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2008年8月31日 (日)

朝日新聞 耕論「どうみるエコブーム」

 昨今の「エコブーム」に対して養老孟司氏、加藤三郎氏、中野翠氏が意見を寄せている。中野氏が個人の消費の抑制に重点に置いているのに対して、養老氏は、それだけでは不十分で、政府による生産の抑制まで取り組まなければ不十分だ、という意見を述べているのが印象的だった。加藤氏の意見はその中間的なところか。ぼくは、養老氏の考えにもっとも同調できる。
 根本的な二酸化炭素排出を抑制するためには石油の生産を抑制しなければいけないことは、ぼくのような凡才にも容易に理解できる。石油が無くなれば、今の社会経済が回転しなくなることは容易に想像することができ、それによって少なくとも一時的には不便な生活を強いられることになるだろう。でもぼくは、今の社会は便利すぎるから、多少の不便はかまわないのではないかと思っている。石油がなくなって、不便になれば、また新しい知恵も出てくるだろう。そう言った意味で、今の石油高は、それはそれでぼくは悪くないと思っている。アメリカでは、石油高のおかげで無駄なスピードを出す車が減り、交通事故死者が大幅に減少しているというではないか。
 本当の低炭素消費社会を実現することは、要は、少なくとも一時的には(永遠かも知れないが)不便になるであろう社会を、我々が受け入れる覚悟ができているかどうかというところにかかっている。今の便利な社会が永遠に維持できるとは、ぼくにはとても考えられないのだ。

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コメント

総論賛成です。
反論するつもりは毛頭ないんですが、現実には「便利」「手間いらず」に一度慣れてしまうと、自主的にそれを手放す事はなかなかできないですね。

例えば、冷蔵庫の自動製氷機能。今年の正月、家の冷蔵庫を買い替えたのですが、その機能がついていた。夏になり、その機能が大活躍、いやぁ便利なこと…(苦笑)
 この例は「エコ」のテーマではあまり当てはまらないかもしれませんが、便利→不便への逆行は、むずかしいと思わされます。

投稿: でんでんむし | 2008年8月31日 (日) 12時38分

 便利な方、安価な方に流れるのは、普通の人だと思います。ぼくは新しいものにはあまり飛びつかず、今のものに不便を感じるようになってからにすることが多いです。まだ困っていないので、携帯電話も持っていません。
 ま、いずれにせよ、さほど遠くない将来に、化石燃料が枯渇することは間違いありませんから、それに対する対策は、考えておく必要はあると思います。

投稿: Ohrwurm | 2008年8月31日 (日) 22時29分

 我々の政府がいかに無力かを知らねばなりません。

 ゴミの分別回収を始めて何年になるかわかりませんが、20年は超えているでしょうか。これ、ナンセンスなんです。リターナブルビン以外の飲み物は売らせないとか決めるべきでしょう。もちろん、他のものの包装にも必要なものを除いては紙以外のものを認めないとか。

 他の系もありますね。原子力です。使わない方がいいに超したことはないですが、石油の寡占に対抗する方法として存在します。また、CO2削減の見地からも存在価値を認められつつあります。

 実際には、原料用の石油の残量が危ぶまれるようにになって、石油の使用が減ってくるのではないでしょうか。インターネットの普及速度を見てもわかるように、世の中の変化する速度は非常に速くなっていると思います。

投稿: 熊80 | 2008年8月31日 (日) 22時34分

熊80さん、ごもっともな意見だと思います。
 新聞記事を読んだ後、著者の紹介のところで紹介されていた「近著」を早速図書館で借りてきたら、熊80さんがここで指摘されたことがほとんど書かれていました。
http://ohrwurm.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_0b55.html

投稿: Ohrwurm | 2008年8月31日 (日) 22時48分

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