者自身のあとがきにも書かれているように、ちょっと風変わりな本でもある。第1章は初心者向けのホソカタムシに関するQ&A、第2章は著者のホソカタムシに対する思いが込められたエッセイ、第3章はホソカタムシの研究法に関する教科書、第4章はホソカタムシの採集記、第5章はホソカタムシに関わる人(ぼくが三重県に転居してからおつきあいいただいている生川展行も「名採集人」として紹介されている)に関するエッセイ、第6章は日本産ホソカタムシのカタログ、第7章は日本産ホソカタムシに関する図説、というように入門書からエッセイ、さらには学術書としての役割までが盛り込まれている。やや誇張気味に書けば、この本を読めば日本産のホソカタムシに関することはほとんどわかる、と言えると思う。
 ぼくは(おそらく)ホソカタムシを採集したことはない。もし採集していたとしても、目に留ったことはない。しかし、この本にはホソカタムシの魅力がたくさん語られており、ついつい「ちょっと採集してみようか」などという気にさせられてしまう。もっとも、本書に書かれているように、ホソカタムシを採集するのは、かなりのコツが必要なようなので、そう簡単なことではないと思うが。そのように、何の興味も無かった人(ぼくは虫好きな人間なので、何の興味も無い、などと書くと語弊がありそうだが、虫はとにかく種類が多いので、ホソカタムシについては何も知らなかった)をその気にさせるという点で、著者の語り口の巧さがあるのだと思う。
 それにしても、このような構成の虫の本はこれまでにあまりなく、虫の世界に人を引き込むために有効な構成なのかも知れない。ぼくももしかして将来、『ホシカメムシの誘惑』とか『ハサミムシの誘惑』とかいう本を書くことになったとしたら、本書の書き方は大変に参考になる。そういう意味で、本書は図書館から借りてきて読む本ではなく、手元に置いておきたい本だと思う。
 第7章の図説には採集データがたくさん記されているが、その中に「高橋敬一採集」というものがたくさんあった。高橋敬一氏は『熱汗山脈』(随想舎)や『八重山列島昆虫記』(随想舎)や『昆虫にとってコンビニとは何か?』『「自然との共生」というウソ』の著者である。高橋氏の採集品の中には、ぼくと同じ職場に勤務していたときの石垣島での採集品がたくさんあった。あの頃は、「朽ち木から小さな虫を採っているみたいけど、何なんだろうなぁ?」などという程度に思っていたのだが、その一部がホソカタムシであったことが、本書を読んで判明した。高橋氏の採集品の採集地には、高橋氏の自宅のある地名もあったので、おそらく高橋氏の自宅の横にある雑木林で採集されたものだろうな、と想像している。
 それはともかく、昆虫に興味のある人は読むべし、だと思う。ところで、本書は津図書館の司書が選んだ本とは思われないので、誰かのリクエストによるものだと思う。誰がリクエストしたのか、ちょっと気になる。

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2010年4月21日 (水)

雨も上がり、晴れ上がり、気温も上がり・・・

 昨日までの雨も上がり、晴れ上がり、空気が澄んで山が近く見える。今日は恒例の野外調査。北寄りの風がやや強かったが、気温も上がり、まあまあの調査日和。
 今日はいつも一緒に調査に同行しているIさんが不在なので、いつもIさんがやっている仕事も一人でこなさなければいけなかったので、ちょっと忙しかった。
 風は強かったものの、気温が高く、汗ばむぐらいだった。
 明日はまた雨になり、気温が下がるらしい。気温が下がるのは憂鬱だ。

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2010年4月19日 (月)

