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2006年10月

2006年10月31日 (火)

スッポンタケ

20061031blog1  今日は代休だったので、午後からいつもの雑木林に一番下の息子と一緒に出かけた。目的はスッポンタケ Phallus impudicus Pers. だ。去年の11月の下旬にその雑木林でスッポンタケを見つけたのだが、もう既に腐りかけていたので、今頃なら良いだろうと思ったのだ。この狙いは見事に的中し、スッポンタケが群生している場所を見つけることができた。スッポンタケの子実体の粘液はいやな臭いだとものの本には書かれているが、独特の臭いはしたものの、それほどいやな臭いでもなかった。自分の鼻がおかしいのかも知れない。
20061031blog2  その場所で、息子が「カエルがいる」と言うので見てみると、それは見慣れない色をしたカエルだった。どうやらアルビノらしい。色は全然違うが、形態と斑紋から判断すると、どうやらニホンアカガエル Rana japonica Günter, 1858 らしい。色々な動物でアルビノが出現するという話はよく聞くが、直接アルビノの個体を野外で見るという経験は、今回が初めてだ。
20061031blog3  さらに少し場所を変えると、今度は息子が「ヘビがいる」というので見てみると、ニホンマムシ Gloydius blomhoffii (Boie, 1826) の幼蛇だった。ニホンマムシと出会う機会は意外に少なく、三重県に来てから初めて見るのはもちろんのことで、もう20年以上も見ていなかったような気がする。
 今日は目的のもの以外にも、思わぬ珍しいものを見ることができて、収穫が多い日だった。

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2006年10月30日 (月)

気温の日較差

 今日も日中は風が弱く、気温が上がった。陽射しも強く、10月末とは思えない。石垣島に住んでいるのと勘違いしそうだ。外で仕事をするときにはTシャツ1枚になったが、全く違和感はなかった。
 昼休みに職場の外壁を眺めまわしたところ、飛来していたクサギカメムシ Halyomorpha picus (Fabricius, 1794) は3匹だった。先週の金曜日と同じだ。
 日中は気温が上がったものの、夕方になると急激に気温が下がった。気温の日較差は10℃近くになっている。体にはちょっときつい。

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2006年10月29日 (日)

クズにつく虫

20061029blog1  雨は朝のうちに既に上がっており、天気は徐々に回復した。今日は午後から近所を散策した。もう本格的な秋になり、植物の葉も秋の色になっている。クズ Pueraria lobata (Willd.) Ohwi も蔓を伸ばしきって、硬い葉ばかりになっている。クズによく見られる虫はいろいろあるが、マルカメムシ Megacopta punctatissima (Montandon, 1894) もそのひとつだ。我が家のすぐ裏にもクズの蔓が繁茂している場所があるが、ここでは見つけることはできなかった。もうそろそろ越冬に入りはじめる季節だろうから、少なくなって見つけることができなかったのだろう。近所の墓地に繁茂するクズでは、何とか見つけることができた。
20061029blog2  墓地のクズではツチイナゴ Patanga japonica (Bolívar, 1898) も見つかった。ツチイナゴはまだ羽化してからそれほど日数が経過していないように見えた。ツチイナゴは成虫で越冬するので、羽化したばかりだとしても不思議ではない。石垣島に住んでいたときはタイワンツチイナゴ Patanga succincta (Johansson, 1763) をイネ科の植物でよく見ていたので、ツチイナゴもイネ科を好むのかと思っていたが、帰宅してから図鑑で調べてみると、クズを好むということが書かれていた。ツチイナゴもクズにつく虫だということは今日まで知らなかった。

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2006年10月28日 (土)

芝刈りのあと出て来た虫

 午前中、庭の芝刈りをした。しばらく刈っていなかったので、やや見苦しくなっていたのだ。電動の芝刈り機を使っているとは言え、意外に力を使い、汗も出てくる。
 刈った芝の下からは、色々な虫が出てくる。大きなものでは、ショウリョウバッタショウリョウバッタ Acrida cinerea (Thunberg, 1815) の大きな♀が出て来た。大して広い庭でもないのに、こんなに大きな虫がいるのは、やや意外なのだが、ショウリョウバッタは庭の常連さんだ。ハラクロコモリグモ Lycosa coelestis L. Koch 1878 の大きな♀も出て来た。これも庭の常連さんで、プラスティックの植木鉢を埋めてピットフォールトラップにしておくと、これがよく落ちている。セアカヒラタゴミムシ Dolichus halensis (Schaller, 1783) も出て来た。このゴミムシは秋の虫という印象がある。ちょうどあちこち飛び回っているうちに、我が家の庭にやって来たのかも知れない。

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2006年10月27日 (金)

