2009年名古屋昆虫同好会総会・高橋昭さんの講演
名古屋昆虫同好会の総会は、毎年1月の第二日曜日に開催される。今日はその日だ。
ということで、名古屋まで出かけた。去年は体調を崩して欠席していまったので、2年ぶりの参加ということになる。
今朝は冷え込んで寒かったが、防寒着を着込んで駅に向かった。列車に乗ってからも、防寒着を脱ぐ必要がなかった。それだけ寒かったということだろう。
総会の議事のあとは、特別講演。今年は、「東海地方の蝶、その変遷」という演題で、名古屋大学名誉教授の高橋昭さんによるものだった。高橋昭さんは、昭和一桁生まれで、第二次世界大戦中からその後にかけて、学生時代を過ごされ、その頃から精力的に愛知県を中心とした蝶の調査を行われた。その話を、ご本人から直接聴けたわけだ。高橋昭さんは、本業の医学関係でもまだ色々な仕事をされているので大変多忙な方であり、今日の講演は、直接お話を聴けるまたとない機会となった。
高橋昭さんは、名古屋の金山近くで幼少時代を過ごされたので、必然的に名古屋市近郊での調査を多くされていた。今日はそのなかで、その当時はごく普通に見られたのに、今は完全に、あるいはほとんど姿を消してしまった蝶に焦点を当てて話をしていただいた。
シルヴィアシジミ(シルビアシジミという表記ではないことに注意)が木曽川下流域の右岸に1960年前後にはごく普通に見られたとか、藤岡村(現豊田市)のヒョウモンモドキが1960年に発見されてから3年目を最後に見られなくなってしまったとか、作手村(現新城市)の湿原にはゴマシジミ、ヒメシジミ、ミドリシジミ、ヒメヒカゲが無数に居たのに、現在ではごくわずかのヒメヒカゲを残して姿を消してしまったとか、名古屋市東部の丘陵地のギフチョウが姿を消してしまったとか、そういった話を、いなくなってしまうとわかっていればもっと調査をしておくべきだった、と後悔の念を示されながら話された。
それはともかく、今日は高橋昭さんの話が聞けるということもあってか、普段の例会には滅多に顔を出さない方や、遥か遠く長野から参加された方とか、総勢60名ほどが集まって、近年にない盛会だったと思った。
総会のあとは懇親会もあったが、飲んで帰ると遅くなってしまい、駅から寒い道を歩くのがいやなので、今回は失礼してしまった。
ま、ともかく、名古屋まで足を運んだ甲斐があったと思った。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
珍しい蝶を見つけたのでご覧になってくださいませ
投稿: kazukun | 2009年6月 9日 (火) 00時06分