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2006年9月

2006年9月30日 (土)

アサギマダラに会いに行く

 ここ最近、アサギマダラ Parantica sita niphonica (Moore, 1883) のメーリングリストに再捕獲の情報がたくさん寄せられるようになってきた。これに刺激されて、亀山市と鈴鹿市の境界にある野登山に行って来た。朝方は天気が悪かったので出発が遅くなってしまったが、昼前には現地に到着できた。示し合わせたわけではなかったが、ほどなくアサギマダラの同士のNさんが現れた。現地も陽が射していないせいか、アサギマダラは少なく、手持ち無沙汰でになり、Nさんとの雑談を楽しむことになってしまった。風もなく気温も高いので、陽が射してくれれば、と思っていたところ、午後2時半を過ぎた頃から陽が射すようになり、アサギマダラが飛び出す数も増えて来た。捕獲に何度も失敗もしたが、総計4♂5♀に標識をつけることができた。野登山はアサギマダラの移動のメインストリートではないことはだいたいわかっているので、これだけ標識をつけることができたのは、まずまずの成果ではなかったかと思う。南西諸島で再捕獲されることに期待したい。
 アサギマダラに神経を集中していても、セミの鳴き声には無意識に反応してしまう。ミンミンゼミ Oncotympana maculaticollis (Motschulsky, 1866) とツクツクボウシ Meimuna opalifera (Walker, 1850) の鳴き声をそれぞれ1回ずつ聴いた。ミンミンゼミは普段の生活範囲には棲息していないので、今年初めて鳴き声を聞いたことになる。もちろん、もうすぐ鳴き終えるだろう。

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チチコグサ

20060930blog1  朝、庭の草を少し抜いた。借家ではあるが、我が家の庭には芝生があるのだ。この芝生は、たまには手入れをしないと、どうしようもない状態になる。去年までは、芝や草が伸びてくると芝刈り機を使って刈っていたのだが、だんだん綿毛のような種を付ける草が勢力を増して来たように見えた。その草の名前を図鑑で調べたところ、チチコグサ Gnaphalium japonicum Thunb. だということがわかった。ハハコグサ Gnaphalium affine D. Don. の名前は子供の頃から知っていたが、チチコグサというのかあるとは知らなかった。しかも、チチコグサとハハコグサは同じ属に分類されるほど近縁なのだ。この2種の外見は一見似ていないので、同じ属だとは思わなかった。しかし、花のつくりをよく見てみると、似ているのは確かだ。
 チチコグサが勢力を増して来た理由を考えてみたところ、その形態が意味を持っているように思えた。チチコグサはロゼット状の葉の塊から1本ないし数本の花茎を出して花を咲かせ種子をつける。芝刈り機を使うと、花茎は刈り取られるのだが、ロゼットは全く影響を受けないのだ。
20060930blog2  そこで少し考えて、チチコグサを選択的に除去することを試みた。これは一つの生態学的な実験だ。芝生の中のロゼットを抜き取るのは手だけでは無理なので、先端が二つに分かれた草抜きを準備した。これを使ってとにかく徹底的にチチコグサとその他の雑草を抜いたのが今年の初夏のことだった。
 その努力が実って、芝生の勢力が増し、この夏の芝生はこれまでよりずっと人工的な奇麗さを増した。本当は人工的な美しさは好きではないのだが、この芝生の持ち主は家主さんだから仕方がない。徹底的にチチコグサを抜いたにもかかわらず、花茎を出していないロゼットは見落とすことも多いので、今日のようにまた草を抜かなければならない。まだ生態学的な実験は続くのだ。

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2006年9月29日 (金)

風が止んで

20060929blog  昨日までの風が止んだので、今日もまた職場のヒヨドリバナ属 Eupatorium の一種が生えている場所に行ってみたが、やはりアサギマダラ Parantica sita niphonica (Moore, 1883) は見られず、蝶はツマグロヒョウモン Argyreus hyperbius hyperbius (Linnaeus, 1763) の♂が1頭見られただけだった。しかし、今日は昨日までとは違って、ハチやハエの仲間の個体数が明らかに多く感じられた。特に目立ったのはオオハナアブ Phytomia zonata (Fabricius, 1787) だ。昨日まではほとんど目につかなかったので、ハナアブ類も風に影響を受け易いのかも知れない。
 ツクツクボウシ Meimuna opalifera (Walker, 1850) の鳴き声は昨日よりたくさん聞こえた。これも風が止んだせいかも知れない。

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2006年9月28日 (木)

ヒヨドリバナ属

 今日も風が強かったが、昨日よりは少し収まった感じがした。ツクツクボウシ Meimuna opalifera (Walker, 1850) とアブラゼミ Graptopsaltria nigrofuscata (Motschulsky, 1866) の鳴き声も聞くことができた。
20060928blog  職場の敷地の一角に、ヒヨドリバナ属 Eupatorium の一種が生えており、ちょうど今、開花の時期を迎えている。去年まではほんのわずかしか生えていなかったが、木を伐採して明るくなったために急に広がったらしい。ヒヨドリバナ属の分類はどうも素人には難しく、わけがわからない。ともかく、ここに生えているのは純白の花が咲くヒヨドリバナ属の一種だ。この仲間の花にはアダギマダラ Parantica sita niphonica (Moore, 1883) がよく集まることが知られている。マダラチョウ亜科 Danainae の蝶は、♂の腹端にヘアペンシルという構造を持ち、交尾の前に♀をなだめる作用のある匂いを出すものが知られている。この匂い物質は、幼虫のときに食べた植物のみからは合成することができず、成虫になってから必要な成分を摂取しなければ合成できないということだ。その成分であるピロリジジンアルカロイドがこのヒヨドリバナ属の花には含まれている。アサギマダラもどうやらこの匂いに惹かれてやってくるらしい。
 アサギマダラが飛んできていないかと思って、昼休みにその場所へ行ってみたが、強い風のせいか昆虫は少なかった。蝶はツマグロヒョウモン Argyreus hyperbius hyperbius (Linnaeus, 1763) の♂を1頭見ただけだ。もうあちこちからアサギマダラの南下移動が始まっているという便りが聞こえてきているので、こちらにも飛んで来ないかと期待している。