CICADA Vol. 18 No. 4

 帰宅したら日本セミの会々報 CICADA Vol. 18 No. 4 が届いていた。税所さんの「個体数の増減と鳴き始め時刻の関係について」の報告は、温度に差がなくても個体数が増減しただけでセミの鳴き始めの時刻や時期が変動することを明快に示している。ともすると、初鳴きの季節が早いから今年は暖かい、などと単純に考えてしまいがちであるが、そうとも言い切れないということだ。
 自分が昆虫の発生と気温の関係を論じる場合、初認値ではなく中央値(50%観測値)を用いる。中央値は個体数の影響は受けないので、好都合な値なのだ。ただし、観測して記録するのには、大変手間がかかる。
 この会報には昨年末病気で急逝されたFさんの追悼文が多数寄せられていた。石垣島に住んでいた1999年6月17日の夜、石垣島米原のヤシ林の中で灯火採集をFさんや税所さんらと一緒にやったことは野帳にも書き残してあるし、その晩イワサキヒメハルゼミ Euterpnosia iwasakii (Matsumura, 1913) が飛んで来たのも覚えているのだが、会報の載っているFさんの顔写真を見ても、こんな顔だったのかどうかもはっきりしない。これはちょっと情けないことだ。自分が人の顔を覚えるのが苦手なことも確かだが、石垣島に住んでいた頃は、色々な人と一緒に昆虫採集をしたので、自分が覚えきれる以上の人に会っていたということだろう。それはともかく、Fさんの名前は会報の紙上に何度も登場しているので、日本のセミの研究においてFさんが重要な人物だったことはよくわかっているつもりだ。あらためてご冥福をお祈りしたい。

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ヤママユの抜け殻

 今朝、いつものようにトラップの調査をしていたら、トラップを設置した場所のすぐ近くにあるクヌギ Quercus acutissima Carruth. にヤママユ Antheraea yamamai (Guérin-Méneville, 1861) の繭が2個あるのに気が付いた。週に3回は通っている場所なのに、今まで気が付かなかったのは、クヌギの葉がまだ緑色をしていたせいかも知れない。ここ数日で、クヌギの葉もだいぶ黄色くなってきたような気がする。
 もうヤママユの成虫の時期はとうに過ぎているので、もう抜け殻になっていると思ったが、やはり思ったとおりだった。繭の上部にはヤママユが羽化したときの大きな穴が開いている。こんなに身近にヤママユが見られるなら、来年は羽化したばかりのヤママユを見てみたいものだ。
 今日はさらに風が弱まり、日中日向にいると暑さを感じるぐらいだった。職場の建物の外壁を見ると、今日はクサギカメムシ Halyomorpha picus (Fabricius, 1794) が3匹に増えていた。これからが楽しみだ。

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2006年10月26日 (木)

そろそろカメムシの季節か?

 昨日までの風は少し弱まり、天気も良い。昼休みに職場の建物の外壁をみると、クサギカメムシ Halyomorpha picus (Fabricius, 1794) が1匹止まっていた。朝の冷え込みもまだそれほどないので、まだ少し早い気もするが、そろそろカメムシが集ってくる季節だ。カメムシが本格的に集ってくるのは11月上旬ぐらいだろうか?

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2006年10月25日 (水)

風に押し流されるアサギマダラ

 昨日から北西の風が続いている。50ccのバイクで通勤しているが、出勤時の北西の風は完全に向かい風になり、途中から緩やかな上り坂になるので、バイクのスピードも上がらない。風の力を侮ってはいけない。
 職場のすぐ近くの交差点で信号待ちをしていたら、高さ5mぐらいの上空をアサギマダラ Parantica sita niphonica (Moore, 1883) が飛んでいるのに気が付いた。アサギマダラは風に向かって飛んでいたが、ほとんど前に進むことはできず、横に押し流されて行く感じだった。
 アサギマダラの長距離移動が季節風と大きく関わっていることが疑いがなさそうだが、具体的なことは何一つわかっていない。今朝見たアサギマダラを見て思ったことは以下のようなことだ。
 アサギマダラが陸上を飛んでいるときは、様々な目標物があるので、視覚をもとに自分の位置を把握できるため、風が吹けばそれに逆らって自分を同じ位置に保とうとすることができそうだ。だが、力及ばずひとたび陸地を離れてしまうと、目標となるものが海面と空のような均一性が高いものしかなくなるので、いくら視覚が働いていても自分の位置を把握することができず、次の陸地にたどり着くまでは、風に流されるがままになってしいそうだ。海上で風に逆らって飛ぶことは、ほぼ不可能だろう。
 アサギマダラは毎年同じような経路をたどって移動することが知られているが、そのかなりの部分を地形と季節風から説明できそうな気がする。

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2006年10月24日 (火)