2010年・今年も田植えが始まった

 昨日、自転車でちょっと出かけたときに気が付いていたのだが、もう田植えの終わった田圃があった。通勤経路のかなりの部分は田圃の中の道なのだが、今朝出勤するときには、大雑把に見て3割ほどの田圃の田植えが終わっていた。金曜日に帰宅するときには気付かなかったので、この週末のうちに田植えを終えたのだろうと思う。通勤するときには苗を積んだ田植機が道端にあったので、今日もかなり田植えが進んだはずだ。
 今日は夕方になって雲が厚くなったが、ぼんやりとした薄曇りで風もなく、いかにも春らしい天気だった。昨日は天気は良かったものの、風がやや強かったので、それほど暖かさは感じなかった。だから今日は久しぶりに春らしい空気に触れた気がした。
 天気予報によれば、天気は下り坂とのこと。春は天気が変わり易い。

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2010年4月18日 (日)

「のだめカンタービレ最終楽章 後編」を見てきた

 昨年の12月20日に「のだめカンタービレ最終楽章 前編」を見たが、昨日封切られた「後編」を今日見てきた。映画館に行ったのは、今年になってからは、これが初めてである。
 かなりドタバタのところもあるが、笑いあり、涙ありで、楽しめたし、音楽がいっぱいで、何より安心して見られる映画だと思う。
 これでとりあえず、全編完結というところで、満足いたしました。

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池田清彦著『分類という思想』

池田清彦著『分類という思想』
新潮選書
ISBN4-10-600429-1
980円
1992年11月15日発行
228 pp.

目次
はじめに
第一章 名づけることと分類
1 なまえとフェティシズム
2 コトバは思考をしばる
  動物と植物/生物と無生物/男と女/資本主義と社会主義
3 コトバは何を指すのか?
 固有名/一般名
第二章 何をどう分類するのか
1 客観的な分類方法はあるのか
2 生物分類の歴史
 分類学の祖アリストテレス/神の秩序を表そうとしたリンネ/リンネを裏切った分類学者たち/ラマルクの進化分類学とキュヴィエの構造主義分類学/現代の生物学者の分類手続き
3 みにくいアヒルの子の定理
第三章 進化論が分類学に与えた衝撃
1 現代分類学の三つの学派
 客観的な分類を追求した表形学派/進化論が産んだ進化分類学派と分岐分類学派
2 進化のプロセスにもとづく系統分類
 系統分類を支える二つの基準−分岐と交叉/系統分類では説明できない類似という現象
3 リンネの呪縛から逃れられない系統分類
 分岐図というニセの系統樹/進化分類学派の折衷案/系統はどうやって推定するのか/分岐分類学派の破綻
第四章 新しい分類学を求めて
1 DNAから見た系統学
2 構造主義分類学の提唱
 原型と科学的実在性/分類群の階層性
第五章 まとめ
あとがき
参考文献

 1992年の出版だから、もうずいぶん古い本である。書かれていることが難しいので、読むのに難儀したし、十分に理解できたとは思えない。
 著者の池田氏は構造主義生物学を看板にしている人だから、本書に書かれていることは、構造主義分類学が他の分類学、例えば数量分類学(表形学派)、進化分類学(総合分類学)、分岐分類学などより優れていることが主張されており、他の分類学の問題点が細かく指摘されている。
 それはともかく、「分類する」ということは、人間が認識でき、コトバとして表すことができてこそ可能なことであるということだから(本書にはそういうことが何度も繰り返して書かれている)、人間が認識できないようなことは、頭の中で想像し理屈で考える以外に方法はない。
 分岐分類学の場合、例えば三中信宏さんなんかがそうだが、「種は存在しない」ということを繰り返して主張している。ましてや高次分類群をや、である。
 でも、自然物を見ているぼくとしては、例えばアゲハチョウの仲間はアゲハチョウの仲間として認識できるし、タマムシの仲間はタマムシの仲間として認識できるから、属とか科とかいう高次分類群が自然分類群として定義できるに違いないと思える。
 本書を読んだ限り(ただし、十分に理解したとは思えないが)、分岐分類学などより、構造主義分類学の方が、ぼくにとっては説得力があるように思える。生物の進化の歴史というのはあるだろうし、ある種から別の種が分岐したのは確かだろうが、だからと言って、DNAの塩基配列に基づいて推定された系統樹が、真の生物の進化の歴史を反映したとも言い切れないとも思うし(真の歴史を反映した場合が多いとは思うが)、そのように推定された系統樹は、分類するということとは話が別だと思うのは、池田氏の主張と同じである。
 それにしても、分類学というは一見古くさそうに思えるが、突っ込みどころが満載の領域だと思わずにはいられない。
 しかし、この手の本は読むのに骨が折れる。ふぅ。

