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2007年12月16日 (日)

朝日新聞be「積雪の量 カマキリがズバリ」

 今朝の朝日新聞に付いていた「be」の1面。日曜ナントカ学「積雪の量 カマキリがズバリ」。
 季節柄、このような話題を出すのは適切かも知れないが、酒井與喜夫氏が「カマキリが大雪を知っていた」を出版したのはもう何年も前のこと。それ以降、酒井説を否定する研究発表が安藤喜一氏によってなされている(1)(2)。それにもかかわらず、朝日新聞に書かれていることは、酒井氏の説を説明したのみで、安藤喜一氏による研究は「異論もある」としか書かれておらず、安藤喜一氏の名前はもちろん、その内容に関しても一切説明が無かった。
 これでは、朝日新聞が科学雑誌「科学朝日」とその後継誌「サイアス」を休止してから、科学部のレベルが落ちたのではないかと思わざるをえない。カマキリが積雪を予測している、という話になれば一般受けは良いかも知れないが、積雪を予測しているのは、カマキリではなく、酒井與喜夫氏、あるいは酒井與喜夫氏によって作られた計算式であることは明白だ。
 かつて「科学朝日」や「サイアス」の編集長をやっておられた方に、柏原精一さんという方がおられたが、柏原さんがいれば、このような記事にはならなかったのではないかと思う。
 朝日新聞さん、もう少ししっかりしてください。と声を大にして言いたいものだ。

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コメント

ナントカガク・・・アルファベットでは「nanto-ka-gaku」(ロゴはカラーで塗り分けられている)と綴ってあって、ナントカ還元水のナントカなのか、「なんと!「科学」」のなんとなのか、記者の良心にしっかりといまはやりの偽装をこらしているのか、読者には意味不明です(~_~;) 付録の紙面とはいえトップですからねえ、それなりのチェックは入った結果・・・と考えるべきでしょう。
記事中、たくさんの事例を手塩にかけて(回帰式に都合よく?)「サンプリング」した・・・としたり、おっしゃるように「異論もあるが・・・」などとしたり、最後は「マンティスとは予言者という意味だそうだ」などと、はぐらかして記事をしめくくっていますね。
新聞に限らず、TV(特に某国営放送)などでも、「○△×であるという事実関係が初めてわかった」式の、誰がわかったのか、自分はどう考えているのか、ハッキリしない報道が多すぎると思います。

投稿: こけた | 2007年12月17日 (月) 08時24分

青森の地方紙には9日付で

 http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20071209195158.asp

という記事も出たようですが、地方紙対朝日新聞では残念ながらかないません。

投稿: Zikade | 2007年12月17日 (月) 13時42分

 マスコミは正しいことでなく、面白いことを報道するものなのでしょう。「人間が犬に噛みつけばニュースになる」というのは本当のようですね。

 歳をとってだんだんわかってきました。

投稿: 熊80 | 2007年12月17日 (月) 17時39分

こけたさん、こんにちは。「何と!科学」というのは面白いです。報道は公正中立であるべきでしょうが、わかっているんだか、わかっていないんだか、それを書いた記者がわかっているんだか、わかっていないんだかが読者にわからないような記事しか書けないようでは困ったものですね。

投稿: Ohrwurm | 2007年12月17日 (月) 19時35分

Zikadeさん、こんにちは。東奥日報の記事のご紹介ありがとうございました。そちらに書かれていることは、安藤先生が学会で講演されていたことが簡潔にまとめられていてわかりやすいのではないかと思います。安藤先生とは個人的にお話したことが何度もありますが、「虫部屋」は初めて見ました。定年後も探究心が衰えないのは研究者の鑑です。

投稿: Ohrwurm | 2007年12月17日 (月) 19時39分

熊80さん、こんにちは。おっしゃることはその通りだと思います。民放のテレビなどはもうどうしようもないと思いますが、せめて新聞は良識を持って欲しいものだと思います。

投稿: Ohrwurm | 2007年12月17日 (月) 19時41分

酒井説を今まで信じていました(笑。
お話ししたか忘れましたが、昨年、ヤサガタコカマキリの♀を与那国島で採集しましたよ。まだ未発表ですけど、♀は初記録だと思います。
卵鞘も得ることができました。孵化しませんでしたけど。

柏原さんは、サイアスの失敗で、今は閑職におられるとの噂です。カラスアゲハの本をまとめていられるとも聞きましたが。

投稿:  おきしま | 2007年12月17日 (月) 22時04分

 おきしまさん、コメントありがとうございます。
 ヤサガタコカマキリの雌ですか!すばらしいです。7年間石垣島に住んでいても、雄を1頭見つけることができただけですから。おそらく国内では初めての雌の記録となるでしょう。雌雄合わせても、6頭目ぐらいだと思います。ぼくは、フィリピンあたりから飛来してきたものが、たまたま採れるのではないかと思っています。定着しているなら、もっとたくさん採れても良いはずですから。
 ところで酒井説ですが、酒井説が間違っているところは、「カマキリに積雪量の予測能力がある」と結論づけてしまった点です。「カマキリの卵の高さから積雪量を予測できる」という点に関しては、間違っていない可能性があると思っています。
 酒井氏が勘違いしたところは、「カマキリの卵の高さから積雪量を予測できる」ことを「カマキリに積雪量の予測能力がある」と思い込んでしまったところです。おそらく酒井氏自身、この点に気が付いていないのではないかと思っています。酒井氏の著書「カマキリは大雪を知っていた」の後半部分は、はっきり言ってトンデモの世界だと思いますが、酒井氏の思い込みがあのようなことを書かせたのだと思います。

投稿: Ohrwurm | 2007年12月17日 (月) 22時29分

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