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2009年3月 8日 (日)

三重昆虫談話会2009年総会

 今日は午後から三重昆虫談話会の2009年総会に出かけた。津駅の近くで開催されるので、我が家からは近くて助かる。歩いて20数分というところか。
 会務報告の後以下の講演が行われた。

 1. コルリクワガタ種群の分類学的改訂と形態解析(久保田耕平・久保田典子・乙部 宏)
 2. 2008年三重県のクロマダラソテツシジミ(河本 実)
 3. 大台ケ原の蛾類相の変化と植生環境の劣化について(間野隆裕)
 4. 新三重県立博物館構想について(今村隆一)

 久保田さんの講演は、日本生物地理学会の英文誌"Biogeography"に既に発表されているものなので、その気になれば読むことができたのだが(一応、日本生物地理学会の会員なので)、まだ読んでいなかったものだ。コルリクワガタどころか、クワガタの分類のどういうところが問題なのかをよく理解していないので、読んでもわからないと思っていたこともある。話に聞くところによると、この論文は様々な物議を呼んだものらしい。外見を見ても識別できないようなものが種と言えるのか、というのが批判する人の主張だとのことだ。ま、とにかく、論文を書いたご本人から直接話を聞く事ができたのは良かった。話の要点は、雄交尾器の内袋の形態ではっきりと種を識別でき、それぞれの種が側所的に分布しているという話だ。話を聞けば非常にすっきりした話だと思うのだが、これに対して批判をするというのは、根拠に乏しいいちゃもんのように思える。考えられる唯一の問題は、これまで「コルリクワガタ」という和名で括られていた種が4種に分けられ、新しい和名が与えられたのだが、「コルリクワガタ」という和名をそのまま残したのはまずかったんではないか、ということだ。このままでは「コルリクワガタ」という記号が、従来の「コルリクワガタ」を示しているのか、新しい種としての「コルリクワガタ」を表しているのか、混乱を起こす可能性がある。ま、これも時間が経てば問題ではならなくなるかも知れないが、当分の間は混乱することが予想される。この話は、内容も濃く、面白かった。
 次の河本さんの講演は、去年の夏以降に三重県で発見されたクロマダラソテツシジミの発見の経緯を克明にレポートしたものだが、三重県の蝶屋さんの行動の素早さと、行動力の大きさを実感させられないわけにはいかないものだった。
 昨日の第151回日本昆虫学会・第88回日本応用動物昆虫学会東海支部合同講演会では、持ち時間が15分しかなかったということもあっただろうが、今日の講演の方が内容が濃かったように思われた。

 総会のあとは懇親会に出かけた。いつもの中華料理屋が改装中だったので、鰻屋での懇親会だった。仕事とは関係のない虫の話をするのは良いものだ。
 ところが、会が引けるちょっとまえから腹痛を催した。トイレに駆け込むと予想通り下痢だった。昨日あたりに食べたものが悪かったのだろうか。帰宅してからも、もう一度トイレに座り、正露丸を飲んだ。

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コメント

お疲れ様でした.
コルリクワガタ種群についての講演に対する感想はほぼ同じです.和名のこと彼にも質問したのだが・・・・.

投稿: ぱきた | 2009年3月 9日 (月) 00時14分

はさみむしはん、おなかは大変でしたね。

ポアンカレ予想の番組を見て以来、
私の中では「予想」という言葉の価値が
上がっていたのだが、いろんな使い方を
する人がいるのはやむを得ないと言わざるをえない。

投稿: 熊80 | 2009年3月 9日 (月) 08時50分

  私にはポアンカレは理解不能ですが、予想という言葉の使い方に関しては熊はんと同じ箇所でひっかかりました。

 お仕事柄、その際、何か科学的な思考をなさったのでしょうか。

 
 
 

投稿: chunzi | 2009年3月 9日 (月) 10時47分

chunziさん、
私にもポアンカレ予想は遥かに理解不能です。

投稿: 熊80 | 2009年3月 9日 (月) 17時10分

ぱきたさん、どうも。
和名の件、やはりちょっと気になりますね。

投稿: Ohrwurm | 2009年3月 9日 (月) 21時26分

熊はん、chunziはん、こういう突っ込み方をされるとは思いませんでした。「予期されたとおり」ぐらいが適切だったでしょうか?
それはともかく、未だにお腹の調子がいまいちです。

投稿: Ohrwurm | 2009年3月 9日 (月) 21時29分

 予期でもちょっと落ち着きませんな^_^;。

 案の定、思ったとおり、ぐらいが関の山でしょう。

 漢語にすると思いがけず重い意味になってしまうことがあります。

 亭主がまだM大に勤務している時、助教授公募に応じて出した履歴書に、「○大助手に就任」と書いたバカがおりました。幸か不幸か採用されてしまったのですが、「就任男」というあだ名がついたそうです。

 書き言葉の範囲内で、できるだけ平易な表現を使うことを、受験生にも勧めています←こういう場合でも、奨励、などとは出来るだけ言わないわけね(^_-)。

投稿: chunzi | 2009年3月 9日 (月) 22時38分

chunziはん、「案の定」というのはええですなぁ。でも、そういう言葉はなかなか出てきまへん。
ところで、いまポアカレ予想を解いた数学者のテレビ番組を見ていました。熊はんがコメントしてくれていなければ見ていなかったと思います。証明のことはもちろんわかりませんでしたけど、ポアンカレ予想というのがどういうものなのかは、おぼろげながらわかりました。

投稿: Ohrwurm | 2009年3月 9日 (月) 23時05分

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