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2006年9月27日 (水)

強風の日のツクツクボウシ

 今日は朝から良い天気になった。鰯雲も出て本格的な秋だ。しかし、日中は北西の風が強かった。トラップの調査のため外に出ると、梅の木からツクツクボウシ Meimuna opalifera (Walker, 1850) が1匹、悲鳴音をあげて飛び立った。しかし、その後はセミの鳴き声を聞くことはなかった。日中は26℃ぐらいまで気温が上がったので、気温が低すぎたということはないだろうが、風が強かったことが影響したのだろうか?いずれにせよ、セミの季節がもうすぐ終わりだということは確かだ。

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2006年9月26日 (火)

エゾゼミ類の鳴き声の聞き分け

 今日の朝日新聞の夕刊を見たら、森林総合研究所東北支所の大谷英児さんらがエゾゼミ類の鳴き声を音声解析で聞き分けるのに成功したと報じられていた。
 エゾゼミ類は自分にとってはあまり縁が無いセミだが、エゾゼミ類の鳴き声が互いによく似ていることは知っている。日本には、エゾゼミ Tibicen japonicus (Kato, 1925)、コエゾゼミ Tibicen bihamatus (Motschulsky, 1861)、アカエゾゼミ Tibicen flammatus (Distant, 1892)、キュウシュウエゾゼミ Tibicen kyushyuensis (Kato, 1926)、ヤクシマエゾゼミ Tibicen esakii Kato, 1958 の5種のエゾゼミ類が分布している。大谷さんらは、これらのうち、ブナ林に特有なコエゾゼミの鳴き声を聞き分け、ブナ林の分断化の影響を調べるのに利用しようということで研究していたとのことだ。大谷さんらは、さらに音声識別が可能な携帯装置を開発しようとしているとのことだ。
 虫に縁の無い人にこの装置を使ってもらうことは、ブナ林の調査とために有効だろうと想像はつくが、自然観察者としては、装置に頼らず聞き分けられる耳を鍛えたいものだ。
 日本に分布するセミで鳴き声の識別が困難なものにニイニイゼミの仲間 Platypleura spp. がある。7年間住んでいた石垣島にはヤエヤマニイニイ Platypleura yayeyamana Matsumura, 1917 とイシガキニイニイ Platypleura albivannata Hayashi, 1974 の2種のニイニイゼミの仲間が分布しているが、鳴き声での識別ができるようには思えなかった。ここ三重県にいるニイニイゼミ Platypleura kaempferi (Fabricius, 1794) の鳴き声も全く同じように聞こえる。

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2006年9月25日 (月)

アリジゴク?

 職場で落とし穴式のトラップを使って地表を徘徊する捕食性昆虫の調査をしているが、今日はそこにアリジゴクのような昆虫が落ちていた。アリジゴクはウスバカゲロウの仲間の幼虫だが、落ちていたものはけっこう活発に歩き回っており、形態も何となく本当のアリジゴクとは違って見えるような気もするので、ヘビトンボの仲間の幼虫ではないかと思う。どちらなのだろう?
 コマダラウスバカゲロウ Dendroleon jesoensis Okamoto, 1910 の幼虫ように擂鉢状の巣穴を作らないアリジゴクの存在を知っていたものだから、石垣島に住んでいたときも、木の幹に止まっていた"アリジゴク"を本当のアリジゴクの仲間だと思って、アリジゴクの生態学的研究で有名なM先生のところに送ったことがある。M先生から最初に来た返事は、新種かも知れない、というものだったが、そのあと届いた返事は、ツノトンボの仲間だと思います、というものだった。要するに、分類が専門ではない昆虫の専門家でも間違えることがあるぐらいに、一見したところでは似ている、ということだ。両方とも脈翅目に分類されているわけだから、決して他人の空似ではない。
 ツノトンボの仲間だとすれば、まだ大きくなるはずなので、種名を確定するには飼育しなければいけない。捕食性だということは疑いないが、何を餌として与えればいいのか、よくわからない。

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2006年9月24日 (日)

ニイニイゼミがまだ鳴いていた

 今日も午後から、飼育している虫を見に職場に出かけた。すると予期せぬことに、ニイニイゼミ Platypleura kaempferi (Fabricius, 1794) が1頭だけ、いかにも寂しげに鳴いていた。明日も鳴くだろうか?
 ツクツクボウシ Meimuna opalifera (Walker, 1850) の鳴き声も、もう盛りを過ぎて少し寂しくなってきた感じがする。

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エルンスト・マイア著「これが生物学だ」

 Ernst Mayr (1904-2005) の "This is Biology" (1997) の全訳(八杉貞雄・松田学訳, 1999、シュプリンガーフェアラーク東京)を読了。読み応えがある本だった。
 自分が勉強していないことを自白するようで恥ずかしいが、特に石垣島に住んでいた7年間は学問としての生物関係の本を真面目に読んでいなかった。自分の専門の基礎となる生態学については、ベゴンらの生態学の教科書の日本語訳が出版されたときにひととおり目を通したが、学問としての生物学の哲学に関わるような本は全く読まなかった。もっとも、持っている時間を自然の中で過ごす時間に割り当てる割合を意識的に大きくしていたので、客観的な自然観を身につけるためには役立ったのではないかと言い訳をしておきたい。と言うわけで、この翻訳本が出版されたのは7年も前のことなので、既に書評などはたくさん出ているだろうが、その書評も全く読んでいない。
 この本では、自然科学としての生物学の物理学や化学との違いを明らかにすることからはじまり、生物学の特異性、生物学の歴史、哲学などが解説され、ダーウィンの思想が人類に与えた影響の大きさ、さらに最後には人間の倫理についても言及されていた。応用科学としての生物学で仕事にかかわっており、日頃さまざまな疑問にぶちあたっていたが、いくらかは靄が消えたように思える。
 100歳を越えるまで生きていたマイアはこの本を90歳を過ぎてから書き下ろしたことになるのだが、長い研究者としての経歴の中からマイアが感じて考えて来たことが、この本に凝縮されているような気がする。これから生物学を学ぶ人だけでなく、全ての人に読んでもらって考えてもらいたい本だ。

