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2010年2月 4日 (木)

吉村仁著『強い者は生き残れない』

吉村仁著『強い者は生き残れない 環境から考える新しい進化論』
新潮選書
ISBN978-4-10-603652-1
1,200円+税
2009年11月20日発行
251 pp.

目次
まえがき
第一部 従来の進化理論
 第一章 ダーウィンの自然選択理論
 第二章 利他行動とゲーム理論
 第三章 血縁選択と包括適応度
 第四章 履歴効果
 第五章 遺伝子の進化と表現型の進化
第二部 環境は変動し続ける
 第六章 予測と対応
 第七章 リスクに対する戦略
 第八章 「出会い」の保証
 第九章 「強い者」は生き残れない
第三部 新しい進化理論−環境変動説
 第十章 環境からいかに独立するか
 第十一章 環境改変
 第十二章 共生の進化史
 第十三章 協力の進化
 第十四章 「共生する者」が進化する
あとがき
参考文献

 ダーウィンの進化論の中心の一つである自然選択は、その環境に最も適したものがもっとも多くの子孫を残し、それがもつ形質が次世代以降に集団中に広がって行く、というものである。しかしながら、これには環境の変動という要素は考慮されていない。
 著者である吉村仁氏は、環境は変動するものである、ということを前提とすることにより、環境が変動しないものと仮定した上に成り立つ単純な自然選択からは得られない結果を予測している。結論としては、最も強い者ではなく、他者と協力できるものが最終的に生き残る、というものである。
 本書は、そのことを一般向けに説明しようと試みたものであると思われた。一般向きであるがためか、数式は最小限にとどめられており、生態学や進化学を学んだことのある人から見れば、説明がやや粗いように思われるのではないかと思う。
 著者には少年時代に昆虫採集をした「前科」があるようであるが、やはり吉村氏は理論派であり、ぼくのようにフィールド中心にモノを見ている人間から見れば、人からの借り物で物事を説明しようとしている部分が多々あり、示されている例が適切ではないと思われるものもあった。カメムシやテントウムシが集団で越冬することにより生存率を高めている、という説明があるが、これについてはまだ確かなデータをもって証明されているわけではないと思う。
 とは言え、本書を通しての論考を最終章の第十四章で人間社会へ当てはめていることは、おそらく的を外していないことであると思われる。利己的なものが得をしないような世の中になって欲しいものだ。

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コメント

この書籍は国立大学教授が、ここまで嘘八百を並べられるの?
 と思うくらい捏造学説のオンパレ-ドです。

投稿: Dprunie | 2010年3月18日 (木) 15時35分

Dprunieさん、はじめまして。
貴兄のブログ拝見いたしました。ざっと読ませていただきましたが、進化理論について全く理解されていないように思いました。批判を展開される前に、せめて基礎的な理論ぐらいは勉強された方が良いと思います。そのままですと、ご自身の無知の恥をさらすことになると思います。老婆心ながら。

投稿: Ohrwurm | 2010年3月18日 (木) 21時48分

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