葉の巻物
職場の成分分析の研究者の方が来て、これが何か教えて欲しい、と言った。植物の葉が巻かれて俵のようになっている。苗を作る時に使うビニルポットの中に落ちていたのを、パートさんが見つけたそうだ。
即座に、それはオトシブミという甲虫の仲間が作ったもので、中に卵が産まれています、などと言ってしまったが、あとからよくよく考えてみると、今はオトシブミが揺籃を作る季節でもない。それと、俵の上の部分が奇麗な蓋になっていたのも引っかかった。オトシブミなら葉が巻かれているだけで、蓋になるようなものは作らない。
もう一度現物を見せてもらいに行って巻物を解体した。すると、中から糊状になった花粉が出て来た。ハキリバチだ。ハキリバチが植物の葉を切り取るのは何度も見たことがあるが、ハキリバチが作った育児室を見たのは初めてだ。ビニルポットの中に落ちていたのは解せないが、近くに竹を切ったものがあったということなので、その中に作られたのが何かの拍子で下に落ちたのだろう、という理解をすることにした。
今日は一日中雨降りで、セミの鳴き声も聞かれなかった。昨日はニイニイゼミ Platypleura kaempferi (Fabricius, 1794)、アブラゼミ Graptopsaltria nigrofuscata (Motschulsky, 1866)、ツクツクボウシ Meimuna opalifera (Walker, 1850) の鳴き声が確認できたので、天気が回復すればまたこれらのセミの鳴き声が聞けるのではないかと期待している。
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