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2006年9月23日 (土)

モンクロシャチホコ

20060923blog  今日は運動会で小学校に出かけた。旧市街地にある小学校の校庭には数種の樹木が植えられている。今日は天気が良かったので、木陰に陣取ろうとソメイヨシノ Prunus × yedoensis Matsumura cv. yedoensis の木の下に行くと、地面には虫の糞がたくさん落ちていた。この時期にソメイヨシノの葉を食べる昆虫と言えば、まずモンクロシャチホコ Phalera flavescens (Bremer et Grey, 1853) の幼虫が疑われる。その目で見て探すと、ほどなくモンクロシャチホコの老熟幼虫が何頭も見つかった。上を見上げれば、樹冠の一部の葉がほとんど食われてしまっている場所もあった。これほどたくさんの幼虫が発生することができたということは、幼虫を食う天敵も少なかったのだろう。
 幹の窪みを見ると、ヨコヅナサシガメ Agriosphodrus dohrni (Signoret, 1862) の5齢幼虫の集団が見つかった。ヨコヅナサシガメは集団で生活していて、餌を捕獲するときには集団で大きな餌に襲いかかるということだ。この幼虫の集団は30頭程度のものだったが、この程度の個体数では、たくさんいるモンクロシャチホコの幼虫の天敵として十分に機能できるほどのものにはならないだろうと感じた。
 モンクロシャチホコの幼虫には比較的長い毛が生えているので、いかにも刺されそうな気がするのだが、1頭つまんで息子の目の前で手にとって見せた。もちろん、何事も起こらなかった。こういう実演をするのも、自然体で自然とつきあうことを教えることに役立つだろうと思っている。
 校庭ではアブラゼミ Graptopsaltria nigrofuscata (Motschulsky, 1866) の鳴き声を聞き、姿も見ることができた。まだ夏の名残がある。

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2006年9月22日 (金)

コイは釣れなかった

 今日も代休だったが、飼育している虫の餌替えに時間がかかり、帰宅したのは午後3時頃だった。帰宅すると一番下の息子が待ち構えていて、コイ Cyprinus carpio L. を釣りに行きたい、と言っている。少々疲れていたので、お茶を飲んでお菓子を食べて一休みしてから出かけることにした。
 目指す場所は近所の用水路だ。狭くて水量の少ない用水路だが、大きなコイがたくさん泳いでいることは既に確認済みだ。家の裏の竹薮から切った竹を竿にして、4号の釣り糸をつけた。手持ちの針は小さすぎることは予想がついていたが、ものは試しということで、小さい針を使った。餌は食パンをちぎったものだ。
 見える魚は釣れない、という話はよく聞くが、この用水路のコイの食いつきは良かった。しかし、予想通り針をとられてしまった。予備の針を持っていかなかったので、一度家に戻ったが、手持ちの針では良くないという結論に達し、釣り具屋に行ってやや大きめの針を買って来た。それを持ってもう一度用水路に行ったのだが結果は変わりなく、針を3本とられたところで引き上げることにした。
 コイが大きすぎるのも問題だが、何とかして装備の問題を解決しなければいけない。

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2006年9月21日 (木)

ミドリセンチコガネ

 今日も代休だ。今日も飼育している虫を見なければいけないが、今日は後回しだ。
 先日昆虫学会に参加したときに、Mさんからミドリセンチコガネ Geotrupes auratus Motschulsky, 1857 を採りに行かないか、という誘いを受けたのだが、これは良い機会とばかりに、それに乗ることにしたのだ。というわけで、今日は昆虫学会の帰り道のMさんと合流して地元のSさんと一緒に御在所岳に出かけた。
 下界は良い天気だったが、御在所岳の山頂付近は若干ガスがかかり、残念ながら遠くまではっきり景色を望めるというわけではなかった。山頂付近はスキー場になっており、芝が植えられている。芝の上や周囲の草原には、あちこちにニホンジカ Cervus nippon centralis Kishida の糞が落ちていた。糞粒の集団の近くには虫が掘ったような穴が開いている場合があり、それを掘ると、何回か一度の割合で糞虫が出て来た。お目当てのミドリセンチコガネも出て来たが、ゴホンダイコクコガネ Copris acutidens Motschulsky, 1860 が出てくることもあった。
20060921blog  日が射すと芝の上をミドリセンチコガネが飛び出した。飛び回っているミドリセンチコガネは風に吹かれて意外にも速く飛び、かなり採り逃がしてしまった。
 それにしてもニホンジカの糞の量が多い。だからこそ、それを餌にしているミドリセンチコガネも多いのだろう。このこと自体は昆虫愛好家にとって嬉しい話だが、ニホンジカに樹皮を齧られたと思われる樹木もたくさんあり、植生の保護のためには、ニホンジカの個体数管理をする必要があるのではないかと思われた。しかし、このような話をすると、動物愛護団体からの反対が出るだろうということは容易に想像できる。何事も平衡感覚が大切だと思うのだが、今後どのように事態は進展するのだろうか?

