« 宮古島のイワサキクサゼミ | トップページ | 田川 研 著『虫屋のみる夢』 »

2007年1月17日 (水)

田川 研 著『虫屋の虫めがね』

田川 研 著『虫屋の虫めがね』
NDC914 220p. 22cm ISBN4-03-003290-7
偕成社 2001年10月

 今日は京都に出かけたので、行き帰りの列車の中で読もうと、図書館で借りてきたこの本を持って行った。
 この本は、図書館にあるのを前から気付いていたので、少し気になっていたのだが、盛岡に住んでいる同業者のSさんから著者の名前を聞いたので、背中を押された感じになり、借りてくることにしたのだった。
 読み終えて一言。すごく楽しい本だった。虫の本でこれほど楽しいと思ったのは、北杜夫の『どくとるマンボウ昆虫記』以来のような気がする。
 「田川節」とでも言えるような独特の語り口で全編が通されている。主人公は「ケンさん」なのだが、もちろん著者自身のことだ。ケンさんやケンさんの仲間のことを第三者が見るような形で、ユーモアを交えて虫体験や虫屋体験が語られている。楽しい虫屋生活を楽しまれているようで、羨ましく感じる事が多かった。
 ケンさんの住む福山には、就職してすぐに半年間暮らしたことがあるので、芦田川、山野峡、帝釈峡など、懐かしい地名が出てきたのも嬉しかった。山野峡ではオオムラサキ Sasakia charonda (Hewitson, [1863]) の丸々と太った終齢幼虫を採集し、採集して羽化させた思い出がある。福山にいたのは20年も前のことだが、その時にケンさんとお知り合いになっていたら良かったものだと思った。
 ケンさんには、1年ほど前に出版された新著『虫屋のみる夢』がある。これも早速読んでみようと思う。

|

« 宮古島のイワサキクサゼミ | トップページ | 田川 研 著『虫屋のみる夢』 »

コメント

「虫屋の虫めがね」を検索して訪れました。
この日記を著者のケンさんにお知らせしましたところ。『どくとるマンボウ昆虫記』以来という感想に、大変喜んでいました。「虫屋の虫めがね」も読んで感想を聞かせてほしいとの伝言です。

投稿: magnifier-a | 2007年1月19日 (金) 23時38分

magnifier-aさん、コメントありがとうございました。
 ブログを拝見いたしましたところ、ひょっとしたら、トンボ大臣さんではないかとお察しいたしました。
 『虫屋の虫めがね』は本当に楽しく、掛け値なしで面白いと思いました。『虫屋のみる夢』も楽しかったです。『虫屋のみる夢』に描かれているサイトーさんは、ぼくが想像している仕事を離れたときのサイトーさんそのものでした。いつかサイトーさんにお会いする機会もあると思いますので、話のタネにしようと思っています。
 図書館で借りてきた本なので、ケンさんに印税が入らなくて申し訳ありませんが、転勤族で借家住まいなので、本が増えるとおこられるのです。ケンさんにもよろしくお伝えください。

投稿: Ohrwurm | 2007年1月20日 (土) 07時14分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 田川 研 著『虫屋の虫めがね』:

« 宮古島のイワサキクサゼミ | トップページ | 田川 研 著『虫屋のみる夢』 »