ギフアブラバチのヒミツ・・・というほどの事でもないが
今日、職場でギフアブラバチのことが話題になった。ギフアブラバチとは、アブラムシに寄生する小さいハチで、日本全土に幅広く分布している在来種で、農業害虫として重要なアブラムシ類に対する生物農薬として利用されることが期待されている。
職場の同僚のOさんはギフアブラバチの研究をしている(他の研究もしている)。ギフアブラバチの学名はAphidius gifuensisで、ギフとは「岐阜」のことだろうと容易に想像はつくのだが、日本全土に幅広く分布しているのに何故「岐阜」なのだろうかと、前々から疑問に思っていた。それをOさんに質問してみたのだ。そうしたらOさんはその理由を知らなかった。
Oさんはしっかりしている人なので、ちゃんとギフアブラバチの記載論文のコピーを持っていた。それを見て、すぐに納得した。
ギフアブラバチはアメリカの昆虫学者Ashmeadによって1906年に記載された。模式産地(Type locality)は予想したとおり日本のGifuであった。記載に使われた標本は、Y. Nawaすなわち名和靖によって採集された未同定のアブラムシから羽化した個体であった。
瀬戸口明久著『害虫の誕生−虫からみた日本史』を読んで知ったのだが、名和靖の時代は、名和靖が岐阜に作った名和昆虫研究所は日本で最も進んだ応用昆虫学(害虫学)の研究拠点だった。名和靖と岐阜に因んだ昆虫と言えばギフチョウが最も有名だと思うが、記載論文を読んだ限りにおいては、ギフアブラバチもまさに同じような立場にある昆虫だということがわかった。いずれも「ギフ」という名前が付いていても、岐阜だけに分布しているわけではないのだ。
害虫であるアブラムシを殺すハチとして、名和靖がこの小さなハチをアブラムシの防除に利用しようと考えたことは想像に難くない。それを見つけた名和靖は、早速寄生蜂の分類の専門家に送って同定を依頼したのだと思う。
日本産昆虫目録データベースで検索したところ、Ashmeadが記載してgifuensisと名付けた寄生蜂が他にもいくつかあることがわかった。これらも名和靖が採集してAshmeadに送って記載されたものなのだろうと想像する。
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