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2006年9月20日 (水)

ベッコウシリアゲ

 今日は代休だったが、飼育実験している虫の餌替えのために昼過ぎまで研究所に出かけた。しかし、せっかくの休みなので、午後からは郊外のいつもの雑木林に出かけた。
20060920blog  この雑木林に来たのは3か月ぶりぐらいになる。景色はすっかり変わって、もう秋の装いとなっている。早速見つけたのはシリアゲムシの一種だった。クモの網に引っかかった虫から体液を吸っていた。何故か家主のクモは見当たらない。春に見られるヤマトシリアゲ Panorpa japonica Thunberg, 1784 とは色が違うが、今日見たのはそれと同じヤマトシリアゲの季節変異ということらしい。昔はベッコウシリアゲという名前で呼ばれていたそうだ。この時期にゆっくりと散策することはなかったので、この時期にシリアゲムシを見ることは初めてで、このことは知らなかった。
 次の予定があったのでゆっくりできなかったが、久しぶりの散策で気持ちが落ち着いた。

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2006年9月19日 (火)

鉄道の旅

 昆虫学会参加のための往路も鉄道の乗り継ぎだったが、帰りも同じ経路を辿って戻った。鹿児島中央駅を朝9時過ぎに出発し、自宅の最寄りの津駅に着いたのは夕方5時半前だった。8時間強の旅だ。これを長いと思うか短いと思うか人それぞれだろうが、これをうまく活用すれば無駄な時間にはならない。
 普段は気分的になかなか本を読む時間をとれないのだが、最近、鉄道に乗ると本を読めるということに気が付いた。これまで鉄道に乗る機会があまり多くなかったので、それに気が付かなかったのだ。今回は8時間の長旅だから何冊か本を持って行った。今日は清水義範著「大人のための文章教室」(講談社現代新書1738、ISBN4-06-149738-3)を鹿児島中央から博多までの間で読み終えた。作文が苦手な自分にとって、非常に参考になる本だった。この本に書かれていることを会得できれば、このブログももう少し読み易くなるはずだ。
 帰宅し夕食をとったあと、少しだけ研究所にでかけた。秋の虫がたくさん鳴いているが、種類が多いため、種まで把握できていない。クツワムシ Mecopoda nipponensis (de Haan, 1842) とアオマツムシ Calyptotrypus hibinonis (Matsumura, 1928) の鳴き声が元気なのははっきりわかるのだが。

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2006年9月18日 (月)

日本昆虫学会第66回大会3日目(2006年9月18日)

20060918blog  台風は通り過ぎたが、朝方まで雨は少し残っていた。学会の会場の鹿児島大学構内のイチョウ並木は潮にあたって痛んでいる様子だ。風が吹いたのに雨はそれほど降っていないからなのだろう。
 午前中の一般講演が終了したあと、亜熱帯の昆虫の休眠のことが疑問になり、正木進三先生をつかまえて質問した。正木先生はもう定年退官されてから10年以上になるが、毎年学会に参加されて研究発表されている。マダラスズ Dianemobius nigrofasciatus (Matsumura, 1904) という小型のコオロギを材料にして昆虫の季節適応に関する生態学的な研究を長年行っておられる、世界的にも名が通っている超一流の研究者だ。今年の講演では、石垣島に分布するミナミマダラスズ Dianemobius fascipes (Walker, 1869) の休眠反応の発表をされたので、自分が石垣島に住んでいたときに観察した石垣島の機構と石垣島に棲む昆虫の生活史のことについていろいろ疑問を感じることがあったので、思い切って質問してみたのだ。自分の考えもいろいろ聞いていただいたのだが、亜熱帯の昆虫の休眠については、まだ研究事例が少ないので、これから明らかにしなければいけないことが多いというところで見解が一致したと理解した。
 午後からは「ファーブル昆虫記とその後の100年」のシンポジウムに参加した。北海道大学総合博物館、国立科学博物館、滋賀県立琵琶湖博物館、兵庫県立人と自然の博物館、北九州市立自然史・歴史博物館、フランス国立自然史博物館の共同企画で行われるファーブル展を宣伝する意味もあるシンポジウムだ。これまでのファーブル展と言えば、ファーブルを無条件に賞賛する内容のものばかりだったが、今度のファーブル展は、ファーブル昆虫記をなるべく客観的に評価した展示内容にするということのようだ。開催されるのは来年秋からという予定のようだが、早く見たいものだ。
 最後は「半翅類学会」の小集会に出席した。とくに講演はなく、自己紹介を交えて様々な情報交換をした。予定の時間が過ぎると場所を居酒屋に変えて懇親会に突入し、夜遅くまでとりとめもない話をした。カメムシ、ウンカ、ヨコバイの話ばかりでなく、人類はあと何年生き延びられるだろうか、などと。

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2006年9月17日 (日)

日本昆虫学会第66回大会2日目(2006年9月17日)

20060917blog  朝起きると風は少し強いものの、雨もほとんど降っておらず、学会の会場に向かうのに全く支障はなかった。しかし、鹿児島大学の会場の建物の近くにイチョウの木が生えており、その下に実が落ちていたのは、風が強かったせいかも知れない。風が強くなったと感じたのはお昼少し前だった。今日の一般講演は2時過ぎまでで、2時半からはシンポジウムだった。シンポジウムの会場に入る頃には、風は相当強くなっていた。
 シンポジウムのテーマは「日本列島をめぐる昆たちの移動と分布変動−この調査におけるプロとアマチュアの役割−」ということで、3名から話題提供があった。いずれも興味深いものだったが、最後の「アサギマダラの移動調査をめぐって」という福田晴夫さんの講演は、プロでもありアマチュアでもある自分にとって、参考になることが多かったように思えた。
 夕方の小集会は「地表性甲虫談話会」に出席した。地表性甲虫談話会の会員になったのはもうずいぶん前のことだが、これまで昆虫学会の小集会では「昆虫の季節適応談話会」に出ていたので、今回で10回目を数える昆虫学会の小集会に参加したのは今回が初めてだ。野村周平さんのニュージーランドのアリヅカムシの話も面白かったが、自分の仕事と共通点の多い山下伸夫さんの「農業環境におけるゴミムシの活動消長と雑草種子食の評価」の話は非常に興味深いものだった。ゴミムシ類の生態がまだほとんど未解明であるという現状が再確認されたと思う。農業環境に出現するゴミムシ類だけでも、早く生態を明らかにしていきたいものだ。小集会のあとは会場の近くの居酒屋に場所を移したが、十分意見の交換をすることができたと思う。
 居酒屋を出る頃にはやや風も弱まっていた。街路樹の枝が折れているところもあったが、それほど被害らしいものは目に付かなかった。台風はもう遠くに行ってしまったのだろう。しかし、ホテルに戻ってテレビを見ると、九州のあちこちで被害が出ていたようだ。

