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2007年9月23日 (日)

石垣島紀行第5日目(8月3日)

石垣島紀行第4日目(8月2日)から続く)
 石垣島を出発するのは明日だが、今日は民宿をチェックアウトする。ホテルパックで来ているので、今晩はホテルに泊まらなくてはならないのだ。民宿では色々親切にしていただいたうえに、宿泊料金もずいぶんサービスしてもらってしまった。お礼は津に戻ってから、お孫さんの服でも送ろうかと思う。
 さて、とりあえず送れる荷物をまとめて、送れるものはゆうパックで送ることにした。郵便局の駐車場は満車なので、仕方なく路上駐車をして、荷物の発送は妻と長男に任せた。今日の予定は特に無いが、まだ「トミーのぱん屋」に行っていないので、それは予定に入れた。
 まずは、「スーパーかねひで」で飲み物等を調達。3年半前とは場所が変わって大きくなり、奇麗になっていた。品揃えはその当時とはあまり変わっていないように見えた。A&Wのルートビアが箱単位で売られていて大変安いのだが、送料が高くつくので買うのは諦めた。次に馴染みの写真屋だった「T-ラボ」へ。ご主人も奥さんもいたので、しばし雑談。3年半ぶりなので話は尽きない。名残惜しかったが、バンナ公園へ。
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 バンナ公園では、まず「セイシカの橋」のある所へ。ところが何と、「セイシカの橋」は通行止め。おそらく、去年の台風13号で痛んだためだろう。そのかわり、昔は無かった谷の下の方に向かう木道が橋のすぐ隣にできていた。そこを降りてみたが、結局対岸に向かうことはできず、元の場所に戻ってきてしまった。
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 ここではヤエヤマクマゼミ Cryptotympana yaeyamana Kato, 1925 とイワサキゼミ Meimuna iwasakii Matsumura, 1913 の鳴き声を聞くことができた。これで、今回石垣島に来てから鳴き声を聞いたセミは、合計8種ということになる。イワサキゼミはツクツクボウシ Meimuna opalifera (Walker, 1850) の仲間で、石垣島でもやはり夏の終わりから秋にかけて盛んに鳴くセミだ。今回の日程では聞けないと思っていたので、運が良かったと言える。
 バンナ公園は広い。次はEゾーンに向かう。こちらには何か所かモダマが生えている場所がある。落ちている種でも拾えないかと思って探したのだが、見つけることはできなかった。やはり、去年の台風13号の影響だろう。しかし、モダマの花は見つけることができた。やはり真夏がモダマの花の最盛期のようだ。こんな小さな花が咲いて、時には1mにもならんとする巨大な莢ができることを想像するのは極めて困難なことだ。巨大なモダマの莢には気付いても、モダマの花に気付く人はそれほど多くないだろう。
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 次は名蔵を経て、崎枝半島を赤崎、大崎、屋良部崎と回って御神崎の灯台へ。着くとすぐにイワサキクサゼミ Mogannia minuta Matsumura, 1907 の鳴き声が聞こえた。イワサキクサゼミは3月下旬から鳴く春のセミなので、もう鳴き声は聞けないかと思っていた。これで今回石垣島に来てから鳴き声を聞いたセミは、合計9種ということになる。したがって、石垣島に棲息するセミで鳴き声を聞いていないのはイシガキニイニイ Platypleura albivannata Hayashi, 1974 だけだが、もともと希少な種で時期も少し外しているので、これは無理に聞きに行くというようなことはしない。
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 御神崎は風が強いことが多かったが、今回は穏やかで、ゆっくり景色を楽しむことができた。
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 御神崎の次は、ぼくの希望で川平仲筋の海岸へ。ここは、ぼくの学位論文になった研究のために、毎月2回通っていた場所だ。とにかく、ズグロシロジュウジカメムシ Dysdercus decussatus Boisduval, 1835 やベニホシカメムシ Antilochus coqueberti (Fabricius, 1803) に会えないかと思っていた。ところが行ってびっくり、当時の面影が無いほど変わり果てていた。去年の台風13号の影響に違いない。車でも何とか入れそうな道があった場所が、人が通るのも難しくなっていたほどだった。木もたくさん倒れていた。
