養老孟司・岸由二著『環境を知るとはどういうことか』
養老孟司・岸由二著『環境を知るとはどういうことか 流域思考のすすめ』
PHPサイエンス・ワールド新書 003
ISBN978-4-569-77305-6
800円+税
2009年10月2日発行
212 pp.
目次
まえがき 養老孟司
第1章 五月の小網代を歩く 完璧な流域を訪れて
第2章 小網代はこうして守られた
第3章 流域から考える
第4章 日本人の流域思考
第5章 流域思考が世界を救う
第6章 自然とは「解」である
エピローグ 川と私 養老孟司
あとがき 岸由二
岸由二氏については、氏の著書『自然へのまなざし ナチュラリストたちの大地』で認識を新たにさせられた。本書は、その岸氏と養老孟司氏(一部は竹村公太郎氏を含む)との対談である。
岸氏の「流域思考」については『自然へのまなざし ナチュラリストたちの大地』を読んだことにより、既にその概略を知っていたが、本書では養老氏との対談という形で、「流域思考」による環境保全の実践や、それにまつわる苦労や、それを解決したことについて説明されている。対談という形ではあるが、主に語っているのは岸氏であり、養老氏はもっぱら聞き役である。
本書では表題のとおり、環境を知るとはどういうことか、ということが、表面的ではなく、実践を通して得られた体験をもとに、足が地に着いた話として語られていると思う。「流域思考」という考え方は、この本で初めて知った、というようにな人にはとっつきにくいかも知れない。そういう人は、是非とも『自然へのまなざし ナチュラリストたちの大地』を読むことをお勧めする。
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