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2010年4月16日 (金)

文章が盗用された

 確か「ベニホシカメムシ」で検索をかけたときだったと思う。どんなサイトがあるかと覗いていったら、知らないサイトに見覚えのある文章が載っていた。見覚えがあるのは当然で、それは自分が書いた文章だからだ。オリジナルのサイトはこちら
 盗用していたサイトはこちらだが、ブログにコメントをつけて抗議をしたため既に削除されている。しかし、その残骸はこちらに残っている。
 しかし、梨のつぶてである。ちゃんと連絡先のメールアドレスを知らせたのに、何も連絡をよこさない。
 このサイトの持ち主はこのようなサイトを持っているのだが、本名も連絡先もわからない。クリエーターとして写真を売っているようなのだが、そのような著作権を尊重しなければいけないような者が、他人の文章と盗用するとは情けないことだと思う。
 実は、ぼくの同じサイトの文章を盗用している人はもう一人あったのだが、そちらの人はちゃんと謝罪のメールを送ってきた。その人は、特に写真を売ろうなどとは思っていないような人だった。
 それにしてもこの人物には腹が立つ。



【追記】文章を盗用した人物のサイトは我が家からのアクセスをブロックされてしまったので、我が家からは連絡がとれなくなってしまった。他のネットからは見られるので、個別にアクセスを規制しているようだ。このサイトには「このHPの写真及び素材・壁紙の著作権は全て撮影者に帰属します。無許可によるご使用をご遠慮致します。Copyright © 2006-2010 yychs., Ltd. All Rights Reserved. 」と記されているが、あきれて物が言えない。ご本人は人の文章は盗んでいるのだから。この人物の写真を販売しているサイトはこちらここからは絶対に買わないようにしましょう。
まだ確証は持てないが、盗用人物は****osakakita.osaka.ocn.ne.jpのアクセスポイントを使っている可能性が高い。

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2010年4月14日 (水)

寒い北西風の中の調査・・・本当の春はいつ来るのか?

 今日は恒例の週1回の調査。晴れたり曇ったりのはっきりしない天気で、北西の風が強くて寒かった。かろうじてモンシロチョウは飛んでいたが、風にあおられて、すぐに地面に止まる。
 もう4月も半ばだというのに、なかなか本格的に暖かくならない。地球温暖化については地球全体を見渡さなければ本当のことはわからないだろうが、いつまで経っても暖かくならないようでは、地球温暖化が実際に起こっているとは思えなくなる。
 寒い風に当てられたせいか、体調も思わしくない。

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2010年4月10日 (土)

長男の初ドライブ

 長男はこの春休みに合宿で運転免許を取ったのだが、まだ運転していない。部活などに忙しい長男だが、今日は部活も休みである。そこで、今日はドライブに行くことになった。
 行き先は伊賀上野。津関線を通って関からは名阪国道である。どうなることかと思ったが、何事も無く上野公園に到着。お城の周りを散策し、そのあと商店街をぶらつく。伊賀鉄道の上野市駅前の食堂で昼食。
 そのあと、長男の同級生の家がある佐那具へ。その同級生の家は豆腐屋さんだ。その豆腐を買いに行く。狭い道沿いだったが、何事もなく無事に到着。ちょっと家に上がり込んでお話。
 豆腐は買う予定だったのだが、お土産にいただいてしまった。美味しかったですよ、常岡食品の豆腐。感謝いたします。

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2010年4月 8日 (木)

吹春俊光著『きのこの下には死体が眠る!?』

吹春俊光著『きのこの下には死体が眠る!? 菌糸が織りなす不思議な世界』
技術評論社
知りたい!サイエンスシリーズ
ISBN978-4-7741-3873-2
1,659円(本体1,580円)
2009年5月27日発行
232 pp.