雨が上がって

 低気圧が東に去り、昨日までの雨も上がった。かなり本格的な雨だったので、これまでの雨の不足分を十分に補ってくれたのではないかと思う。
 雨が上がる頃まではそれほど風は強くなかったが、今日の昼ぐらいから北西の風が強くなった。畑のぬかるみが無くなった午後からキャベツ畑で害虫の調査をしたが、風が強かった分だけ、寒さを余計に感じたようだ。
 これからは日に日に夕暮れが早くなり、気温も下がっていく。我慢の季節はすぐそこまで来ている。

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2006年10月23日 (月)

サザンカの香り

 このところしばらく雨が降っていなかったが、今日は明け方に雨が降ったらしく、地面が濡れていた。
20061023blog  サザンカ Camellia sasanqua Thunb. ex Murray はしばらく前から咲いていたが、これまでは花の香りには気が付かなかった。今日は雨上がりで風も無かったせいか、サザンカの木のまわりには、サザンカの花の香りが漂っていた。それとも、雨が降ったことで、香りが出るようになったのだろうか?
 香りを言葉で表現するのは自分にはとても無理だが、サザンカの香りは良い香りだと思う。

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2006年10月22日 (日)

ニライカナイからの手紙

 DVDで「ニライカナイからの手紙」を見た。妻が借りてきたのだ。竹富島で生まれた少女の成長が主題になっている。主演の蒼井優は好演だと思った。映画の出来もそれなりに良かったと思った。が、期待はずれの部分も多かった。少女が竹富島で生まれたという必然性が希薄なのだ。もちろん、ニライカナイ信仰を伏線にするという意図があったのだろうが、なんとなくこじつけたに過ぎないと感じられた。
 おそらく、同様の物語の展開の映画があるとして、その舞台が沖縄でなかったら、決して見る事のない映画だったと思う。沖縄の映画なら、もっと沖縄らしさが出たものでないと、満足できないような気がする。
 「ナビィの恋」や「ホテル・ハイビスカス」のように、涙も笑いもある映画の方が好きだ。

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2006年10月21日 (土)

栗拾い

 今日の夕方、一番下の息子と一緒に近所の墓地に栗拾いに行った。息子は一人で何度も行っているが、自分は久しぶりだ。なにしろ、平日の就業時間の終わりには既に暗くなっているので、栗拾いなんぞできない。
 息子が普段行っている木は2本あり、その下でもそれなりに栗の実を拾うことができたのだが、他にも栗の木があったような気がしていたので、そちらにも行ってみた。予想通りの場所に栗の木は見つかったが、目に付きやすい場所に落ちている毬にには、実は全く見つけることができなかった。ところが、藪になっている斜面に目を移すと、地面には多量の毬が落ちていた。実が入っている毬が無いはずなはい、と思って斜面になっている藪に突入したところ、裸の実も多量に落ちていた。しかしながら、ほとんどが小振りの実ばかりだった。
 家に帰ってから数えてみたら222個もあった。これまでで一番の収穫だ。

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2006年10月20日 (金)

枝雀の代書

 履歴書を準備しなければいけなくなったので、故桂枝雀師匠の「代書」を思い出した。DVDを買ったばかりの頃は、毎日繰り返し観ていたが、何度見ても笑うので息子たちに笑われていた。でも、面白く感じられるのだから仕方がない。よほど波長が合っているのだと思う。
 今日は久しぶりにDVDを取り出して観たのだが、もちろん笑えた。

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2006年10月19日 (木)

キャベツの害虫の調査

 今月はじめに植えたキャベツで毎週3回ぐらいの頻度で害虫の調査をしている。はじめのうちは、モンシロチョウ Artogeia rapae (Linnaeus, 1758) の卵が目に付くぐらいだったが、ヨトウガ Mamestra brassicae (Linnaeus, 1758) の卵塊やキンウワバ類 (Plusinae) の卵も見つかるようになり、一部で孵化も始まった。
 キンウワバ類の種は、卵を見ただけではもちろん種名までわからないが、ここらで発生しているのはイラクサギンウワバ Trichoplusia ni (Hübner, [1803]) かタマナギンウワバ Autographa nigrisigna (Walker, 1858) のどちらかだと思う。
 まだ害虫の個体数が少ないので調査はそれほど時間がかからないが、これからどうなるだろう。

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2006年10月18日 (水)

校正

 名古屋昆虫同好会の会誌の校正用のゲラが送られてきた。年に4回発行しているが、編集は3人で分担しているので、それぞれが毎回印刷屋とやりとりするわけではない。自分は編集担当幹事の一人だが、今回は別の幹事の担当なのでゲラのチェックをするだけで良い。たかだか16ページなのだが、文字が小さいので、中身はそれなりに濃い。やはり、かなり気を使う作業だ。

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2006年10月17日 (火)

