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2008年9月15日 (月)

日本昆虫学会第68回大会2日目(2008年9月15日)

 今日は日本昆虫学会第68回大会の2日目だ。自分の発表は昨日済んだので気楽になった。が、昨日の懇親会で普段飲まない酒を飲み過ぎたためか、それとも自分の発表が済んで気が緩んだためか、はっきりと実感できる疲れが出てきた。それでも、一般講演を最後まで聴き、シンポジウムにも出た。夕方の小集会は、元弘前大学の安藤喜一先生の講演を聴いたところで失礼してしまった。
 今日はぼくの心に響く講演が1つあった。小松貴・丸山宗利・市野隆雄「アリヅカコオロギ属Myrmecophilus(バッタ目:アリヅカコオロギ科)におけるスペシャリスト種とジェネラリスト種の寄主アリ巣内での行動および生存の違い」。アリヅカコオロギの仲間は何種かおり、そのうち沖縄島北部に棲息する2種のアリヅカコオロギの生態と行動の違いを比較したものだ。アリヅカコオロギの仲間はいずれもアリと緊密な関係があるが、種によって行動のパターンが全く異なることを報告している。1種のアリに特化して緊密な関係を持つスペシャリストのアリヅカコオロギは、行動的にも化学的にもアリに擬態していて、アリから餌をもらっていないと生きていけないのに対して、複数の種のアリに関係を持つジェネラリストのアリヅカコオロギは、アリの巣の中にチャッカリと居候してアリの餌をかすめ取っているというように、全く異なっている。小さな虫の話だけに、観察するのは大変だったと思うが、素晴らしい発見だと思う。
 その他では、弘岡拓人・香取郁夫・横井智之「マイマイツツハナバチを寄主とするイワタセイボウの寄生率」も興味惹かれた。この研究は、まだ基本的な生活史の記述をしたに過ぎない程度のものだったが、カタツムリの殻に巣を作るハナバチがいること自体知らなかったし、さらにそれに特化した寄生蜂がいることは、さらに面白いことだと思った。これからどんな方向に研究を進めて行くのか読み取れなかったが、やり方によっては面白い研究になると思った。
 2つ同時並行して開催されたシンポジウムのうち、「ため池と田んぼの昆虫たち」というのに出た。自然保護委員会が主催したものだ。4つの講演があったが、はじめの2つは概観的な話、あとの2つは個別種の生態に関するもの。今年の春に開催された第52回日本応用動物昆虫学会の3日目に開催された小集会「水田普通種の激減と長期残効殺虫剤」のようなものを期待していたが、シンポジウムというには共通の目標のようなものがあまり感じられず、表面的なようなものに感じられ、期待はずれの感を否めなかった。「水田普通種の激減と長期残効殺虫剤」の方が突っ込んだ内容で、面白かったと思う。
 小集会での安藤喜一先生の講演は、「休眠しないで越冬する虫たちの季節適応」。一般に温帯に棲息する昆虫は、冬を越すために休眠するものが多いのだが、休眠せずに冬を越す種も例外的なものではないことが紹介された。いつもながら、常識を疑う心を持つことは大切だと感じさせられる。
 ところで、今日の昼は、学内の食堂ではなく、大学の近所のうどん屋で食べた。高松に着いた夜に入ったチェーン店のようなうどん屋よりは、遥かに美味しいうどんを食べることができた。
 明日は最終日。ぐっすり眠って体力を回復させたい。
20080915blog1

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コメント

小松君の講演を評価していただいてありがとうございます。彼にはとても良い実験をしてもらって、しかも明瞭な結果でよかったと思ってはいましたが、このようなご感想を頂いて大変うれしく思います。彼の励みにもなると思います!

投稿: dantyutei | 2008年9月17日 (水) 15時00分

dantyuteiさん、コメントありがとうございます。
小松さんの話し方も独特で味がありましたね。内容が面白かったのは確かですが、話し方も良かったと思います。

投稿: Ohrwurm | 2008年9月17日 (水) 19時05分

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