目 次
はじめに
第1章 きのこの下に眠るもの
 ニュ−ジーランドの森に死体を置く;死体跡に生えるきのこ?アンモニア菌発見史1;死体跡に生えるきのこ?アンモニア菌発見史2;トイレを掃除するきのこ
 コラム ナガエノスギタケ発掘記
第2章  きのことは何か?
 きのこは何の仲間?;きのこの体のつくり;きのこの分類ときのこの形;きのこの暮らしと生える場所 腐性と菌根共生;きのこの寿命;きのこの登場
 コラム きのこではない変形菌類
第3章 きのこの毒
 きのこの毒の不思議;毒きのこ、いろいろ;スギヒラタケによる中毒;麻薬成分を含む怪しいきのこ;毒きのこの迷信はどこまで本当か?
 コラム きのこ嫌いときのこ好き民族
第4章 きのこの繁殖戦略
 胞子を飛ばす工夫;胞子を広げる工夫;きのこの生活環
 コラム フェアリーリング
第5章 きのこがすくる森
 菌根という暮らし方;里山の成立とマツタケの発生;ヒラマヤとつながる日本の森;居候植物のひみつ
 コラム 八百屋さんに並ぶマツタケの分布
第6章 きのこと環境
 きのこの分布問題1;きのこの分布問題2;きのこの受難−外来種問題;地球温暖化ときのこ
 コラム イモタケの分布
第7章 きのこを研究する
 顕微鏡で胞子を見る;新種記載への道1;新種記載への道2;腹菌類はどこへ行った?;きのこの生態を研究する;アマチュアの活躍
おわりに
本書に登場するおもなきのこ(真菌門)
参考文献

