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2009年9月12日 (土)

中江裕司監督作品『真夏の夜の夢(さんかく山のマジルー)』

20090912blog1
 伊勢市の「進富座」という映画館中江裕司監督の『真夏の夜の夢』(沖縄では『さんかく山のマジルー』という表題で公開されているとのこと)が公開され、中江裕司監督がやってきてトークライブがあるというので、妻と二人で伊勢市まで出かけた。映画を見にわざわざ伊勢市まで出かけるのは、例によって例のごとく沖縄の空気に浸りたいからだ。
 中江裕司監督を見るのは『ナビィの恋』と『ホテル・ハイビスカス』に次いで3作目だ。他にも見たい作品があったが、津市の映画館では上映されなかったので、まだ見る機会を得ていない。『白百合クラブ東京へ行く』や『恋しくて』なども見てみたい。
 沖縄はヤマトと較べると、現実世界と精神世界の境界が遥かに曖昧だ。『真夏の夜の夢』は、そのあたりを表現した作品のように思われた。『真夏の夜の夢』は、もちろんシェークスピアの作品だと言うことは知っているが、作品は読んだことは無く、表題を知っているだけだ。中江作品の『真夏の夜の夢』では、マジルーというキジムン(木の精)が人間の世界の恋を混乱させて騒動を起こす。この部分がシェークスピア作品との共通点ということらしい。中江作品では『ホテルハイビスカス』にも少し精神世界が描かれていたが、この『真夏の夜の夢』では、作品の核心部分になってると言っても良いと思う。沖縄の自然観とか精神世界についての知識がないと理解しにくい作品かも知れないが、ぼくにとっては大変楽しめる作品だと思ったし、後味が良い作品だとも思った。ホテルハイビスカスの美恵子を小学校3年生のときに演じた蔵下穂波が高校生になりマジルーを演じたが、性を感じさせないマジルーをうまく演じていたと思う。平良とみが男性を演じ、平良進が女性を演じていたのは面白かったし、照屋政雄、玉城満、川満聡など、沖縄には欠かせない俳優の演技も味があった。
 映画の中の結婚式の宴会の場面で、弘前大学の城田安幸先生にそっくりの人が一瞬出てきた。アンコー先生は大阪出身だが、ルーツは沖縄だということなので、ロケ地の伊是名島に似た人がいても不思議ではない。まさか本人ではないと思う。それから、映画の中で気付いたセミの鳴き声はクマゼミだけだったので、その点での違和感はなかった。
 映画のあとの中江監督のトークライブでは、作品そのものや作品作りについての話を聞く事ができて、映画の背景などを理解するのに役に立ったともう。また、出演した俳優さんについての裏話も、なるほど、と思わされることが多く、楽しむ事ができた。中江監督の話を聞くのは、石垣島で『ナビィの恋』が上演されたときに聞いて以来だが、その時の中江監督の話はただ面白い話だったというだけだったように思うが、今日の話は、それに較べるとかなり深みを増した話だったように思う。『ナビィの恋』から10年も経っているわけだし、中江監督も自分もそれだけ齢を重ねているわけだから、それも当然だと思う。最近の映画に対する批判は本音だったと思うし、中江監督が「約束事」を敢えて入れない映画を作ったのは一つの冒険だと言っていたが、ぼくにとっては『真夏の夜の夢』が素直に受け入れられる作品だと感じられたのは、そのようなところに原因があったかも知れない。
 進富座という映画館は今時の映画館と違って小さな映画館で、主人というか席亭というかの水野昌光さんの魂が感じられるような映画館だと思った。似たような映画館がついこの前まで津にもあったが(大門シネマ)、主人が高齢になり営業を止めてしまった。小さな映画館をやっていくのは大変だと思うが、映画館の古き良き遺伝子を引き継いでいる映画館(もう82年続いているとのこと)をずっと続けて欲しいと思う。

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コメント

「映画の中の結婚式の宴会の場面で、弘前大学の城田安幸先生にそっくりの人が一瞬出てきた。アンコー先生は大阪出身だが、ルーツは沖縄だということなので、ロケ地の伊是名島に似た人がいても不思議ではない。まさか本人ではないと思う。」 まさかの 本人です! 1年間に一度だけ休みを取って、伊是名島に行ってきました。以下のURLをごらんください。
http://www.ikadogen.com/index.php/diary/?page=9

投稿: あんこふしろた | 2009年9月15日 (火) 20時30分

ひえぇ!!!
ご本人だったとは驚きました。本当によく似た人がいるものだと思ってはいましたが。それにしても、我ながら、一瞬をよく見逃さなかったものだと思います。
撮影の現場、さぞ楽しかったことと思います。八重山の離島には石垣島に住んでいたときにあちこちに行きましたが、沖縄本島周辺の離島には行ったことがないので、一度は行ってみたいものだと思っています。
まずは、コメントいただき、ありがとうございました。

投稿: Ohrwurm | 2009年9月15日 (火) 21時55分

ひえぇ!!! 本人です!!
伊是名島はおすすめです。僕の父の「仮説」では、『日本書紀』の「イザナギ・イザナミ伝説は 伊是名が発祥の地だ!」とのことでした。運天港から伊是名に向かいますと、降神(うるがみ)島が顔に見えて、伊是名島が男性と女性の両性の特徴を備えた、「両性具有」の島に見えます。「ギタラ」が男性の生殖器に見え、「あはら御嶽」に上れば、まさしく「国を創っている」状態になります。
撮影現場は、「夢のような毎日!」で、柴本 幸さんたちが泳いでいる横で、僕は目玉ナマコを捕まえていました!

投稿: あんこふしろた | 2009年9月16日 (水) 00時11分

あんこふ先生、再びコメントありがとうございました。なるほど、伊是名島にはそういう謂れがあるのですね。中江監督は「さんかく山」を見て決めた、などとおっしゃっていましたが、そういう伝説も決め手の一つだったかも知れないですね。
それにしても、この映画の撮影に関わられたとは羨ましい限りです。

投稿: Ohrwurm | 2009年9月16日 (水) 07時32分

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