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2009年3月30日 (月)

第53回日本応用動物昆虫学会大会・3日目

 ぼくが泊まっているホテルは北海道大学の正門のすぐ前だ。学会の会場は、ここから歩いて20分ほどかかる「高等教育機能開発総合センター」なのだが、さすがに大学に近いこともあり、学会参加者がたくさん泊まっているらしい。1日目はつくばの某研究所のKさんと一緒に雑談をしながら会場に向かった。
 今朝も食事を摂るためにロビーに行ったら、某A名誉教授と農水省研究機関のOBの某Sさんが雑談しておられた。ぼくもそれに少し混ぜていただいた。公的機関の厚生経費はどこもバッサリ切られて余裕がなくなるから鬱になる人が多いんだ、とか、期間を切られたプロジェクト研究ばかりになるし、短期間に成果(≒論文)を出さないといけないし、だからと言ってプロジェクトを取らなければ研究費も無いし、プロジェクトを取ったは良いが、書類書きで研究などはできなくなるからポスドクを雇って仕事をやらせなければいけないし、そういうポスドクも年齢が上がって行くとますますパーマネントのポストに就けなくなるし、とか、だから何十年もデータを取らなくては結果が出ない研究など現役世代ではできないから、こういう研究は定年になったOBがやったら良いんではないか、とか。まあ、ようするに、将来を見た政策がとられていない状況では、現状は決して良くないという話が多かった。実感として納得できる話が多かった。下手な学会講演を聴くより大切なことかも知れない。現状は決して良い状況ではないと思うが、公務員試験に通って今の職に就いて、ちゃんと給料を貰っている自分は、ポスドクを渡り歩いて、なかなかパーマネントの職に就けない若い人よりは幸せなのだろう。
 某A名誉教授と某Sさんが部屋に戻られたあと、コーヒーを飲んでいたら某県の研究員のMさんもおいでになった。今日、朝一番での講演があるとのこと。
 今朝はまず「高等教育機能開発総合センター」ではなく農学部に向かう。農学部は正門を入った正面にあり、北海道大学の中でも一番良い場所にあるように思える。さすが、札幌農学校からの伝統のある大学だ。
 農学部は風格のある建物だ。2004年の9月の昆虫学会の時にも農学部にいたかつての同僚を訪ねてこの建物に入ったのだが、その時は大変古い歴史が感じられる内装だった。ところが、今日入って驚いた。玄関こそ古めかしさを感じさせるものだったが、内装は近代的に改装されていた。
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 目指す場所は昆虫学教室。そこにある松村コレクションのカメムシを見るのだ。松村とは、言うまでもなく、昆虫学教室初代教授の松村松年(まつむら・しょうねん)のことだ。まずは、連絡を取っておいたYさんを訪ねて標本室に案内していただく。意外なほど狭い場所だったが、標本の大部分は総合博物館に移されたとのことだった。鱗翅目や甲虫など、目立つものは総合博物館に移され、残っているのは言わばマイナーな分類群であるとのことだ。
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 そこでしばし標本箱を物色し、目指すカメムシを探す。ほどなく見つかり、いろいろ写真を撮る。タイプ標本の箱も見るが、今ではシノニムとなって無効名になったものも多い。
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 色々見ていたらお昼近くになってしまい、Yさんに挨拶をして、昆虫学教室を後にして「高等教育機能開発総合センター」に向かう。
 学食で昼食をとり、午後からは「カンキツグリーニング病小集会~虫媒伝染と防除~」に出る。3題の話題提供があり、どこまでカンキツグリーニング病の実体の迫ることができているのか、ということをだいたい理解することができた。日本からのカンキツグリーニング病の根絶は難しいのではないかと思っていたが、地域(島)レベルでの根絶は不可能ではない、という力強い発言もあり、今後の進展に期待させられた。
 小集会が終わったあとは、一旦ホテルに戻って休憩したあと、カンキツグリーニング病小集会のメンバーとの懇親会に参加した。串焼きの店だったが、水を使わずに蒸し焼きにする鍋もあり、それなりに美味しかった。言葉で説明するより、写真で見せた方がわかり易いと思うので、鍋の料理の手順を示す。
 まず、土鍋に奇妙な形の蓋をして中火で蒸し焼きにする。
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 火が通ったところで火を止めて、布巾をかけて蒸らす。(後ろに写っているのは、某研究所のOさん)
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 蓋をあけると、奇麗に出来上がり。
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 料理はともかく、昼間の小集会では話しきれなかったことを議論する。アルコールが入ると、いろいろ本音も出て来るので、やはりこういう機会も必要だ。もうミカンキジラミとカンキツグリーニング病の研究から離れて5年にもなるので、新しい人は知らない人も数名おり、名刺を交換する。問題が大きいだけに、研究に携わっている皆さんの意気込みが十分に感じられた。カンキツグリーニング病の問題は早く片付けたい問題だが、来年もこのテーマでの小集会をもち、盛り上げて欲しいものだ。
 会もお開きになり、二次会に向かうメンバーもいたが、ここで失礼してホテルに戻った。

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コメント

美味しかったですか?

食べたことはないのですが、モロッコ料理、タジンの応用のようですね。

http://www.lhawaa.com/rolling_morocco/2001/tajin.htm

投稿: 熊80 | 2009年3月31日 (火) 22時44分

熊さん、モロッコ料理ですか!味は可もなく不可もなくというところでした。特にもう一度食べたいと思うようなものではありません。

投稿: Ohrwurm | 2009年4月 1日 (水) 06時49分

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