 著者の吹春(ふきはる)俊光氏は、千葉県立中央博物館のきのこ担当の学芸員である。と同時に、ぼくの大学時代の同級生でもある。
 書名の『きのこの下には死体が眠る!? 』とは、何やら物騒な名前である。ところが、本書の全体を通して読んでみると、この表題が本書の主題ではなく、本書がきのこ全般に関する最新の解説書のようなものであることがわかる。『きのこの下には死体が眠る!? 』という表題は、第1章に書かれていることを代表しているが、本が売れるように編集者か誰かが付けたものであろう。それはともかく、第1章にはナガエノスギタケなどが登場するが、それらは尿素やアンモニアが豊富な動物の遺体や生活跡から生えてくるキノコであり、吹春氏のきのこ研究の原点となっている。やはり、本を書くにあたり、吹春氏は、まずそのことを書いておきたかったのだろうと想像する。
 吹春氏の師匠は、京都大学の教養部で教鞭を執っておられた相良直彦名誉教授である。吹春氏はぼくと一緒に農学部の大学院(農学研究科農林生物学専攻)に在籍していたが、教養部に在籍していた相良先生の指導を受けていた。きのこの研究者は農学部にはいなかったのである。相良先生は、本書の中にも記述されているとおり、ナガエノスギタケとモグラの関係を初めて明らかにし、アンモニア菌というきのこの種群を提唱した人である。ぼくもそれを面白いと思い、学生時代に京都大学の芦生演習林でのナガエノスギタケの発掘調査に同行させていただいたことがある。そのとき同行したのは吹春氏ではなく、もう一人の弟子の鈴木雄一氏だったと記憶している。たしか、発掘調査のあとで、鈴木氏と一緒に相良先生のお宅にお邪魔したように記憶している。鈴木氏は、若くして病気で亡くなってしまったが、菌類を使って家畜が利用できない木材を家畜が餌として利用できるようにしようという研究をしていた。ぼくは鈴木氏とも親しくしていたので、これからというときに亡くなられてしまって、大変残念だった。話が本の内容からちょっと反れてしまったので、もとに戻す。
 本書を読んでまず驚いたことは、ぼくが知らないうちにきのこの分類体系が大きく変わってしまっていたことである。ショウロなどのように、柄と傘がなく嚢状の構造物の内部に胞子を形成する菌類は、かつては腹菌類として一つにまとめられていた。ところが現在では、分子系統の解析によって、腹菌類が単系統群ではなく、いくつもの系統の分類群にそれぞれ独立して嚢状の構造物の内部に胞子を形成する形態が進化したものであることが明らかになったそうである。このような話を聞かされると、やはり分子系統に関する知識や技術があった方が良いように思える。
 きのこと言えば、多くの人は「毒か食べられるか」という点に興味があるのではないかと思う。ぼくも例外ではない。きのこでは、近縁な種の間でも食べられる種と猛毒のある種があり(たとえば、タマゴタケとシロタマゴテングタケなどのように)、その進化の過程は興味深いものがあると思う。学生時代にタマシロオニタケという真っ白なきのこを見つけたことがあったが、その当時は食毒不明であった。現時点では、タマシロオニタケは猛毒を持つことが明らかになっているそうである。どうやって猛毒を持つことが明らかにできたのか、という点は何も説明されていないが、誰かの犠牲の上で明らかになったのかも知れない。また、学生時代にはコガネタケという派手な色のきのこを採って、それを食べるかどうか悩んだことがあったが、その当時の本にも「食べられる」と書かれていたので、結局それを食べた。残念ながら、どんな味だったかは憶えていない。
 もう一つ印象に残った点は、アマチュアによる研究のことである。以前このブログで、きのこ研究の世界ではアマチュアとプロの協力がうまくいっている、という新聞記事があったことを書いたことがあるが、やはり現在でもそのとおりのようである。
 全体を通して読んだところでは、きのこにはまだ明らかになっていないことがたくさんあることがわかる。分類ひとつについても、まだ未記載種が山ほどあるようである。昆虫などと較べると、標本をつくるのも面倒そうだし、形態もそれほど複雑ではないので、やはり難しそうに思える。だが、だからこそ、アマチュアの研究家がきのこ学に貢献できる余地は大きいのではないかと思う。
 本書は現時点のきのこについての知見を概観でき、様々なトピックも盛り込んで読み易い本だと思う。きのこのことを知るには、本書はお勧めだと思う。

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2010年4月 7日 (水)

今日は一転寒くなった・・・蝶も飛ばない

 昨日は暖かかったが、今日は一転寒くなった。午前中はどんよりと曇り、西風が強く、冬に逆戻りした感じだ。今日は週に1回の調査の日だったが、菜の花の咲く畑にもモンシロチョウの姿は見られなかった。
 これほど寒暖の差が激しいと、体調を管理するのも大変だ。

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2010年4月 6日 (火)

モンシロチョウがたくさん飛ぶ暖かい朝

 今朝は朝から穏やかな暖かい日になった。通勤の途中、田圃の中の道を通るのだが、朝早くからあちこちでモンシロチョウが飛んでいた。ある程度の温度が無ければチョウも飛べないので、朝早くから気温が上がっていたということなのだと思う。暖かくなることは嬉しいが、ついこの前まで寒かったので、調子が狂いそうだ。

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2010年4月 2日 (金)

大崎直太著『擬態の進化』

大崎直太著『擬態の進化 ダーウィンも誤解した150年の謎を解く』
海游舍
ISBN978-4-905930-25-9
3,000円+税
2009年4月22日発行
288 pp.