キャベツの害虫の採集

 来月開催される職場の一般公開に備えて、キャベツの害虫の写真を準備することが必要になり、職場のキャベツ畑で害虫採集をした。完全無農薬の畑と定植時のみに農薬を施用した畑なので、キャベツの葉は激しく食害され、売り物になりそうにないものばかりだ。というわけで、害虫の採集は非常に容易だった。それに、害虫とは言え、昆虫を採集するのは楽しいことだ。
 食い跡が一番目立ったのはヨトウガ Mamestra brassicae (Linnaeus, 1758) だった。ヨトウガの幼虫は集中分布しており、食害が激しいので、何処にいるかはすぐにわかる。モンシロチョウ Artogeia rapae (Linnaeus, 1758) の幼虫も見られたが、一様分布する傾向にあるので、たくさん採集しようと思うと、たくさんの株を見なければならない。オオタバコガ Helicoverpa armigera (Hübner, [1808]) やイラクサギンウワバ Trichoplusia ni (Hübner, [1803]) の幼虫も見られたが、いずれもそれほど多くなかった。コナガ Plutella xylostella (Linnaeus, 1758) の成虫はたくさん見られたが、他の害虫による食害が激しいので、小さいコナガの幼虫を探すのは容易ではなく、結局見つける事ができなかった。
 ここであらためてこれらの種の学名について見てみると、いずれも記載年代が古いものばかりだということがわかる。リンネによる記載のものが3種もある。その当時からこれらの種は、害虫として重要な意味を持っていたのだろう。

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2006年10月16日 (月)

土を掘り出したのは誰か?

20061016blog  ここ数日は天気が良くなったので、畑の土の表面も少し乾いてきた。畑の土は黒ボク土だが、実はもともと黒ボク土だったわけではなく、表面だけだ。30cmも掘れば赤土になる。
 程よく表面が乾いているので、黒土の一部に細かい赤土が掘り出されたようになっている部分が何か所もあるのに気付いた。これを掘り出したのは誰か、と思いながら移植ごてを使って掘ってみるのだが、あるはずだと思われる穴は見つからない。昆虫かも知れないし、昆虫以外の動物かも知れない。

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2006年10月15日 (日)

昆虫同好会の意味

 虫供養のあとは、部屋を変えて月例会がおこなわれた。それぞれ参加者が近況の報告などをしたが、昆虫同好会が社会の中で果たす役割についても話題になった。
 昭和50年代ぐらいから、自然保護という名目のもとで、自然を理解するための格好の手段である昆虫採集という文化が否定されるようになり、自然を表面的にしか理解していないような人々が自然保護を唱えるようになった。昆虫同好会に集う人たちは深く自然を理解していると自負していながら、表面的にしか自然を理解していない自然保護運動に関わる人々からいわれのない非難を受けることも多い。
 自然を理解するためにまず必要なことは、生物の名前を正確に把握することだろうと思う。人を相手にしていても、まず相手の顔を名前を一致させなければ話が始まらない。昆虫は動物の中でもとりわけ種数が多く、名前を覚えるだけでも実に大変なことだ。事実、何の資料も無しに昆虫の名前を言い当てることは、昆虫の専門家でも極めて困難なことだ。正確に名前を確認するためには、正しく標本を作って実態顕微鏡を使って論文の文章や図を見比べることが必要な場合も多い。昆虫同好会に集う人たちは、この部分に多くの努力を注いでいる。自然保護運動に関わっている人々で、この部分に力を入れている人はどれほどいるだろうか?目立つ特定の種に限った保護運動をしている人々は、その特定の種以外の生物に関する知識が極めて乏しいという事例が多いのではないだろうか?
 自然を表面的にではなく理解する事は、本当の意味での自然保護に対して役に立たないはずはない。昆虫同好会に集う人たちは、自然を理解するための入り口で役に立つ事ができるはずだ。

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虫供養

 今日は名古屋昆虫同好会の虫供養に出かけた。無闇矢鱈に虫を殺しているわけではないが、自然を理解するという過程の中で、犠牲になってもらった虫の数は少なくない。無駄に殺しているわけではないことを心の中で整理する意味もあり、お寺でお経をあげてもらうのも意味のあることだと思う。供養してもらうぐらいなら虫を殺すようなことをするな、という意見を述べる人も多いが、意識的に虫を殺しているか、無意識のうちに虫を殺しているかの違いがあるだけで、ほぼ全ての人は虫を殺している。意識した上で意味のあるものを選んで殺して、それを供養する人の方が、無意識のうちに多くの虫を殺していながら何の供養もせずに、意識的に虫を殺している人を非難する人よりずっとまともではないかと思う。いずれにしても、人間は罪深いものだ。
20061015blog1 20061015blog2  名古屋昆虫同好会の虫供養は今年で41回目になる。始めて以来、名古屋の桃厳寺でおこなわれている。よくもまあ長いこと続いているものだと思う。これには、古くからお世話役になっていただいているIさんの力が大きい。

