風に押し流されるアサギマダラ
昨日から北西の風が続いている。50ccのバイクで通勤しているが、出勤時の北西の風は完全に向かい風になり、途中から緩やかな上り坂になるので、バイクのスピードも上がらない。風の力を侮ってはいけない。
職場のすぐ近くの交差点で信号待ちをしていたら、高さ5mぐらいの上空をアサギマダラ Parantica sita niphonica (Moore, 1883) が飛んでいるのに気が付いた。アサギマダラは風に向かって飛んでいたが、ほとんど前に進むことはできず、横に押し流されて行く感じだった。
アサギマダラの長距離移動が季節風と大きく関わっていることが疑いがなさそうだが、具体的なことは何一つわかっていない。今朝見たアサギマダラを見て思ったことは以下のようなことだ。
アサギマダラが陸上を飛んでいるときは、様々な目標物があるので、視覚をもとに自分の位置を把握できるため、風が吹けばそれに逆らって自分を同じ位置に保とうとすることができそうだ。だが、力及ばずひとたび陸地を離れてしまうと、目標となるものが海面と空のような均一性が高いものしかなくなるので、いくら視覚が働いていても自分の位置を把握することができず、次の陸地にたどり着くまでは、風に流されるがままになってしいそうだ。海上で風に逆らって飛ぶことは、ほぼ不可能だろう。
アサギマダラは毎年同じような経路をたどって移動することが知られているが、そのかなりの部分を地形と季節風から説明できそうな気がする。
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