目 次
序章 ベイツ型擬態の波紋
 ベイツ型擬態とアマゾン;ベイツ型擬態とは;ベイツ型擬態と『種の起源』;『種の起源』への反論;ベイツ型擬態が『種の起源』に与えたもの;ベイツ型擬態の2つの謎と性淘汰;ベイツ型擬態とミューラー型擬態:頻度依存淘汰;ベイツ型擬態のモデルの警告色と血縁淘汰;ベイツ型擬態における性淘汰仮説のその後;擬態研究の現在 (Box 0-1 ヘリコニウス科の分類学的位置)
1章 ベイツの時代と進化論
 ダーウィン以前の進化論;ダーウィンの出現;ベイツ南米に行く;ウォレスのサラワク論文;ウォレスのテルナテ論文;『種の起源』の出版;オックスフォード大学自然史博物館での大討論;ベイツ型擬態の発表;メスしか擬態しないベイツ型擬態種;Xクラブとネイチャー;進化と適者生存
2章  ベイツ南米の旅
 ベイツとウォレスの出会い;職工学校;ベイツ・ウォレス記念碑;アマゾン学術探検の夢;アマゾンの旅とヘリコニウス科のチョウ;アマゾンでの暮らし;2人の帰国;帰国後の2人
3章 なぜメスだけが擬態するのか
 メスだけが擬態するチョウと性淘汰;性淘汰とは;ベルトの主張;メスのチョウも複数回交尾する;性淘汰の仮説と検証;異性間性淘汰のメカニズム;ランナウェイ学説;ハンディキャップ学説;その他の性淘汰;オスによる同性内性淘汰仮説;擬態するのはメスだけではない
4章 なぜ一部のメスだけが擬態するのか
 頻度依存淘汰;ミューラーのブラジル移住;ミューラー型擬態と正の頻度依存淘汰仮説(Box 4-1 ミューラーの正の頻度依存淘汰モデル);ベイツ型擬態と負の頻度依存淘汰仮説;負の頻度依存淘汰仮説の野外検証;ベイツ型擬態種は寄生者か (Box 4-2 擬態種がモデルに与える効果実験);負の頻度依存淘汰:タカとハト (Box 4-3 タカ−ハトゲーム);タカとハトとブルジョア (Box 4-4 タカ−ハト−ブルジョアゲーム)
5章 警告色の進化
 派手な目立つ色の意味;利己的と利他的;血縁度と適応度;血縁淘汰と包括適応度;緑ひげ効果;個体淘汰と群淘汰;隠蔽色と警告色の効果
6章 ベイツ型擬態の謎
 ベイツ型擬態との出会い;オスはメスの犠牲者か;ビーク・マーク;ビーク・マークの示すこと;なぜメスだけが擬態するのか:擬態のコストとベネフィット;なぜ一部のメスだけが擬態するのか:擬態のコストとベネフィット;論文投稿後にわかったこと;ビーク・マークの5つの疑問;擬態率の決定メカニズム (Box 6-1 ビーク・マーク率比モデル)
7章 性淘汰仮説に対する疑問
 異性間性淘汰仮説の否定;シロオビアゲハの交尾実験;伊丹市昆虫館;オスがメスを選ぶ;同性内性淘汰仮説;レビューアー;それでも地球は回っている;擬態のコストは何か;翅の模様の意味;擬態型メスは交尾の際に不利を被ってはいない
8章 擬態のコスト
 擬態型は生理的寿命が短い;赤い斑紋が多いメスはなぜ寿命が短いか;擬態のコストと擬態率 (Box 8-1 ハーディー−ワインベルグ法則);野外での寿命;シロオビアゲハの擬態型;性的二型再考;ベイツ型擬態は両性が擬態する
9章 メスだけが擬態する種と両性も擬態する種
 カカメガの森;イシペ(国際昆虫生理生態学センター);チョウの同定;森での生活;森での調査;大きな種ほど敏捷に高い空間を飛ぶ;大きな種のメスほど鳥に襲われる;オスに偏った捕獲性比を説明する3つの仮説;なぜある種はメスだけが擬態して,別の種は両性が擬態するのか;メスだけが擬態する種と両性が擬態する種の違い;生物の体の大きさ
10章 メスの捕食圧が高い理由
 鳥にとっての餌の価値;餌選択モデルの検証 (Box 10-1 餌選択モデル);擬態と餌選択モデル;認知モデルの検証 (Box 10-2 認知モデル);探索像;擬態と探索像
11章 チョウは寝込みを襲われる
 チョウの体温調節機構;体温調節機構との出会い;野外調査の成果は調査地に依存する;ボルネオ,ビンコールの森;森の生活;熱環境の計測;論文の行方;白いチョウの体温は高く黒いチョウの体温は低い;チョウの体温調節機構と捕食圧;チャレンジャー教授の叫び
12章 ベイツ型擬態の謎の帰結
 モデルなき擬態はありえない;擬態はどのようにして進化したか;擬態を見破る捕食者の進化はないのか;なぜ多くの種が擬態しないのか;ツマグロヒョウモンはベイツ型擬態種か;帰無仮説;代替仮説;擬似相関
13章 仮説の提言と検証
 至近要因と究極要因;代替仮説再考;擬似相関再録;良い研究とは;仮説の提言と検証;発想;序論の構造;そんなはずはない;ベイツ型擬態研究の帰結
あとがき
参考文献
索引