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2006年9月16日 (土)

日本昆虫学会第66回大会1日目(2006年9月16日)

 朝ホテルでテレビのニュースを見ていると、台風13号が西表島を通過したとのことだ。中心付近の気圧は925hPa。強烈だ。西表島の上原では瞬間最大風速が69.9m/sを記録したとのこと。石垣島でも65m/sを越えたらしい。1997年4月から2004年3月までの7年間石垣島で暮らしたが、これほど強い台風は経験したことがない。今回の台風を含め、島を離れてから何度も強い台風が八重山地方を襲っているが、何だかちょうど強い台風がなかった期間だけ石垣島で暮らしていたような気がする。今回の台風は、中心付近の勢力は強いが、暴風域は半径150kmほどということでそれほど広くはないし、速度もそれほど遅くはないので、暴風で家に閉じ込められる時間はそれほど長くはないのではないかと思う。
20060916blog  学会の会場の鹿児島大学には路面電車で出かけた。電車に乗ると、学会に参加する人が何人も乗っている。一般講演が始まる30分ぐらい前には会場に到着。これから色々な発表を聴けると思うと心が踊る。
 午前中の一般講演の中の一つ。弘前大学を退官されてもう何年にもなる安藤喜一先生の「『オオカマキリが高い所に産卵すると大雪』は本当か?」を聴いた。安藤先生は定年退官された後も毎年のように学会で発表されている。安藤先生の発表は身近な昆虫を材料にした研究が多く、しかも常識や定説というものを疑っていて、いつも大変面白い。今年の発表もそうだ。40年間オオカマキリ Tenodera aridifolia (Stoll, 1813) の産卵場所を調べ、『オオカマキリが高い所に産卵すると大雪』という"定説"を確かめた人が本(『カマキリは大雪を知っていた』酒井與喜夫著、農村漁村文化協会刊、ISBN: 4-540-03114-7、2003年10月5日初版発行)を出して、しかも大変売れているそうだが、その"定説"を疑ったのだ。オオカマキリが大雪の年に高い所に産卵する理由として、大雪に埋もれてしまうと卵が死んでしまうので、それを避けるためだ、というのが暗黙の前提として存在している。この暗黙の前提は実は怪しいのではないかと、自分も前々から思っていたが、安藤先生はこれを野外で調査をして、実際に確かめたのだ。その結果は、「雪に埋もれていた方がむしろ孵化率が高い」というものだった。となれば、大雪の年にオオカマキリが高い所に産むとすれば、わざわざ孵化率を下げるようなものなので、そのような性質が進化する理由がないのだ。普段は自然のことに見向きもしないような一般の人は、人間が感じることができない何かをオオカマキリが感じて、それによって産卵場所を変えるという"定説"を「40年かけて調べた」という根気を評価したのかも知れないが、それは科学的な態度とは言えない。やはり、適切な方法によって採られたデータを誰にでも納得できるように解釈するのが、科学的な態度だ。
 午後の一般講演の最後は、自分の講演だ。いつもは生態学のセクションで発表するのだが、今回は初めて進化のセクションでの発表だ。シロジュウジカメムシ類(Dysdercus decussatus 種群)が輪状種ではないのか、という内容だ。聴衆の数はまずまず。学会発表の数を重ねてくるにつれ事前の発表練習をしなくなってしまい、本番では時間がなくなったりして考えたとおりに話すことができなくなってしまうことが多くなっていたが、今日は全く練習をしていなかったにもかかわらず、だいたい話したいことは話すことができた。社交辞令かもしれないが、何人かの人からは「面白かった」と言っていただけたので、素直に喜びたいと思う。
 夜は懇親会。様々な薩摩焼酎が並んでいる。飲む人にはたまらないだろう。自分はほとんど下戸なので、宴会はあまり好きではないのだが、色々な人と話ができるのは、やはり貴重な場所だ。Sさんの一般講演のときに質問したことがちょっと舌足らずだったので、懇親会の場でもう一度話をした。ま、それはそれでよかったのだが、そのSさんから、ひょっとしたら「○○○○」(本の題名)に出ている人じゃないですか、と言われてたじろいでしまった。確かにそうだから否定のしようが無いのだが、Sさんのような人から言われるとは思ってもいなかったのだ。ま、それはともかく、料理に奄美の鶏飯が出て来たのは嬉しかった。
 ホテルに帰り、シャワーを浴び、これを書いていると急に大粒の雨が降って来た。明日は台風が来そうだが、少しでも遠くにそれて欲しいものだ。

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2006年9月15日 (金)

日本昆虫学会第66回大会へ(2006年9月15日)

 明日から鹿児島大学で開催される日本昆虫学会第66回に参加するために、これから出発する。泊まるホテルは安いビジネスホテルなので、おそらくネットワークにアクセスすることはできない。ブログは帰って来てからまとめて書くことにしよう。
 鹿児島へは飛行機ではなく鉄道を利用する。鉄道は時間がかかるが、列車に乗っている間は、けっこう落ち着いて読書ができる貴重な場所でもある。夕方5時ぐらいまでに鹿児島に着こうとすれば、こちらを朝9時過ぎに出発すれば良い。九州新幹線が開通したせいか、思ったより早く着けるようだ。
 しかし、台風13号の行方が気になる。学会の3日目ぐらいにもっとも鹿児島に接近するようだ。なるべく遠くにそれて欲しいものだ。

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2006年9月14日 (木)

