第153回日本昆虫学会・第90回日本応用動物昆虫学会合同東海支部会講演会
今日は午後から三重大学で開催された第153回日本昆虫学会・第90回日本応用動物昆虫学会合同東海支部会講演会に出かけた。自宅から自転車で出かけたが、気温は低くはないものの、風が強い。
講演
1. 長澤恵介・塚田森生(三重大院・生物資源)甲虫を誘引するAnnona属の花の香気成分とその時間的変化
2. 杉本健太朗・塚田森生(三重大院・生物資源)寄主転換しないトサカグンバイの相対翅長に対する温度・日長の影響
3. 水谷祐真・山田佳廣(三重大院・生物資源)不完全な自己寄生寄主認識能力を持ったクロハラカマバチの過寄生と子殺し戦略
4. 増田 実・山田佳廣(三重大院・生物資源)異なる寄主齢に対する寄生蜂セグロカマバチの性配分と寄主選好
5. 駒井綾香(岐阜大・応用生物科学)クロツブハダカアリの雄間闘争に関する研究
6. 河野勝行(野菜茶研)オオキベリアオゴミムシEpomis nigricansの生活史について
7. 後藤真理(岐阜大・応用生物科学)ギフチョウの遺伝学的集団構造に関する研究
8. 佐々木隆行・山岸健三(名城大・農)タイワンタケクマバチの分布拡大と生態
9. 小出哲哉・山口和広(愛知農総試)愛知県におけるモモのクワシロカイガラムシとウメシロカイガラムシの分布と発生予察
10. 戸田浩子(愛知農総試)静電噴口を利用したトマト栽培におけるタバココナジラミ防除技術の確立
11. 飯田博之(野菜茶研)タバココナジラミバイオタイプBとQの生理・生態的特徴
せっかく地元で開催されるので、ぼくも発表することにした。データは全く不完全なものだが、とりあえずはこれまでに明らかにできたことを話した。
大きく心を動かされた講演はなかったが、ギフチョウの遺伝解析の結果は面白いと思った。ギフチョウは朝鮮半島から日本に入って来て分化したと考えられているが、中国地方の個体群で遺伝的多様性が少ないという結果が得られたのは、多くの他の昆虫とは異なっている。はたして、真実や如何に、というところだ。
静電噴口を利用した薬剤撒布も新しい技術として面白そうだと思った。噴霧器の噴霧口に帯電させるための装置を付けて、噴霧される薬液を帯電させ、作物に薬液を付着しやすくするするというものだ。農薬の使用量を削減できることは間違いない。
講演会のあとは懇親会。会費はたったの百円だったので、ガツガツすることは無かった。会がお開きになったあとは、江戸橋の駅までゾウムシ屋のIさんと虫談義をしながら歩いた。このときには、風は止んでいた。
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