 著者の大崎直太氏は、ぼくの大学時代の恩師の一人で、ぼくが3回生のときの学生実習で初めてお会いした。その当時は研究室の助手で、着任されて間もない頃だった。その後、ぼくが就職するまで、また就職してからも論文の指導など、色々なことでお世話になった。その当時は、モンシロチョウ属を材料として寄主植物の利用様式を中心とした比較生態の研究をされており、その後、このような擬態に関する本を書かれるような研究をされるとは思っていなかった。
 ベイツ型擬態とは、毒がある、あるいは味が悪いモデルに形態的に似ることによって、鳥などの捕食者からの捕食を免れるという現象である。本書には、英国人ベイツが南米アマゾンでこの現象を発見してから、その進化の機構について、歴史的にどのように考えられてきたかが解説されており、さらに著者の新しい考え方に至るまでの著者による実証の過程が解説されている。
 蝶に見られるベイツ型の擬態は、多くの場合雌にだけ、しかも全部の雌ではなく一部の雌にだけ発現する場合がほとんどである。著者はその理由として、擬態することに関してコストがかかること(例えば、擬態しない場合より寿命が短い、ということなど)、捕食圧は雄より雌で高いことを明らかにして説明した。
 前半の歴史的な部分は読み物として面白いし、後半の著者自身の研究に関わる部分は、著者がどのような場面でどのように考えたかが書かれていて、研究するとはどういうことか、ということを考える上でも大変参考になる。
 ところで、本書に書かれていることには、ぼくには若干の疑問がある。ぼくは1991年の夏の3か月を沖縄本島南部で過ごした。休みの日には、知念半島の斎場御嶽の近くなどで昆虫採集を楽しんだ。斎場御嶽の近くの久手堅の集落では雌の斑紋に変異があるシロオビアゲハが多かった。雌は雄と同様の斑紋をもつものもいたが、いわゆる擬態型とされている赤い斑紋をもつものの方が多かった。しかも、その擬態型の斑紋の変異の幅は極めて大きく、白い斑紋のあるものから赤い斑紋の発達したものまで色々いた。その当時、シロオビアゲハのモデルとされている味の悪いベニモンアゲハは沖縄本島には分布していなかった。本書に書かれているように、擬態することにコストがかかり、雌の方が捕食圧が高いのであれば、これほど高い割合で擬態型の雌がみられるのは理屈に合わないことになる。だから、理屈が間違っているのか、それとも何らかの別の理由で擬態型の頻度が高く保たれていたと考えざるをえない。残念ながら、体系的なデータの取り方をしていなかったので、正面から大崎説に反論できない。
 とは言え、本書は読んでいてワクワクさせられるので、お勧めできる本だと思う。

