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2006年7月11日 (火)

ナツノツヅレサセ

 昼間だというのに、職場に隣接している田圃のそばでコオロギの鳴き声が聞こえた。ツヅレサセコオロギ Velarifictorus micado (Saussure, 1877) の鳴き声と区別はつかないが、今の時期に鳴いているのはナツノツヅレサセ Velarifictorus grylloides (Chopard, 1969) に違いない。この2種は形態的に非常によく似ていて、しかも1代限りながら種間雑種もできるほど近縁な種だということだ。ナツノツヅレサセの鳴き声は夏の盛りの頃には聞こえなくなってしまうが、その頃から秋深まるまでツヅレサセコオロギが鳴く。それぞれ成虫になる季節が違うので、この2種の間で種間雑種ができる可能性は極めて低い。

きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに衣片敷きひとりかも寝む

 キリギリス Gampsocleis buergeri (de Haan, 1842) は夏の盛りの日中に盛んに鳴くので、この新古今和歌集の後京極摂政前太政大臣の歌の「きりぎりす」は明らかに現在キリギリスと呼ばれている種とは別物のはずだ。おそらく、秋遅くまで鳴いて身近に棲息しているツヅレサセコオロギのことだろう。

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