今日のセミの鳴き声

 昨日は一日中雨降りで、しかも気温が低かったせいか、セミの鳴き声を聞くことはなかった。今日は朝方まで雨が残っていたものの、出勤するまでに雨は上がった。前線が南に下がったらしく、空気はさわやかだった。昼前には陽が射すようになったが、もう真夏のような暑さは感じられない。キャベツ畑で害虫の調査をしていると、遠くでツクツクボウシ Meimuna opalifera (Walker, 1850) の鳴き声が聞こえる。
 外での調査を終え、研究室に戻ろうとすると、クマゼミ Cryptotympana facialis (Walker, 1858) とアブラゼミ Graptopsaltria nigrofuscata (Motschulsky, 1866) の鳴き声も聞こえた。まだ夏のセミの季節は終わってはいないということだ。
 ニイニイゼミ Platypleura kaempferi (Fabricius, 1794) はもう終わってしまったかと思っていたのだが、夕方帰宅するとき、鳴き声が聞こえた。意外にしぶとく鳴くものだ。明日から来週の火曜日まで出張で不在にするが、帰ってきたときにはどのセミが残っていてくれるだろうか。もちろん、ツクツクボウシは鳴いているはずだが。

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2006年9月13日 (水)

葉の巻物

 職場の成分分析の研究者の方が来て、これが何か教えて欲しい、と言った。植物の葉が巻かれて俵のようになっている。苗を作る時に使うビニルポットの中に落ちていたのを、パートさんが見つけたそうだ。
 即座に、それはオトシブミという甲虫の仲間が作ったもので、中に卵が産まれています、などと言ってしまったが、あとからよくよく考えてみると、今はオトシブミが揺籃を作る季節でもない。それと、俵の上の部分が奇麗な蓋になっていたのも引っかかった。オトシブミなら葉が巻かれているだけで、蓋になるようなものは作らない。
 もう一度現物を見せてもらいに行って巻物を解体した。すると、中から糊状になった花粉が出て来た。ハキリバチだ。ハキリバチが植物の葉を切り取るのは何度も見たことがあるが、ハキリバチが作った育児室を見たのは初めてだ。ビニルポットの中に落ちていたのは解せないが、近くに竹を切ったものがあったということなので、その中に作られたのが何かの拍子で下に落ちたのだろう、という理解をすることにした。
 今日は一日中雨降りで、セミの鳴き声も聞かれなかった。昨日はニイニイゼミ Platypleura kaempferi (Fabricius, 1794)、アブラゼミ Graptopsaltria nigrofuscata (Motschulsky, 1866)、ツクツクボウシ Meimuna opalifera (Walker, 1850) の鳴き声が確認できたので、天気が回復すればまたこれらのセミの鳴き声が聞けるのではないかと期待している。

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2006年9月12日 (火)

またまたヒゲコガネ

 今日はときどき雨も降る天気で、夕方は早く薄暗くなったが、予定どおりヒゲコガネ Polyphylla laticollis Lewis, 1887 を観察に行くことにした。現地に到着したのは18時15分頃で、まだ暗いというほどでは無かった。
 ヒゲコガネが飛び出したのは、やはりかなり暗くなってからだった。スーパーマーケットの水銀灯の下で待っていると、やはりヒゲコガネが飛んで来た。しかし、それほど執着することはなく、すぐどこかへ飛んで行ってしまった。やはり、趨光性は低いのだろう。

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2006年9月11日 (月)

ヒゲコガネは灯火に来る?

 先週の火曜日の夕刻、ヒゲコガネ Polyphylla laticollis Lewis, 1887 を観察したが、やはりその後もまだいろいろ気になっていた。今日は仕事が少し遅くなってしまったので、現地に到着したときは午後7時を過ぎていた。この前の観察のときには、この時間にはもうヒゲコガネは飛ばなくなってしまっていたので、今日は観察できないかも知れないと思っていた。
 橋の上で信号待ちをしていたとき、3メートルぐらい前にそれらしい虫が落ちていた。信号が青に変わったので、とにかく拾うだけ拾って交差点から歩道に入り、バイクを停めた。そこで、手につかんでいた虫を見ると、何と超小型のカブトムシ Allomyrina dichotoma Linnaeus, 1771 の♀だった。ちょっとがっかりだ。
 前回ヒゲコガネが飛んでいたあたりを数分歩き回ったが、やはりヒゲコガネは飛んでいない。諦めてバイクを手で押して横断歩道を渡ったところ、スーパーマーケットの水銀灯にまとわりつくようにやや大型のコガネムシらしきものが飛んでいる。急いでバイクを停めてその正体を確かめようと思ったが、次に見たときにはもうどこかへ行ってしまって、もういなかった。そのとき、水銀灯の下を見たら、もう干涸びて潰れているヒゲコガネの♀が落ちていた。ここに落ちているということは、水銀灯めがけて飛んで来たのにほぼ疑いない。前の観察から、ヒゲコガネは灯火には飛んで来ないのではないかと思ったのだが、これを見るとそういうわけではなさそうだ。
 残念ながら、その後はヒゲコガネらしい生き物は現れず、きちんと確認することはできなかった。明日はもう少し早く仕事を終えて現地に乗り込むことにしよう。

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2006年9月10日 (日)

芝生にキノコが生えた

20060910blog  このところ、雨がちで蒸し暑い。そのせいかどうか知らないが、我が家の庭の芝生に白いキノコが生えて来た。頼りになるキノコの図鑑を持っていないこともあるが、キノコの同定の要点がわからず、名前がわからないことが多い。
 庭に生えて来たキノコには「つば」があるので、そのあたりから同定することになると思うのだが、自信は全くない。
 キノコは並んで生えてきており、菌輪(フェアリーリング)を形成しているようにも見える。そのあたりを頼りにすると、庭の芝生に生えているのはハラタケ Agaricus campestris Fr. ではないかと思う。初めて知ったのだが、Agaricus というのは「アガリクス」のことではないか。新聞の広告で見る「アガリクス」の姿と、庭のキノコとはあまり似ているようには見えない。

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2006年9月 9日 (土)

不快指数

 息苦しい。どうも湿度が高いと息苦しく感じられるようだ。最寄りのアメダスのデータを見ると、今日の最低湿度は85%ぐらい、最高では95%にも達している。これだけ湿度が高いと、汗をかいてもほとんど蒸発しない。息苦しく感じられるのは、ひょっとしたら皮膚呼吸が阻害されているからなのかも知れない。
 ふと気になって不快指数というのを調べてみた。最近この言葉はあまり耳にしなくなったような気がする。不快指数というのは、意外にもアメリカで考案された概念のようだ。もう一つ意外だったのは、語感からは、高ければ高いほど不快で、低ければ低いほど快適なのかと思っていたが、そういうわけではないということだ。今日の日中のデータを当てはめてみると、不快指数は80前後になる。この値はほとんどの人が不快感を感じるようになる値であると言われているらしいが、自分にとっても相当に不快感を感じるものだった。
 しかし、この不快指数の計算式。何を根拠に係数を決めたのだろうか?

