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2006年10月27日 (金)

CICADA Vol. 18 No. 4

 帰宅したら日本セミの会々報 CICADA Vol. 18 No. 4 が届いていた。税所さんの「個体数の増減と鳴き始め時刻の関係について」の報告は、温度に差がなくても個体数が増減しただけでセミの鳴き始めの時刻や時期が変動することを明快に示している。ともすると、初鳴きの季節が早いから今年は暖かい、などと単純に考えてしまいがちであるが、そうとも言い切れないということだ。
 自分が昆虫の発生と気温の関係を論じる場合、初認値ではなく中央値(50%観測値)を用いる。中央値は個体数の影響は受けないので、好都合な値なのだ。ただし、観測して記録するのには、大変手間がかかる。
 この会報には昨年末病気で急逝されたFさんの追悼文が多数寄せられていた。石垣島に住んでいた1999年6月17日の夜、石垣島米原のヤシ林の中で灯火採集をFさんや税所さんらと一緒にやったことは野帳にも書き残してあるし、その晩イワサキヒメハルゼミ Euterpnosia iwasakii (Matsumura, 1913) が飛んで来たのも覚えているのだが、会報の載っているFさんの顔写真を見ても、こんな顔だったのかどうかもはっきりしない。これはちょっと情けないことだ。自分が人の顔を覚えるのが苦手なことも確かだが、石垣島に住んでいた頃は、色々な人と一緒に昆虫採集をしたので、自分が覚えきれる以上の人に会っていたということだろう。それはともかく、Fさんの名前は会報の紙上に何度も登場しているので、日本のセミの研究においてFさんが重要な人物だったことはよくわかっているつもりだ。あらためてご冥福をお祈りしたい。

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