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2006年9月18日 (月)

日本昆虫学会第66回大会3日目(2006年9月18日)

20060918blog  台風は通り過ぎたが、朝方まで雨は少し残っていた。学会の会場の鹿児島大学構内のイチョウ並木は潮にあたって痛んでいる様子だ。風が吹いたのに雨はそれほど降っていないからなのだろう。
 午前中の一般講演が終了したあと、亜熱帯の昆虫の休眠のことが疑問になり、正木進三先生をつかまえて質問した。正木先生はもう定年退官されてから10年以上になるが、毎年学会に参加されて研究発表されている。マダラスズ Dianemobius nigrofasciatus (Matsumura, 1904) という小型のコオロギを材料にして昆虫の季節適応に関する生態学的な研究を長年行っておられる、世界的にも名が通っている超一流の研究者だ。今年の講演では、石垣島に分布するミナミマダラスズ Dianemobius fascipes (Walker, 1869) の休眠反応の発表をされたので、自分が石垣島に住んでいたときに観察した石垣島の機構と石垣島に棲む昆虫の生活史のことについていろいろ疑問を感じることがあったので、思い切って質問してみたのだ。自分の考えもいろいろ聞いていただいたのだが、亜熱帯の昆虫の休眠については、まだ研究事例が少ないので、これから明らかにしなければいけないことが多いというところで見解が一致したと理解した。
 午後からは「ファーブル昆虫記とその後の100年」のシンポジウムに参加した。北海道大学総合博物館、国立科学博物館、滋賀県立琵琶湖博物館、兵庫県立人と自然の博物館、北九州市立自然史・歴史博物館、フランス国立自然史博物館の共同企画で行われるファーブル展を宣伝する意味もあるシンポジウムだ。これまでのファーブル展と言えば、ファーブルを無条件に賞賛する内容のものばかりだったが、今度のファーブル展は、ファーブル昆虫記をなるべく客観的に評価した展示内容にするということのようだ。開催されるのは来年秋からという予定のようだが、早く見たいものだ。
 最後は「半翅類学会」の小集会に出席した。とくに講演はなく、自己紹介を交えて様々な情報交換をした。予定の時間が過ぎると場所を居酒屋に変えて懇親会に突入し、夜遅くまでとりとめもない話をした。カメムシ、ウンカ、ヨコバイの話ばかりでなく、人類はあと何年生き延びられるだろうか、などと。

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