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2006年9月 8日 (金)

マメハンミョウ

 調査のために畑に向かっていると、舗装されている道路上を何かが歩いていた。よく見てみるとマメハンミョウ Epicauta gorhami Marseul, 1873 だった。写真を撮ろうかと思ったが、舗装道路の上を歩いているのを写真に撮っても面白くないと思ったし、それ以前に、なかなか歩くのを止めないので、仕方なく採集して室内で撮影した。20060908blog
 マメハンミョウを見たのは盛岡に住んでいたとき以来だから、15年ぶりぐらいのことになる。7回の夏を過ごした盛岡でマメハンミョウを見たのは1回だけだと記憶しているが、そのときには、シロツメクサ Trifolium repens L. の葉に多数群がっていた。その記憶があったので、付近を探したが、他には全く見つけることができなかった。
 今晩は昆虫談話会の集まりがあったので、マメハンミョウを見たことを話題に出したのだが、三重県ではここ10年以上正式な採集記録が発表されていないとのことだった。原稿を書かなくては。

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2006年9月 7日 (木)

頑張っているセミ

 9月に入って一週間経った。セミの鳴き声に張りはなくなった感じだが、まだ頑張って鳴いている。意外なのはニイニイゼミ Platypleura kaempferi (Fabricius, 1794) だ。今鳴いているセミの中でいちばん始めに鳴き始めたのに、まだ鳴いているからだ。さすがに最盛期と比べるべきものではないが、今日も職場の前の並木で少なくとも2個体の鳴き声が確認できた。アブラゼミ Graptopsaltria nigrofuscata (Motschulsky, 1866) はまだ盛んに鳴いており、鳴き声が遠くまで聞こえるせいかクマゼミ Cryptotympana facialis (Walker, 1858) もまだ元気に鳴いているように思える。しかし、ヒグラシ Tanna japonensis (Distant, 1892) はここ数日鳴き声が確認できていない。もう終わってしまったのかも知れない。もちろんツクツクボウシ Meimuna opalifera (Walker, 1850) は元気だ。去年はアブラゼミは10月12日まで、ツクツクボウシは10月14日まで鳴き声を聞くことができたが、今年はいつまで鳴き声を聞けるだろうか?

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2006年9月 6日 (水)

クロアナバチの巣穴

 今日は雨が降るという予報だったので、雨が降り出す前に、と思って、朝一番にキャベツ畑での害虫の調査をした。8月30日にキャベツ畑で見つけたクロアナバチ Sphex argentatus fumosus Kohl, 1890 の巣穴は、害虫や天敵の調査のために設置したコンクリートブロックのすぐ近くに掘られていた。調査は畑を6つに区分けして行っているので、コンクリートブロックが6か所に置かれている。ところが、驚いたことに、今日はじめて気が付いたのだが、6か所のうち東側の3か所のコンクリートブロックの北東側の角に近い相対的に同じ位置にあたる場所にすべてクロアナバチの巣穴が掘られていた。
 この3か所の巣穴が同じクロアナバチの個体によって掘られたものなのか、別の個体が掘ったものなのかわからないが、これには何かある、と思わざるをえない。
 また、害虫調査のときの楽しみができた。

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2006年9月 5日 (火)

ヒゲコガネの観察

 昨日の職場からの帰り道で半分潰れかけたヒゲコガネ Polyphylla laticollis Lewis, 1887 を拾ったので、今日はちょっと観察してやろうと、ちょっと早めに現場に向かった。遠くにある台風12号のせいか、今日は北西の風がやや強く感じられる。
 現場に到着したのは18時20分頃。もう日没時刻は過ぎているが、まだ明るい。ヒゲコガネはまだ飛ばない。徐々に暗くなったがまだ上空に薄明かりが残っている18時40分頃、やっと1頭目が飛ぶのが確認できた。
 現場は交通量がやや多い県道の交差点で、街路灯も設置されている。ヒゲコガネが見えるのは、街路灯や自動車の前照灯に照らされた個体だが、街路灯の明かりに引き寄せられるふうでもなく、それほど高くないところを飛んでいる。おそらく、ヒゲコガネの♂は、あの立派な触角で♀が出すフェロモンを探り当て、♀を探して飛び回っているのだろう。
 最後に飛ぶのが確認できたのは19時頃だった。その後、19時10分ぐらいまで現場にいたが、もう飛ばないだろうと思って引き上げることにした。その後、ヒゲコガネが飛んだかどうかわからないが、もし飛ばなかったとすれば、高々20分しか活動していないことになる。
 石垣島に住んでいた頃、ヒゲコガネと同じコフキコガネ亜科 Melolonthinae、コフキコガネ族 Melolonthini に分類されるケブカアカチャコガネ Dasylepida ishigakiensis (Niijima et Kinoshita, 1927) の活動時間を調べたことがあるが、ケブカアカチャコガネの活動時間も日没前後の30分ぐらいの短いものだった。夕刻の限られた時間に活動するというのは、この仲間に特徴的な性質なのかも知れない。

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2006年9月 4日 (月)