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 気を取り直してオオハマボウ Hibiscus tiliaceus やサキシマハマボウ Thespesia populnea を探すと、何とかズグロシロジュウジカメムシの幼虫を僅かばかり見つけることができた。
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 仲筋からヤマバレーは車で走ればすぐだ。「トミーのぱん屋」に向かう。昔は米原のキャンプ場のすぐ近くにあったのだが、詳しい理由は知らないが立ち退きを迫られ、現在の場所に移動した。県道から海の方へ少し降りた場所で、こんな場所にパン屋があるとは普通は想像がつかない。転勤が決まって石垣を離れるとき、家族揃って挨拶に行ったのだが、家族一同揃っての再会はほぼ3年半ぶりになる。息子たちが大きくなっているので驚いたことだろう。しばし、ご主人と奥さんと雑談し、お目当てのパンを買って店を後にする。
 買ったパンをどこで食べようか、ということになったのだが、少しでも涼しい所で、ということで荒川の滝に向かった。ここでも何度も川遊びをした思い出がある。今日も子供たちの集団が滝で遊んでいた。滝と言っても幅が広く、段差もそれほど大きくないので、滝の上から滝壺(というほどでも無いが)に滑り降りるのも楽しい。でも、今回は本格的に遊ぶ準備をしていなかったので、水に足を浸す程度にした。
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 薄暗い川の近くには、そういう場所を好む虫がいる。コナカハグロトンボ Euphaea yayeyamana Oguma, 1913 もその一つだ。珍しい種ではないが、懐かしい種だ。
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 川で遊んだあとは、ゆっくり市内に向かい、ホテルにチェックイン。大昔にフェリーターミナルだった場所は、ぼくが住んでいた頃には沖合の埋め立て地に移り、特に何としても利用されている様子ではなかった場所が、今では新しい離島ターミナルとなって活躍している。ホテルはそのすぐ前のミヤヒラだ。昔、両親が遊びにきたときにここに泊まった。自分たちが泊まるのは、もちろん初めてだ。すぐ前が港で眺めは良い。
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 チェックインしたあと、家族はまたもや昔住んでいた団地へ。家族を送り届けたあと、ぼくは一人で昔の職場へ。
 駐車場に車を停めようとしたところ、ナカムラさんが研究棟から圃場に歩いていくのが見えたので、建物には入らず、圃場にある施設の方に向かう。するとそこにはオザワさんもいて、施設の前に設置されていたテントの下で色々な情報交換。いろいろな人が行き来するので、そこに座っているだけで色々な人に会うことができた。
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 職場を後にして家族が待っている団地に戻り、食事に向かう。意見がなかなか合わなかったが、結局は「焼肉の金城」へ。毎月1日は半額なので、その日に行けば良かったような気もするが、まあ仕方がない。肉は悪くなかったが、冷麺には不満が残った。
 夕食後、再びバンナ公園に向かい、「エメラルドの海を見る展望台」へ。昔は東屋があっただけだったが、駐車場も広くなり、展望台も新設され、自動販売機まで設置されていた。ここは星空を観望するにも良い場所だが、はっきり言って自動販売機の明かりは邪魔だ。自動販売機の下には、灯りに集まった虫を食べようとしているのか、巨大なオオヒキガエル Bufo marinus が2匹いた。もともと日本には分布していなかった種だが、サトウキビの害虫を食べるということで導入され、今では完全に定着して数も増えてしまっている。外来生物を排除する法律などもできてしまったが、根絶は不可能だろう。
 空を眺めると、流れ星がいくつか見えた。ペルセウス流星群には時期が早いが、ランダムに飛んでくる宇宙の塵は、たくさんあるのだろう。津に住んでいると、なかなか星空を眺める機会もないのだが、じっくり眺めれば、流れ星ぐらい見えるのかも知れない。
 流れ星をいくつか見たのに満足してホテルに戻った。明日は最終日だ。
石垣島紀行第6日目(8月4日)に続く)

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