『森は誰のものか? アジアの森と人の未来』
地球研叢書 森は誰のものか? アジアの森と人の未来
日高敏隆・秋道智彌 編著
2007年3月10日初版発行
株式会社昭和堂
ISBN 978-4-8122-0708-6
2,300円+税
- はじめに(日高敏隆)
- この本のキーワード
- 序章 森と人の生態史(秋道智彌)
- 第1章 森の一万年史から(湯本貴和)
- 第2章 ボルネオ・イバン人の「里山」利用の変化と日本とのかかわり(市川正弘)
- 第3章 ボルネオ熱帯雨林ランビルの林冠でみえたこと(酒井章子)
- 第4章 誰のための森か(阿部健一)
- 第5章 「協治」の思想で森とかかわる(井上 真)
- 第6章 世界の森の現状からみた地球未来(山田 勇)
様々な視点、立場から森について議論されている。全体を通して感じさせられることは、人間が自然の上に立って自然を管理する「神」としてではなく、自然の中に生かされている自然の一員に過ぎない、という立場をとるのが、人間自身にとっても望ましいというということである。現実の世界には様々な問題が様々な段階で存在しており、これからの地球環境を考える上で考えなければならないことが浮き彫りにされ、そこに存在する問題を解決するための考え方が提案されている。
これまで生きてきて様々な体験をすることにより、ぼく自身も人間は「神」になるべきではないという考え方を持つに至った。この本に書かれていることは、ぼく自身にとってみれば「ごくあたりまえ」のことが書かれていたわけだが、そうでない人に対して、このことをいかにして理解してもらおうか、ということに対する並々ならぬ努力が感じられた。問題はまだ山積しており、解決に対する簡便な手段が無いとこは明らかなのだから。
地球研とは総合地球環境学研究所の略称で、2001年、京都に創設された。大学共同利用研究機関法人・人間文化研究機構の一機関として、地球環境問題を根本からとらえて研究を進めている。
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