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2010年4月 1日 (木)

サルカケミカンのキジラミ

 石垣島で仕事をしていたときのことである。柑橘類の重要な病害であるカンキツグリーニング病を媒介する昆虫であるミカンキジラミを調べていたとき、ミカンキジラミの好む寄主植物であるゲッキツや柑橘類だけでなく、いろいろなミカン科の植物にもミカンキジラミがいるかどうかを調べた。その過程で、野生のミカン科の植物であるサルカケミカンToddalia asiatica (L.) Lam.から、未知のキジラミの一種を発見した。2001年2月13日のことである。キジラミの分類の専門家である井上広光博士に同定を依頼していたのだが、この前の学会で井上さんにお会いしたとき、このキジラミが日本初記録で台湾から記載されたCacopsylla toddaliae (Yang, 1984)である、という報告をした論文の別刷をいただいた。
 この論文によれば、井上さんは、ぼくが提供した以外の標本をお持ちでないようで、まだあまり採集されていないことが窺われた。
 サルカケミカンは雑草のように生えている灌木で、ちょっとした荒れ地にはよく見つかった。とくに石灰岩質の土地に多いように思われた。そして、このキジラミもあちこちのサルカケミカンから見つかった。
 ぼく以前にも、ぼく以降にも採集記録がないということは、ようするにサルカケミカンにはあまり目が向けられていないということなのではないかと思う。もっとも、奇麗な虫でも、大きな虫でもないので、無視されているだけなのかも知れないが。
 このような目で見れば、南西諸島では、日本から未知の昆虫を見つけることは、かなり容易なのではないかと思われる。しかし、ミカンキジラミの仕事に関わっていなければ、ぼくがこのキジラミを発見したとは思えない。要は、どのように虫や植物を見るか、という点が重要だと思う。
20100401blog1
(↑)成虫(2001年2月13日)
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(↑)5齢幼虫(2001年2月13日)
20100401blog3
(↑)1〜4齢幼虫(2001年2月13日)

・文献
Inoue, H. (2010) The generic affiliation of Japanese species of the subfamily Psyllinae (Hemiptera: Psyllidae) with a revised cheaklist. Journal of Natural History 44: 333-360.

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真社会性のハサミムシの発見

 英国の権威ある科学雑誌“Science and Nature”の最新号によれば、ついに真社会性のハサミムシが発見されたとのことである。
 ハサミムシは雌が卵を卵塊として産み、卵が孵化するまで卵の世話をすることはよく知られている。これまでに産卵習性が知られているハサミムシには全てこの卵保護習性が知られている。しかしながら、これ以上の高度な社会性を持つものは全く知られていなかった。せいぜい、コブハサミムシの雌が生まれてきた仔虫の餌となることが、より高度な社会性だと言えるに過ぎない。今回の発見は、これまでの常識を覆すものであり、驚くべき発見である。
 熱帯アフリカに棲息するForficuloides afrikanusはこれまで雄しか知られていなかったが、その理由は明らかではなかった。今回の発表によれば、Forficuloides afrikanusは熱帯雨林の地中に巣をつくり、1頭の繁殖雌(女王と言っても良いだろう)と1頭の繁殖雄(王と言って良いだろう)を中心とする社会をつくっており、その他の雌は巣の中で卵や幼虫の世話をし、その他の雄は巣から外に出て餌を狩ってくるとのことである。この種は個体数自体が少ないので、これまでは外役に出ている雄が稀に発見されるだけだったようだ。
 これによって、真社会性昆虫として、革翅目(ハサミムシ目)が新たに付け加わった。

(追記)4月1日のお遊びでした。騙された方にはお詫び申し上げます。でも、楽しんでいただけたのではないかと思います。(追記以上)。

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