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2006年10月14日 (土)

ムネアカセンチコガネ

 今日は下の二人の息子と一緒に、郊外にある里山に出かけた。目的は栗拾いだ。いつもは、散策に誘ってもなかなかついて来ない息子たちも、食べられるものを採りに行くということになると、ちょっと違うようだ。
 ところが、ちょっと時期を逸してしまった感じで、もう誰かが採った後でイガばかりがたくさん落ちており、まともな実は少なかった。それでも、いくらかの栗の実を拾うことができ、息子たちはそれなりに満足していたようだ。
 もうそろそろ帰ろうか、と思った頃、雑木林の中の細い道の脇の背丈の低い笹藪の中を、赤っぽい色をした甲虫が飛んでいるのが目に付いた。もしや、と思って手で採集すると、それは予想通りムネアカセンチコガネ Bolbocerosoma nigroplagiatum (Waterhouse, 1875) だった。
 ムネアカセンチコガネはしばしば灯火にも飛んでくることがあるので、決して珍し種ではないが、まだ生態がよくわかっていない種だ。古い牛糞を食べる、という報告もあるらしいが、牛糞とは全く縁のなさそうな場所でも採れることがあるので、何か別のものを食べているのかも知れない。

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2006年10月13日 (金)

秋のヒバリ

 キャベツ畑で害虫の調査をしていると、思いがけずヒバリ Alauda arvensis Linnaeus, 1758 の鳴き声が聞こえた。空を見上げると、細かく羽ばたいているのが見えた。
 ヒバリの鳴き声は繁殖活動に関係していると思っていたのだが、今頃繁殖するのだろうか?

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ハリガネムシ

20061013blog  キャベツ畑での調査を終えて研究棟に戻ろうとしたところ、道路にカマキリがいるのが見えた。近寄ってみるとハラビロカマキリ Hierodula patellifera (Serville, 1839) の♀であることがわかったが、もうほとんど死んでいる状態だった。同時に目に入ったのは、半分干涸びかけたハリガネムシだった。ハリガネムシとは、鞘翅目 Coleoptera コメツキムシ科 Elateridae の仲間の一部の種の幼虫のこともそう呼ぶが、このハリガネムシは類線形動物門 Nematomorpha に属する動物だ。
 ハリガネムシの生活史はかなり特殊で、カマキリ類などの昆虫が最終宿主になるが、卵は水中に産まれる。孵った卵は水棲昆虫に取り込まれて、水棲昆虫が中間宿主となり、その水棲昆虫をカマキリなどが食べることによって、最終宿主の体内で成熟するということだ。しかも面白いことに、ハリガネムシに寄生されたカマキリは、自ら水辺に向かうということらしい。カマキリが水辺に達すると、ハリガネムシはカマキリの肛門付近から脱出して水中に入る。
 ところが、今日ハリガネムシを見た場所は水辺ではなく、アスファルトで舗装された道の上だ。おそらく、カマキリが交通事故か何かに遭遇し、それが刺激となってハリガネムシはカマキリから脱出したものの、近くに水が無かったので、干涸びて死んでしまったということだと想像される。

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2006年10月12日 (木)

性フェロモン成分による交信撹乱

 今日は、ガ類の性フェロモンによる交信を性フェロモン成分を使って妨害することによって、害虫であるガ類の幼虫による被害を減らそうという野外試験の調査を手伝いに行った。この野外試験には広い面積が必要なので、研究所の畑だけでは面積が少なすぎて試験にならないので、農家のキャベツ畑を借りて試験をしている。研究中のことなので、詳しいことを書くわけにはいかないが、農家の畑を借りている都合上、こちらの設計どおりの試験を行うわけにいかないことが多いので、なかなかはっきりしたことを言うのは難しいと感じた。これが思惑どおりにいけば、農薬の散布回数を減らすことができるはずなので、何とか良い結果を出せるようにしたいものだ。

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2006年10月11日 (水)

ハエトリグモ

 知人から送られてきた本の原稿を居間のテーブルで読んでいたら、目の前にハエトリグモが現れた。残念ながら種名まではわからないが、とにかくハエトリグモの仲間であることだけは間違いない。
 自分は子供の頃から昆虫は好きだったが、大人になってしばらくのうちはクモが苦手だった。何となく気味が悪いのだ。昆虫好きの人の中には、生き物なら何でも好きだ、という人がいるのも確かだが、クモは苦手だという人はけっこう多いように思える。しかし、クモの本質を少しずつ理解するにつれ、クモを嫌悪することもなくなってきた。こちらに来てからはコモリグモの仲間を研究材料の一つとして仕事で扱うことになったのだが、最近は愛着も出て来た。しかし、まだごく限られた種のクモしか同定することができない。
 それはともかく、ハエトリグモだけは例外的に子供の頃から嫌悪感が無かったクモの仲間だ。ピョンピョン跳ねて、見ていても面白い。透明なプラスティックカップの中で小さな昆虫を飼育していると、カップの外にハエトリグモがやってきて、カップの中の昆虫を食べようと努力しているのをみると、頑張れ!などと言いたくなってしまう。
 しかし、家の中をハエトリグモが歩き回っているのは、問題が無いとも言えない。我が家には庭もあるし、家には隙間もあるので、ハエトリグモも、餌となる昆虫も、家の中にたくさん居るということなのだろう。事実、今でも毎晩、蚊に悩まされている。

