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2008年6月22日 (日)

福岡伸一著『生物と無生物のあいだ』

福岡伸一著『生物と無生物のあいだ』
2007年5月20日発行
講談社現代新書1891
ISBN978-4-06-149891-4
740円+税

 分子生物学者である著者のこれまでの研究の中で体験してきたこと、考えてきたことなどが書かれている。福岡伸一氏の名前を知ったのは、NHKテレビの「ようこそ先輩」という番組の中でだ。その番組の中で氏がどんなことを語っていたのかは、もうすっかり忘れてしまっているが、名前を憶えたということは、それなりに面白かったのだろうと思う。
 分子生物学に入った福岡氏は、もともとはファーブルや今西錦司に憧れるナチュラリストであったということだ。ぼく自身も、子供の頃は虫が外で活動している春から秋にかけては、毎日虫を追いかけていて、どこに行っても虫のことが気になって仕方がないような子供だったが、福岡氏もどうやらそういう子供だったようだ。
 氏の経歴を見ると、大学時代はずっとぼくと同じ時期に同じキャンパスで過ごしていたようだ。ぼくは農学部で、氏は理学部だが、同じ年に入学して教養部を過ごし、学部に進学しても、両方とも今出川通の北側にある北部キャンパスなので、全く同じということになる。本のカバーには氏の写真が掲載されているが、かつてその存在が目立っていたある学生の面影があるので、その彼が福岡氏だったのかも知れない。その当時、学生食堂でよく目にしたその学生は、背は高いが色白で何となくひ弱な感じで、いつも決まった友だちと議論を楽しんでいたようで、数学か物理学の専攻だと想像していたのだが。
 それはともかく、この本には分子生物学の歴史が簡潔だがドラマチックに語られていて、読んでいてわくわくしたし、「生物とは何か」という命題に関して、率直な氏の考えが書かれており、生物の本質に少しは迫ることができたような気がする。
 同じ虫を追いかける少年時代を送っていても、いつまでも虫から離れられないぼくと違って、氏は分子生物学への道に進んだわけだが、変な気負いは感じられず、生物というものに対する真摯な姿勢には大変共感を持てる。
(追記)
 このブログの読者から、福岡氏はぼくとは別の学科ではあるものの農学部出身だとのことの情報をいただいた。書かれていた本の内容から、どうやらぼくが勝手に理学部出身だと思い込んでいたようだ。それなら、全学部共通科目の「農学原論」などは、同じ教室で講義を受けていたかも知れない。
(追記おわり)

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