ヒゲコガネ

 ヒゲコガネ Polyphylla laticollis Lewis, 1887 は子供の頃から採ってみたい虫だったが、何故か採る機会がなかった。ところが今日の職場からの帰り、信号待ちで安濃川の橋の上で止まったとき、大型のコガネムシが飛んでいるのに気が付いた。ヒゲコガネだ。ふと前を見ると、それらしい物体が落ちている。バイクを降りてみると半分潰れているがヒゲコガネの♂に間違いなかった。さっと拾いバイクに戻ったら信号が青に変わった。
20060904blog  家に帰ってティッシュペーパーの上に置くと、ダニの一種が何頭か這い出して来た。どこから出てくるのかと思って、鞘翅を拡げたところ、後翅の付け根あたりに多数のダニがたかっていた。ヒゲコガネの寿命はそれほど長いわけではないだろうから、このダニはおそらくヒゲコガネを移動手段として利用しているだけなのだろう。
 明日はちゃんと準備して、生きたヒゲコガネを採りたい。

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2006年9月 3日 (日)

コカマキリ再び

20060903blog_1  キャベツの苗に水をやったり、飼育している虫の餌替えなどのために職場に出かけた。すると、建物の入り口の壁にコカマキリ Statilia maculata (Thunberg, 1784) が止まっていた。8月26日にも見たので、今年2頭目ということになる。この入り口の近くの建物の上の方には夜間の照明があるので、それに引き寄せられて来たのだろう。石垣島に住んでいたときにも、自宅アパートの照明によくカマキリが飛んできていたが、いちばんたくさん見られたのはコカマキリに近縁なスジイリコカマキリ Statilia sp. で、次に多かったのはウスバカマキリ Mantis religiosa Linnaeus, 1758 だった。ウスバカマキリは比較的緯度の高いヨーロッパでもっとも普通に見られるカマキリらしいが、三重県に来てからは一度も見たことがない。見られないのは、緯度以外の何か別の理由があるのだろう。
 8月26日のコカマキリは♂だったが、今日のは♀だった。まだ腹部はそれほど肥大していなかったので、産卵はまだ先のことだろう。カマキリの♂と♀は腹部の先端の構造を見ればすぐに見分けられるが、触角の長さでも容易に識別できる。触角が長いのが♂で短いのが♀だ。カマキリに性フェロモンがあるのかどうか知らないが、触角の構造が♂と♀で違うので、やはりあるのではないかと思う。
 ♂と♀の腹部の構造が違うのは当たり前だが、♂と♀で腹節の数が違うことはあまり知られていないようだ。このことについて触れられている書物を見たことが無い。理由はもちろん知らないが、♀の腹節の数は、♂や幼虫よりも2つ少ない。これはハサミムシも同じだ。ハサミムシは成虫になっても無翅の種も多く、成虫なのか幼虫なのか区別がつきにくい場合があるが、腹節の数とハサミの形態に着目すれば、容易に識別ができる。成虫になると♂の場合はその種独特のハサミの形態になるが、♀の場合は成虫になってもハサミの形態にあまり変化はなく、腹節の数が2つ少なくなる。
 ゴキブリもカマキリに近縁な昆虫だが、あまりじっくり手に取って観察しようと思わないので、本当のことは知らない。おそらくカマキリやハサミムシと同様に、♂と♀では腹節の数が違うのではないかと思う。自然観察者としては、ゴキブリもしっかり観察すべきだが、これでは明らかに落第だ。

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2006年9月 2日 (土)

近所で散歩再び

 いちばん下の息子に誘われて、この前の日曜日と同じような経路を辿って散歩した。今週の半ばにかなり雨が降って、ゴミが流されたためか、美濃屋川の水が奇麗になっていた。水量も随分少なくなって、水底まではっきり見える。コイ Cyprinus carpio L. はいるだろうか?
20060902blog_1  美濃屋川を下ってもう少しで安濃川への合流点という場所にある堰堤の手前は、やや水深が深くなっていたが、そこには50cm近くはありそうなコイがたくさんいた。是非とも釣ってみたいと思うが、冷静になって考えれば、これほどの大きさのコイをつり上げようと思ったら、それなりの装備が必要だ。
20060902blog_2  美濃屋川から分かれて用水路に入ると、水は申し訳程度にしか流れていなかった。前から気になっていた果実をつけたアカメガシワ Mallotus japonicus (Thunb. ex Murray) Mueller-Arg. を見てみると、期待していたとおりオオホシカメムシ Physopelta gutta (Burmeister, 1834) が見つかった。幼虫が多いが成虫もいた。自宅の前にもアカメガシワの雌株があるが、果実はわずかにしかついておらず、まだオオホシカメムシも見られない。
20060902blog_3_1 20060902blog_4_1  さらに用水路を進むと、ギンヤンマ Anax parthenope julius Brauer, 1865 の産卵に出くわした。美濃屋川の本流でもギンヤンマはよく見られるのだが、いつも活発に飛び回っているので、写真撮影も容易ではない。ところが、ここで産卵中のギンヤンマは近づいても逃げること無く、じっくりと観察することができた。このあたりはさらに水量が少なく、ウキクサの仲間が溜まっている。そこには力尽きたナガサキアゲハ Papilio memnon thunbergii von Siebold, 1824 が仰向けになって浮いていた。鱗粉はまだかなり奇麗に残っていたが、何故死んでしまったのだろう?

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2006年9月 1日 (金)

クロアナバチ再び

 今日も一昨日と同様にキャベツ畑で害虫の調査をした。今日は朝方までけっこうな雨が降っていたので、調査は夕方になってしまった。一昨日の調査の時、クロアナバチ Sphex argentatus fumosus Kohl, 1890 を見つけた。今日はどうかと思っていたら、今日も巣穴の近くにクロアナバチがいた。一昨日の個体と同じ個体だろう。
 ところが、一昨日と違うことが一つあった。クロアナバチにまとわりつく寄生蠅と思われるハエがいるのだ。こういうハエがいることはちょっと前まで知らなかったが、安田守さんのブログでその存在を知った。安田さんの写真は極めて鮮明なので、今日見つけたハエが同じ種類なのだろうというのはすぐにわかった。
 職場の付近では決してクロアナバチの個体群密度が高いわけではないと思われるが、それでも寄生蠅がまとわりつくとは、クロアナバチも大変だ。このハエの寄主探索能力が極めて優れているのかも知れない。

20060901blog

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