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2006年10月10日 (火)

強風の被害のその後

 昨日は休日だったのでキャベツ畑は見なかったが、今日は害虫の調査をした。一昨日までの強風の被害は想像以上にひどいという実感を受けた。キャベツの苗は先週植えたばかりなので、まだ小さい。仕方がないので、もう少し様子を見てから補植することになるだろう。
 今日は風もなく、気温もかなり上がり、畑での調査のときはTシャツ1枚でも大丈夫だった。明日は天気が崩れるらしい。

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2006年10月 9日 (月)

伊勢市朝熊ガ岳へ

 今日は家族と一緒に伊勢市の朝熊ガ岳にハイキングに出かけた。山に登ること自体、それは一つの目的だったが、もう一つの目的はアサギマダラ Parantica sita niphonica (Moore, 1883) のマーキングだ。
 近鉄朝熊駅から、朝熊峠を経て、山頂、さらに金剛證寺を経てレストハウスに行った。帰りは山頂を通らず、金剛證寺の旧参道を通って朝熊峠に出て、朝熊駅まで戻った。
 駅から登山口に向かう途中、ツクツクボウシ Meimuna opalifera (Walker, 1850)の鳴き声が聞こえた。自宅周辺ではもう鳴き声が聞こえなくなっているので、今年の聞き納めかも知れない。
20061009blog6  朝熊登山道は登山口から朝熊峠まで約2.4kmの道のりだ。途中1町(約109m)ごとに碑やお地蔵さんが立っているので、どのあたりまで来たのか分かるので、精神的にも安心できる。朝熊峠は22町だ。
 朝熊峠から山頂に向かう途中、初めてのアサギマダラが現れた。苦労したが何とか捕獲したが、残念ながらマークは付いていなかった。比較的新しいが、もう交尾を済ませた♀だった。そこから山頂に向かったが、花が非常に少なく、アサギマダラが集りそうな予感は無かった。しかし、ときおりルリセンチコガネ Geotrupes auratus Motschulsky, 1857 が飛び出して来るので嬉しかった。野登山や御在所岳にはミドリセンチコガネがいるが、いずれもオオセンチコガネの色彩変異だ。ルリセンチコガネは紀伊半島に広く見られ、奈良の春日山が有名な産地だ。理由はわからないが、津市から伊賀地方にかけては、オオセンチコガネの分布の空白地帯になっている。
 山頂に行くと、アマチュア無線家と思われる人たちが無線機を前に交信していた。持参した握り飯の昼食を済ませ、その無線家のところに近づいてみると、それはアマチュア無線ではなく、市民無線と特定小電力無線だった。アマチュア無線家なら話が通じると思ったのだが、市民無線や特定小電力無線では何を話題にして良いのかわからないので、声をかけるのはやめた。
20061009blog2  金剛證寺に向かう途中の山道では、40cmを裕に超える巨大なミミズを発見した。残念ながら、種名まではわからない。この他にも30cmを超える個体も発見した。この山には大きなミミズが多いのか、それとも今日はたまたま巡り会っただけなのかはわからない。
20061009blog3  偶然ではあったが、日本アマチュア無線連盟が設置したビーコンの送信所も発見してしまった。ここからは50MHz帯と14MHz帯の電波が送信されている。これは津市の自宅からもはっきり受信できる。
20061009blog1  金剛證寺を経てレストハウスに向かう途中、道沿いの歩道の手摺の擬木にヒメカマキリ Acromantis japonica Westwood, 1849 がいるのを息子が見つけた。よく見てみると、たくさんいることがわかった。ヒメカマキリはこれまであまり縁がなかったので、これだけたくさん見られると大変嬉しい。しかし、何故擬木にいるのか、理由がよくわからない。擬木にぴったりと張り付いているような姿勢の個体が多いので、おそらく本来は樹木の幹で生活しているのだろう。
 レストハウス付近では、ときおり上空をアサギマダラが飛ぶのを見たが、とても手が届く高さではなかった。レストハウスの展望台からは、渥美半島は目の前に見えるし、知多半島もそれほど遠くない場所に見える。渥美半島や知多半島から飛び出すアサギマダラは、朝熊ガ岳を目印にして飛翔することは十分に可能だろう。
 お昼を過ぎたあたりから、山頂付近は雲の影になることが多く、朝熊峠に下るまでは、ときおりルリセンチコガネも現れたが、飛んでいる虫の数も少なくなったように感じられた。
20061009blog7  朝熊の駅に戻ると、ホームの端に生えたアザミの一種にホウジャクの一種が吸蜜に訪れていた。残念ながら、このホウジャクの一種も種名がわからない。

