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2007年10月27日 (土)

岡田節人先生

 岡田節人(おかだ・ときんど)先生に文化勲章が贈られることになった。お祝いを申し上げたい。
 ぼくが京大農学部の学生だった頃、岡田先生は理学部の教授をされていたので、講義を受ける機会が無かったわけではなかったが、実際には講義を受けることは無かった。ダンディで赤いスポーツカーを乗り回している先生ということで有名だった。それとは別に、虫好きの先生としても虫屋仲間では知られている。とくにカミキリムシがお好きなようだ。
 1990年代の中頃、たぶん「科学朝日」か何かに書いておられた虫についてのエッセイか何かの中だったと記憶しているのだが、西洋人には虫を愛でる習慣が無い、というようなことを書いておられた。日本には虫を愛でる歌がいろいろあるが、西洋には無い、と。
 そこでぼくは、大胆にも、直接面識が無い岡田先生に意見を申す手紙を書いた。
 15世紀後半から16世紀始めの初期ルネサンス時代にフランドルで活躍したジョスカン・デ・プレ (Josquin Des Prez) という作曲家がいる。ジョスカン・デ・プレは宗教的な内容の合唱曲から世俗的な合唱曲まで、さまざまな作品を残している。その中で、ぼくが好きな曲に"El grillo e buon cantore"(コオロギは良い歌い手)というのがある。コオロギが賑やかに歌うのを模倣したような明るく楽しい曲だ。かつて所属していた合唱団でもステージで歌ったことがある。
 それをカセットテープに入れて、岡田先生に送ったのだ。そうしたら、見ず知らずのぼくに「それは知りませんでした」という言葉とともに、大変丁寧なお手紙をいただいた。ぼくにとっては懐かしい思い出だ。
 まずは、文化勲章おめでとうございます。

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コメント

 Ohrwurmさん、そんなことをしていましたか。
 ファーブル昆虫記に春に鳴くコオロギが出てきたように思います。小学生の頃に読んだだけですが(^^;

投稿: orso80 | 2007年10月31日 (水) 07時39分

orso80さん、どうもです。そんなことをしたこともありました。ファーブルは西洋人の中でも特に変わり者だったというのが通説になっています。ファーブル展が巡回しているので、どこかで見たいと思っています。今は、上野の国立科学博物館でやっているはずです。関西では、兵庫県立人と自然の博物館や滋賀県立琵琶湖博物館での開催が予定されています。
http://www.museum.hokudai.ac.jp/exhibition/kikaku45/traveling/index.html

投稿: Ohrwurm | 2007年11月 5日 (月) 22時46分

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