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2007年12月18日 (火)

寒風のなかのモンキチョウ

 今日は晴れていたが風が強かったために、気温ほどには暖かく感じられなかった。昼前に調査に出たのだが、こんな強い風の中、蝶が飛ぶはずもないと思っていたところ、予想に反して黄色い蝶が飛ぶのが見えた。この季節の黄色い蝶と言えばキチョウだが、それよりも淡い色だったし、飛び方も敏捷だったので、モンキチョウのように見えた。運良く花に止まったので、近くに寄ってみてみたら、やはりモンキチョウだった。
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 モンキチョウは昔、オツネンチョウ(越年蝶)とも呼ばれていて、成虫で越冬すると思われていた時代があった。秋遅くまで飛んでいるのが見られるし、春も早くから飛んでいるので、そう思われていたのだ。しかし、現在では成虫で越冬するのではなく、幼虫で越冬すると考えられるようになった。
 モンキチョウを含むColias属の蝶は、北半球の温帯のやや高緯度地方に分布の中心をもっているグループだ。その中で、モンキチョウは最も温暖な地域にまで分布を拡げている。石垣島に住んでいたころにも普通に見かけた。もっとも、石垣島では真夏には個体数が少なくなり、秋から徐々に個体数を増し、冬から春にかけてたくさん見られた。だから、少なくとも石垣島で見られるモンキチョウには休眠性が無いものと思われる。
 モンキチョウの生活史についての研究事例を知らないのだが(どなたかご存知の方があればご教示いただきたい)、本州中部のやや温暖な場所である東海地方では、モンシロチョウは休眠することなく、冬の間も徐々に成長しているのではないかと思えて仕方がない。多くの温帯の昆虫にとって、冬を乗り切ることが最大の課題だが、モンキチョウの仲間は北方起源だと思われるので、もともと寒さには強そうだ。だから、モンキチョウはColias属の中で休眠する性質を徐々に失って年中発生するようになり、徐々に南方に分布を拡げた種であるように思える。生活史を見ていると、ちょっと気になる種だ。寒風の中を飛んでいるモンキチョウを目にして、それを余計に強く感じさせられた。

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コメント

広島県鞆の浦の仙酔島に狸が住んでいます。持ち込まれたものではないと聞きます。

近年は観光客が餌をやるので冬眠しなくなったそうです。

ちょっと違いますか(^^;

投稿: 熊80 | 2007年12月19日 (水) 16時30分

熊80さん、どうもです。
タヌキはもともと冬眠しないんじゃないかと思います。仙酔島に自然分布しているのは不自然ですから、誰かが持ち込んだのかも知れないですね。もっとも、何の目的で持ち込んだのか、理解が難しいですが。

投稿: Ohrwurm | 2007年12月24日 (月) 16時32分

姫路市に在住です。
我が家の植え木鉢に越冬?しているモンキチョウ?が1匹います。
1月半ばに気が付いて軒下に移動。
さっき触ってみたら足がモソモソ動いたので玄関の中に移動してあげました。

投稿: ガックンママ | 2014年2月20日 (木) 16時07分

ガックンママさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
ずっとそこに居たなら、キタキチョウ(キチョウ)の可能性が高そうですね。

投稿: Ohrwurm | 2014年2月25日 (火) 19時51分

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