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2006年10月 8日 (日)

強風の被害

 強風は今日も止まなかった。職場の前の並木の下に落ちている木の枝の量も、昨日より増えているように思える。
 畑に行ってみると、先週定植したばかりのキャベツの苗が、風に吹かれて傷んでいた。去年の12月の始めにも強風で畑のキャベツが痛めつけられたが、そのキャベツはその後信じられないぐらい復活し、春には立派なものが収穫できた。キャベツは意外に打たれ強いと思ったのだが、今回の強風の影響はどうだろうか?

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2006年10月 7日 (土)

発達した低気圧

 今日も一日風が強かった。陽が射している時間も長かったが、流れて来た雲から、ときどき雨も落ちて来た。
 日本の南岸で発生した低気圧が発達し、今日は東北地方の東の海上に達し、猛烈に発達している。気象庁のウェブサイトを見ると、今日の18:00現在の低気圧の中心の気圧は966hPaにもなっている。中心気圧だけを見たら、並の台風以上に勢力が強いことが想像できる。
 船が真っ二つに折れているのを夕刊で見て驚いたが、低気圧が並の台風以上に発達していたならば、不思議とも言えない。
 気象庁は台風情報はウェブサイトにも発表しているが、台風以上に発達していても、それが温帯低気圧だったら、その時点で出ている警報以外の情報はウェブサイトを見てもわからない。
 現実問題としては、台風であろうと温帯低気圧であろうと、それが発達しているのであれば、進路予測とか、暴風域の予測とかを発表した方が良いのではないかと思うのだが、これは素人考えだろうか?航行する船にとっての危険は、どちらでも似たようなものだろうから。

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2006年10月 6日 (金)

秋の香り

 降り続いていた雨も午後には上がって、晴れ間が見えて来た。と同時に、西風がやたら強く吹きはじめた。日本の南海上の低気圧が台風並みに発達しているせいかも知れない。職場の前の並木の細い枝もたくさん折れて落ちていた。
 いつもなら午前中に済ませるキャベツ畑での害虫調査だが、今日は畑がぬかるんで無理かと思っていた。ところが、夕方には畑に入ることができ、何とか今日中に済ますことができた。今日できないと、連休中に調査をしなければいけなかったので、助かった。
 畑から居室にもどる途中、ふとキンモクセイ Osmanthus fragrans Lour. var. aurantiacus Makino の花の香りがした。秋の香りだ。だが、香りに気付くまでは、木の存在を忘れていた。しかし、よくよく考えてみれば、そろそろキンモクセイの季節だ。香りを嗅ぐまでは完全に忘れていたとは、日常が忙しすぎるのかも知れない。

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2006年10月 5日 (木)

秋のニホンアマガエル

 このところ天気が悪い日が多い。そのせいか、ニホンアマガエル Hyla japonica Günther, 1859 がよく目に付くようになってきた。職場の建物の北側の壁には何頭ものニホンアマガエルが張り付いている。今日などは、3階の窓にも張り付いていた。よくもまあこんな所まで登ってきたものだと感心する。
 今日は聞かなかったが、数日前にニホンアマガエルの鳴き声が何回も聞こえて来た。カエルが鳴くのは繁殖のためだと思っていたが、これから気温が下がるのに繁殖するとも思えない。ニホンアマガエルがこの時期に鳴くのはどんな意味があるのだろうか?

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2006年10月 4日 (水)

クスサン

20061004blog_1  今朝出勤したところ、職場の建物の入り口の近くの外壁にクスサン Saturnia japonica (Moore, 1872) の♀成虫が止まっていた。そろそろクスサンが発生する頃ではないかと心待ちにしていたが、やっと姿を見ることができた、という感じだ。期待していたのは、今年の夏前に、通勤途中の道沿いの街路樹にクスサンの幼虫が大発生して、数本の木の葉がほぼ完全に無くなっていたのを見たからだ。しかし、幼虫が大発生した場所から職場までは1キロちょっと離れているので、そこから飛んでくる可能性は低いだろうから、どこかもっと近くの木で発生したのではないかと思う。
 早速写真を撮ろうと思ったら、下のコンクリートの地面に落ちてしまった。

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2006年10月 3日 (火)

アオマツムシ

 夕方になるとアオマツムシ Truljalia hibinonis (Matsumura, 1917) の鳴き声が相変わらず騒々しい。ちょっとした木がある場所ならどこにでもいる感じだ。もちろん、我が家の近くでもたくさん鳴いている。よく耳を澄ませば、ツヅレサセコオロギ Velarifictorua micado (Saussure, 1877) やマツムシ Xenogryllus marmoratus (de Haanm 1844) の鳴き声も聞こえるのだが、アオマツムシの鳴き声に完全にかき消されてしまっている。
 ところが、夜も更けて22時を過ぎる頃になると、アオマツムシの鳴き声がどことなく弱まり、22時30分ぐらいになると、他の虫の鳴き声がはっきりとわかるようになる。時刻によって、鳴く虫の種類が変わってくるのだ。
 しかし悲しいかな、秋に鳴く虫の種類が多すぎて、自分の耳が識別できる能力を大幅に越えている。それを聞き分けられれば、面白いことがたくさん分かってきそうなのだが。

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2006年10月 2日 (月)

オオカマキリに関する謎(1)

 酒井與喜夫さんが調べた新潟県にしても、安藤喜一先生が調べた弘前市にしても、本を読んだり話を聞いたりした限りでは、オオカマキリ Tenodera aridifolia (Stoll, 1813) がたくさん棲息しているようだ。自分が岩手県盛岡市に住んでいたときの印象では、カマキリ類はかなり珍しく、7シーズンで数回見た程度だった。
 このことからの推測だが、雪が多いことがオオカマキリが棲息することにとって好都合なのではないかと思うのだ。盛岡は寒いが雪はそれほど降らない。自分が過ごした8回の冬のうち、最も積雪が深くなった時でもせいぜい30〜40cmだったように記憶している。雪に埋もれてしまえば、それほど低い温度条件に曝されることは無くなるだろうが、埋もれなければ時には-20℃にもなろうとする厳しい低温に曝されることになる。さすがにこれでは休眠をもたないオオカマキリの卵にとっても辛いのではないかと思う。自分が調べるわけにいかないので、誰か調べてくれないだろうかと思っている。実は、もう誰かが調べてしまっているのかも知れないが。
 酒井與喜夫さんの本を読んでもう一つ気になるのは、オオカマキリの棲息環境のことだ。自分の印象では、オオカマキリと言えば原っぱに棲むカマキリで、木の上に棲むのはハラビロカマキリ Hierodula patellifera (Serville, 1839) だからだ。新潟県のオオカマキリは杉林が好きなのだろうか?

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2006年10月 1日 (日)

カマキリは大雪を知っていた

酒井與喜夫著, カマキリは大雪を知っていた. (社)農山漁村文化協会 人間選書250 ISBN4-540-03114-7.
 昆虫学会でこの本に書かれていることを批判した元弘前大学の安藤喜一先生の講演を聴いたのに、この本を見ないのは片手落ちだと思って図書館で借りて来て読んだ。
 読んでまず感じたのは、この本の著者のモノの見方は生物を見る人の見方ではない、ということだ。生物に身近に接している人なら、雪に埋もれてしまうとオオカマキリ Tenodera aridifolia (Stoll, 1813) の卵は本当に死んでしまうのだろうか、ということを疑うのはあたりまえだと思うのだが、この本の著者は越冬中の卵の生存率を全く調べていない。論理展開は、雪に埋もれた卵はすべて死んでしまう、という思い込みを前提としたものとなっている。
 卵嚢の高さと最深積雪の関係は87ページに示されているが、有意な相関がないので、相関が出てくるように様々な補正が施されている。このようなアプローチをしていることから、この本の著者の考えがカマキリの生態を明らかにしようという生物学的なものではなく、オオカマキリの卵嚢の高さから最深積雪を予測しようという、工学的なものであるということが伺える。それはそれで良いと思うのだが、カマキリが木から何かを感じている、などというところからは、もう完全に「トンデモ」の世界だと思った。科学というのは、客観的に評価できるデータをもとに論じなければいけない。
 生物を見るものの立場からすると、弘前では原っぱの草に卵を産んで、冬には雪に埋もれ、解けた雪の中から現れた卵が無事に孵化するオオカマキリが、何故新潟では高い木に卵を産むのか?というところが疑問になる。雪に埋もれた卵の方が埋もれなかった卵よりむしろ孵化率が高い、という安藤先生が示したデータも考慮して新潟のオオカマキリの産卵習性を理解したいところだ。

(以下2007年9月23日追記)
 安藤喜一先生は2007年9月15日から開催された日本昆虫学会第67回大会の2日目に、この本に書かれていることは間違いである、とはっきり断定する研究発表をされた。それに関しては以下の記事を読んでいただきたい。
「日本昆虫学会第67会大会2日目」(2007年9月16日記)

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